乳幼児・幼児が音楽に触れることや五感での体験が大切だと私が思う理由。

画像1 6月10日は「ときの記念日」。 なので、今週は私の音楽レッスンも2,3,4,5歳クラス全部で「とけいのうた」を歌いました。 通りかかった道のよその園からピアノと一緒にこの歌を子供達が歌ってる声が聴こえてくると、私はいつもなんですが、子供の頃に通ってた幼稚園の教室でこれを歌いながら嗅いだ6月の教室や廊下の空気の匂いを思い出します。自分が幼稚園のときに先生のピアノで歌った曲を、今は遥か未来に出会った新しい世代の子供達が私のピアノで歌ってる…という時間の不思議。 私にとっては、これこそが時の奇跡だと毎週思う。
画像2 時の記念日の由来は「日本で初めて水時計が作られた日」だと、幼稚園のときにこの歌を教えてくださった先生がおっしゃってたのは覚えてました。 そのとき、水時計ってなんだろう?と思ったけど、雨だれみたいにぽよんぽよんした水色の時計だったらかわいいな…と思ったことを思い出しました。 それで、ネタに困った今週の私のクラフトレッスンでは、時計がいいんじゃないの?という園長先生のご助言もあり、歌に合わせて水色の時計を子供達に作ってもらいました。 習った「とけいのうた」を歌いながら、子供達は楽しそうに作ってて良かったな。
画像3 音楽教育やピアノや歌って、保育の現場では重要視されてないことも多いんだな…と思う時が、過去リアルで働いた複数の園でもネットでも結構ありました。 でも、私は実は最重要視してる。 なぜなら私が良い例ですが、子供の頃に五感(とくに聴覚・視覚・嗅覚)が感じた感動は生涯その子に残り、バックボーンになる。 五感で触れたものが未来その子の感性・思考や嗜好・音感やリズム感や思想、文化圏や言語化能力や異文化に対するキャパシティ、未来に本人の生き方や選択肢を作るから。 時にそれは逆境で、本人や誰かの命を救うことすらあります。
画像4 だから、私はベビーシッターをやってたときは、世界のいろんな国の言葉(英語・ポルトガル語・スペイン語・たまにフランス語や朝鮮語)・リズム・メロディ(音階)で0歳1歳の子にピアノや打楽器やアカペラで歌を歌ったりしてて、同じ曲のピアノをファンクにしたりサンバにしたりボサノバにしたりして遊んだりしてました。 リズム・音階・言葉の音には、その国の風土や自然・歴史・文化・宗教や国民性などが背景にある。理屈を知らなくても、五感に入った音は(子供にもよりますが)彼らの感覚・感性の一部を必ず作っていくものになるから。
画像5 なんでこんなことをしてきたかというと、英才教育でもなんでもなくて、単純に私がいろんな国の音楽や文化や芸術に触れることが子供の頃から好きだったからなんですが、私が歌ったポルトガル語の「Felicidade」 を覚えて歌った子もいて、私の方がびっくりしました。 今の子供は昭和以前の日本の子供達の大半が苦手だったアフロルーツの16ビートの裏のリズムで自然に踊れるし、子供の才能や能力の可能性・感性の柔らかさは、大人が思ってる以上すごい。私なんかあっという間に抜かれると思うし、子供達から学ぶことも多いです。
画像6 音やリズムは不思議で、何語で歌うかによっても、同じ曲の持つ雰囲気がまるっきり変わってしまったりします。フランス語やポルトガル語のようなラテン語ルーツの歌詞は響きが柔らかいし、ドイツ語は音が堅くて力強い響きになる。 そして日本語の歌詞はやっぱり、響きになつかしい四季の匂いを感じます。 子供の頃に嗅いだ匂いの記憶が音でよみがえり、再現されてるからなつかしいと感じるんだな…と、子供達が歌う「とけいのうた」を聴きながら思いました。 音の響きのもつ感性に触れる五感の体験を、これからもどんどん作っていきたいな。

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