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生野未来学園の6年生が会社を作りました!~RPG生野未来学園商店街「大阪の新しいお土産を考えよう」~(IKUNO×ものづくり×ICT 次世代の職業体験プログラム)

みなさんは、お土産(みやげ)もらうと嬉しいですか?
こどもでもおとなでも、誰でも笑顔になると思います。
おいしくて、楽しくて、めずらしくて・・
そんなお土産なら、なおさらです。
お土産は、みんなの心を、あたたかくするんですね。

今回は、小学校6年生が、
RPG(ロールプレイングゲーム)を通して会社を設立し、
「大阪の新しいお土産」を考えて販売しよう!というお話です。

生野区の「義務教育学校 生野未来学園」6年生が、このプログラムを体験しました。

それでは生野未来学園の講堂に「RPG商店街」が開店するまで、
そして、その結果はどうなったのか、
皆さんと一緒にみていきましょう! 

<その1>:9月20日 「会社を作ろう!」

商店街設立へむけて、「大阪シティ信用金庫」 さんの協力によるはじめての授業が開かれました。

まず「会社を作ろう」をテーマに、先生からいろんなお話を聞きました。
今まで、興味があっても、あまり考えたことのないテーマです。

(先生のお話に集中です!)

会社ってなに?
お父さんやお母さん、家族や親せきのおじさん、おばさんも勤めてて・・
考えてみたら、確かに「会社」は、いろんなところにあります。
もちろん、「おうちがお店で会社だよ!」って人もいるでしょう。
〇〇会社が自分の周りにあることは当たり前すぎて、あまり考えたことがなかったですね。

さっそくグループに分かれてみんなで話し合いました。
自分たちが作る会社をどんな会社にしたいか考えます。
そしてまず、その会社が目指すものを決めます。
・世の中の人がよろこぶ事をする?
・あなたは、どんなところで働き、何をしたいですか?
「そう言われても、すぐには出ないなあ・・」

みんなは、5年生の時に「職業調べ」という授業で、生野区の会社を勉強しました。
いろんな会社を調べたんです。
パン屋さんやミシン製造、アクセサリー、メッキ加工、製薬、がま口製造、石鹸、陶芸、お菓子屋さん・・ 
その資料をみて、あれこれ思い出しながら、また考えます。

(少し時間をください!)

会社について、徐々に意見が出てきました。
「そういえば、自分でこんなことやってみたいと思ってたんだけど・・」
「これって大阪土産になる?」

今回、各グループは、そのまま各「会社」となります。
会社では、いろんな人が働いています。
まず、メンバーの役割分担を決めました。
「社長」「企画部長」「営業部長」「調達部長」「経理部長」の5つです。

・調達部長ってなにする人? 
  そうか、商品をつくる材料を調べて用意する担当なんだ。

企画部長は具体的にどんなことするの?
営業部長と経理部長は、なんとなく分かるかな!
社長が何でもひとりで決めてしまうのは、だめです!

会社でモノづくりするには、みんなの協力が必要で、チームワークが大事なんですね。

(ひらめいた!会社の名前)
  

役割も決まり、会社が目指すものをみんなで話し合ったあと、その内容にふさわしい「会社の名前」を決めました。
名前って大切ですね!どんな名前になったか楽しみです。
話し合って決まったことを、ワークシートにまとめます。

なんか、「おもしろいこと」出来そうな気になってきました!

<その2>:9月22日 「大阪の新しいお土産を考えよう!」

続いて、この授業では「大阪の新しいお土産」を具体的に考えていきます。
会社を作りましたから、今度はそこで「何を売るのか?」ですね。

最初に、まず大阪のことをいろいろ話し合いました。
・大阪の街にはどんな特徴がある?
・大阪の特産品や名物とはどんなもの?
・今、誰かに大阪土産を持っていくとしたら、それは何?
・どんな人がそれを買っているんだろう?
考えること、たくさんあります。

(いろいろ調べます!)

大阪のことをいろいろ話し合ったあとで、
みんなで「大阪といえばこれ!」という新しいお土産を考えます。
だんだんアイデアが出てきました!
自分で使うだけではなく、誰かにプレゼントしたくなるものとは?

そして、ワークシートに商品のイラストを描いてみました。
何回も消しゴムで消しては、描き直します。
「ちょっとイメージ違うかな・・」
色鉛筆で色も塗りました。
実際に絵を描いてみると、なんかいろんな事がはっきりしてきます。

「これはどうかな?いけるかな?こだわりポイントは?」 
少しだけ、みんな迷っています。

(これだね!)

