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セルフマネジメントのための特別理事会

iLEAPスタッフのけいです。

先日、長年続けていたことに名前があるということを友人から教えてもらいました。その名もPersonal Board of Directors(以下PBOD)。日本語だと「特定の個人のためだけの理事会」というようなニュアンスになると思います。

4年ほど前に、大学の授業でお話させていただいたときに、NPO運営の話や団体のミッションや苦労話についてお話をさせていただきました。その際に、学生からこんなことを聞かれました。

「素晴らしい活動をしていて、とても共鳴するところがありますが、そこで働く恵さん自体はどのようにセルフケアされているのですか?」と。

私はそこで即座に「私には秘密のサポートチームがあるんです。」と答えました。

iLEAPでの仕事は、人と向き合い、その人にとっての真実や強みが見えるプロセスをお手伝いすることが多いのですが、案外自分自身はそのプロセスを体験することがなかなかないということがあります。

私の場合、6年ほど前に自分のためだけの秘密のチームを作ろうと思い立ちました。日本にいれば、他の団体や学校、企業など様々な人と出会いご飯を食べに行って、いろいろなアイデアを生み出したり、悩み相談や事業相談ができるものの、シアトルにいる私はそれが簡単にできない。でも仕事柄日本と繋がっていることが必要なため、SNSだけではない情報を得るシステムがないとまわしていけない。

そして何よりも、ジャッジメントなく、利害関係もなく、じっくりと向き合ってくれ、安心安全な環境で支え合う人が欲しい!という個人の深い欲求から始まりました。

そのころは、PBODという言葉も知らなかったので「チームKei」というまったく捻りもないそのままのネーミングで、気になる人に声をかけていきました。いま現在5名の素敵なメンバーたちがいます。

そのPersonal Board of Directorsについて少し調べてみると、ある一定の個人をサポートするために召集されたメンバーたち、という定義であり、アドバイスやアイデア、繋がりやフィードバックの提供、そして時に聞き役となる存在とのこと。

アメリカではリーダー職についている人、特に女性には必要だと言われています。仕事や家庭、子育てをする上でロールモデルやメンターがアメリカでもまだまだ少ない、という現状が影響しているのかもしれません。

調べてみると、2010年のHarvard Business Reviewにも記事がありました。かなり前からある概念なんですね。

この記事を読むと、背景としてはあるのは、不安定な時代で同じ社内でメンターになることが多い上司も簡単に解雇される時代。そのためメンターシステム自体があまり頼れるものでもなく、それよりも自分のキャリアのためには様々な職種や分野にいるPBODを持つ方が次のキャリアステップに、そして次の仕事のあてが見つかりやすい、というもの。

そのため一般的は目的としては、上記の記事のようにキャリアディベロプメントが主流。でも私のようにセルフマネジメントや自己開発の割合が多い人もいるようです。

このPBOD、個人的には時代を問わず、万人に必要なものだと思っています。そしてNPO業界には特に必要だと。社会のために様々な形で現場で地道な活動をしていくのには、当たり前ながら情熱だけでは乗り切れないこともあり、そこにこういうシステムがあると、自己のサステナビリティに確実に繋がっていくと日々実感しています。

Personal Board of Directorsは、構成の仕方や維持の仕方はなどについてもいろいろとあるようなので、またの機会に自分の経験も踏まえて書きたいと思います。

iLEAPウェブサイト:http://ileap.org/ja/

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