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生後3週間の赤ちゃん熊が保護された後の話

先日、マニトバ州の南東部でブラックベアの赤ちゃんが保護されたニュースと、今朝ラジオで聴いた獣医さんの話が興味深かったのでシェア。

ニュースのリンクはこちら。

記事の下の方にある動画で、赤ちゃん熊がキューキュー鳴きながら指を吸ってる動画があって、可愛さでキュン死するから見て!😘

保護時推定生後3週間。

山林の持ち主が重機で木や藪の塊をどけていたら、そうとは知らずに熊のすみかを破壊してしまったのだそう。
お母さん熊はすぐに逃げて行ってしまい、残された仔熊は大声で鳴いていたのでオーナーが気付いて保護したと言う。その晩は−25℃まで下がる予報だったからもし気付かれていなければ凍死してしまっていただろう。それか、大声で鳴いていたのでコヨーテなどの捕食者の餌食になっていただろうと言う。

体重わずか1.5kg。まだ目は開いていない。

ストーンウォールにあるブラックベア・レスキュー・マニトバで育てられることが決まった。名前は、彼を育てるための資金を寄付してくれた人にちなんでキャスパー。

2時間おきの哺乳瓶での授乳とゲップを出させることは欠かせない。獣医さんによると、とても規則的な生活パターンだと言う。寝て、ミルク飲んで、また寝る。
ミルクを飲んだ後は寝入るまで必ず飼育員さんの指を吸うのだそう。本当は人間にあまり近づけてはいけないのだけど(理由は後述)、指を吸わないと眠れないのと、本来お母さん熊のオッパイを吸う時は哺乳瓶のように簡単には出ないから時間をかけて吸っていることから、指を吸うことを許しているのだと言う。

さっきの動画を是非観てほしい。

寝る時は、ふわふわのぬいぐるみのテディベア🧸にくっついて抱っこして寝てるんだって😍😍😍  やはりお母さん熊のように毛がある感触じゃないと駄目らしい。だから常にテディベアを触ってるのだそう。見たい!

今は哺乳瓶からだけど、来月か4月には器からミルクを飲めるようにして、その後は固形食も混ぜて、最後は野生の熊が食べる草、根、木の実、ベリー、昆虫などを食べさせて11月には野生に返す予定だと言う。

成熊になると300kgにもなる。人間の食べ物も一度知ってしまうと大好きになって狙うので非常に危険。保護した施設によれば、この仔熊は野生に返すから人間のペットにしてはいけない、人間と餌を結び付けさせてはいけない、なぜなら人間を見ると食べ物がもらえると思ってしまって近づくようになるから、ということで、できる限り人間とは接触させないで育てるそうだ。

人間と熊とは違う場所で生活する違う生き物であり、交わらず、お互いのテリトリーで生活するのがお互いの幸福なのだ、という話が納得できた。

最後に女性の獣医さんの「こんなパワフルになる動物に関わる事が出来た特権を光栄に思っています。」と嬉しそうな興奮した声でのコメントが印象的だった。

人間に助けてもらい、お世話してもらって、どうやって人間を好きにならずに、また人間と餌を結び付けずに育てられるのか、非常に興味がある。難しいだろうと思う。でも無事に野生に帰ってほしい。撃たれちゃうだろうから恩返しには来ないでね。

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