各会社は、出来るだけたくさんの人に買ってもらえるようなお土産を考えます。
魅力的な売れるお土産を、出来るだけ安い費用で作りたいですね。
みんな、また考えます。

話し合いの中で「大阪の新しいお土産」について、
メンバーから、徐々に具体的なアイデアが出てきました。

出てきたアイデアに、みんなでいろんな意見を出しあい、
1枚のワークシートにまとめるのは、なかなか難しい作業です。
これは、小学生も大人も、学校でも会社でも一緒かもしれません。
確かに、話し合って意見を一つにまとめるのは、大変ですね。
でも、実はとても貴重な経験となりそうです。

みんなで、その商品の形や色、味や大きさも想像します。
「こんな人に買って欲しい!」
「その人は使ったらこんな気持ちになる!」
「そのために、ここにこだわって工夫しよう!」
そして、ついに「商品」と「商品名」が決まりました。
「この名前、ピッタリだ!」
さあ、ワークシートに書き込みましょう!   

(決まり!)

<その3>:10月10日 「会社とは?会社をつくろう」

きょうは、大阪シティ信用金庫さんが講師となり、直接お話が聞ける日です。
多目的室に、みんな集合しています。
この前、みんなで考えて考えてつくった「会社」でしたが、
金融のプロの立場から、またいろんな事を教えていただきました。

・会社とはどういうところ?
・世の中は、いろんな会社と働く人で出来ている。
・目標を達成するアイデアとは?
・実際に会社を作ろうとすれば、必要な準備がこんなにたくさん!資金や設備だけではなく、働く人がとても大事だったり。
  
そして何より記憶に残ったのは、
会社を設立したあと、継続して成長していくためには、
人間としての「信用」が一番大切、という話でした。

そしてその信用を得るためには、信頼されるような仕事をいつもする必要がある。
これは、会社のことだけじゃなさそうです。
大事な学習ができました。

金融機関は「会社」と協力しながら、産業や社会を支えているんですね!

(なるほど、これは大事です!)

なんか、分かってきたような気がします。
会社をつくり、運営し継続していく為には、
お金儲けだけを優先していては、達成出来ないんですね。

大阪シティ信用金庫さんからのお話は
会社を作る上で、本当に勉強になりました。
実際、これから各会社は、商品をつくるための費用を金融機関から借りて融資してもらう必要があるんです。
各クラスは教室へ戻り、早速、先日のワークシートをもう一度みんなで見直しました。

どんな会社を立ち上げ、どんな大阪の新しいお土産をつくるのか、ほんとに売れそうなのか?
改めてみんなでじっくり考えます。
ワークシートを見ながら、また話し合いました。

「よし!これしかない。やっぱり商品はこれで決まり!」

(これが新しい大阪土産です!)   

<その4>:10月13日 「事業計画書を考えよう」

会社もつくり、販売する商品も決まりました。
きょうは、必要な費用を金融機関から借りるための「事業計画書」をつくります。

さあ、まず商品を作るために必要な費用を計算しましょう。
今回は、「製造費を計算するための費用一覧表」を参考に1個あたりの商品にかかる製造費を計算します。
品目別に「基本ポイント」が設定されていて、
味・素材・包装など、こだわれば「こだわりポイント」が加算されます。

そして、売るためには、その他にも経費がかかります。
会社には5人の社員がいて、5人分の人件費が必要です。
これで、必要な費用=金融機関から借りるお金がわかりました。
そして、借りるお金には利息がかかります。
借りたい金額のままではありません。 
「そうなんだ、利息って知らなかった!」 

(その案に賛成です!)

これら、すべてにかかる費用を考えて、
必要な売り上げ額を決めなければいけません。
そのうえで、1個あたりの販売価格が決まります。

何個売れるかな?ではなくて、〇個売らなければ赤字だ。
借りた経費は、ちゃんと金融機関に返せるように!
確かに、利益を出さないと会社を作った意味がないですね。

でも価格を高くすると売れないかも・・
いや、いろんな工夫をしたから大丈夫?
何個作っていくらで売るか?さあ、もう一度みんなで考えよう。
営業部長や経理部長からも、するどい意見が出てます!

事業計画書を完成するため、考えた数字を入れていきます。
利益額はこれくらい確保です。電卓も使って検算します。
みんながんばってます!

(でしょ?)

<その5>:10月18日 「プレゼン資料を作成しよう」

さあ、きょうは、会社に必要なお金を金融機関から借りられるように、
みんなで決めた「事業計画書」を基に、「融資相談プレゼン」の資料を作成します。

金融機関に、きちんと説明して理解してもらい、販売収支として大丈夫なら、希望の金額を借りられるんですね。
金融機関の融資担当にプレゼンをするための資料づくりです。
限られた時間で理解してもらうために、タブレットで1枚のポスターを制作し、商品PRします。
さあ、またみんなで役割分担しながら共同作業です。
著作権の許可が確認出来ているフリーイラストを探します。
オリジナルのイラストを描きます。
色塗りもします!

(イラスト描いてます!)

キャッチコピーも考えました。
完成したイラストはタブレットに取り込んでと・・
ポスター完成です!

(話しかけないでね!)

このポスターを見ながら、もう一度、事業計画書を確認します。
そして、プレゼン用の「読み原稿」を準備しました。
各担当で分担し、説明する言葉を具体的に考えます。
「よし、あとは本番のプレゼンだ!」

(・・でも、もう少しみんなで練習しよう~)

<その6>:10月20日 「融資相談プレゼン大会」

きょうは、いよいよ「大阪シティ信用金庫」さんへ融資相談をする日です。

やっぱり、ちょっと緊張です!
先生と、扉の開け閉めからあいさつや一礼も練習しました。
まず、元気な声で「失礼します」から。
ドアのノックは3回です。

(事業計画書です!)

順番が来たら、各会社(グループ)は部屋に入り、
タブレットをプロジェクターに繋ぎます。
さあ、プレゼンが始まりました。
みんなで協力して商品のアピールをします。

(少しだけ 緊張!)

元気な笑顔で、わかりやすく説明できたかな?
質問には、ちゃんと答えられたかな?
ポスター映像で魅力的な商品アピールはできたかな?

(せっかくですので、作成したポスターを各組からご紹介しましょう!)

【ポスター:1組-1班 「ポジティブ会社」】
【ポスター:2組-1班 「たこやき」】
【ポスター:3組-1班 「株式会社クリア」】

がんばりました!
ありそうだけど、今までにない「大阪の新しいお土産」を工夫し考えました。

(しっかり説明できました!)

「よくわかりました。これは楽しみです。ぜひ商品を作ってください。」
「必要な資金を貸しましょう!」

やりました。みんな無事に 融資成功です! 

  (11月14日~17日:開店準備)

来週はいよいよ「RPG商店街」の開店です。
各会社は、開店準備の仕上げにかかりました。

たくさんのお客様に来てもらえるように、いろんな工夫をみんなで考えました。

商品サンプルを、粘土でつくります。
カラフルですね。手が汚れても大丈夫!

(カラフルな手!)

段ボールを組み立て、切り取り、カタチを整えます。
POPやポスターもしっかり描き込みます。

さあ、これでもう大丈夫!(かな・・?)

(描き込んでいます!)

<その7>:11月21日 「販売実践」

とうとう、「RPG生野未来学園商店街」の開店日が来ました。
講堂に、みんな集合しました。
机を運び、まずは会場づくりからスタートです。
そして、各会社はポスターを貼ったりTシャツに着替えたりと、準備に大忙しです。
商店街らしくなってきましたね。

(しっかり持ってね!)

きょうは授業参観日で、みんなの合唱も披露します。
そして商店街には、たくさんの方がお客様となって来場されました。
各会社から呼び込みの大きな声が響きます。
みんなで考えたセリフです。

お客様は、専用のお金をもって、お店をまわります。
気に入った商品があれば商品のかわりとなる「商品カード」を買って、
カードになぜその商品を買ったのか、お店のみんなへメッセージを書いていきます。

(見て!買って!見て!550円‼)
(いらっしゃいませ!)

みんなは、お店を運営する「会社員」でもありますが、実は、ひとり1,500円を使う「お客様」でもあります。
ほかのお店もいろいろ回って商品をしっかり見ました。

「隣のあの会社、こんなおもしろい商品を作ったんだね!」
「ホントに欲しくなる商品だ。買おう!」

(最後の追い込みです!)

完売の店も続出し、
「RPG商店街」は、無事、閉店となりました。

<その8>:12月20日 「決算発表・振り返り」

みんなが一生懸命努力した結果は、
決して、数字だけで比べるものではありません。
ただ今回、「売上」「販売数」「利益」という3部門は、
販売結果として残りました。
これも、貴重な経験となりそうです。

(おめでとうございます!)

1組は「販売賞」「グルメ賞」
2組は「利益賞」「売上賞」
3組は「アイデア賞」「デザイン賞」
を受賞し、各チームへ表彰状が授与されました。

(本当にがんばりました!)

お客様からの、商品カード(購買理由)には、
「サンプルが本物みたい。」「美味しそうに見えて食べてみたい。」「商品がほんとにかわいい。」などが多くありました。
「店員さんが熱心で元気だった!」も嬉しいコメントですね。

よかったね!みんな、がんばったよ!

(「利益賞」 受賞!)

単価500円の「たこ焼きクッキー」を75個すべて売り切り、
利益と売上もトップだった会社があります。
600円のTシャツを57枚売って、売上・販売数ともに2位だった会社もありました。

すべて売り切ったけど、売上順位は低かった会社・・
途中で値下げを判断したら、完売したけど利益が出なかった会社・・
単価を他より高くしたら、完売出来なかった会社・・

いろんな歓喜と反省を残して、
「RPG生野未来学園商店街」は終了しました。
会社設立から販促・販売、そして売上結果まで、
グループワークを通じて生野未来学園の6年生は、
働く事の第1歩を、経験しました。

みんなは、これから周りの「働く人たち」が、
今までと違う視点でみえるかもしれません。
少しだけ「喜びと悔しさ」を経験しましたから。

今後のこどもたちの成長を楽しみに、
また「次世代の職業体験プログラム」で
お会いしましょう!