【 宮沢俊義 】 GHQに迎合した東大教授　（上島嘉郎氏情報より）
昭和20年9月2日、ついにGHQは日本で占領政策を始めた。 GHQは日本を都合のいい形に変えるために「憲法改正」を迫っていた。 そのときに声を大にして憲法改正不要論を提唱した男がいた。 東大法学部の【 宮澤俊義 】教授である。 彼は戦争中からずっと大学の講義で「仮に日本が負けたとしても、今の憲法は〝降伏の条件〟であるポツダム宣言に十分に対応できる。」とこう説いていた。 当然、この宮澤の主張はGHQの占領が始まってからも一貫して変わることはなかった。
そんな、自分の心に忠実で誠実な学者であった、、、

ところが、年が明けた昭和２１年２月１日、宮澤の心を揺るがす事件が起き始めた。GHQの最高司令官であるダグラス・マッカーサーは日本の憲法に不満を持ち、突如「独自に草案を作る」と言い出したのである。 そうして作られた憲法草案が、世に言われる「マッカーサーノート」である。 このノートが方針となり、現在の日本国憲法の草案がGHQだけによって書き上げられてしまった。

GHQが憲法作成に踏み出してから、ここまでわずか９日間の出来事だった。 そして、翌日の13日に、憲法を担当していた国務大臣にこの草案を突き付けた。 「これを飲まなければ天皇の身柄は保証しない。」と脅迫の言葉を添えて、、 憲法学の権威である宮澤は、このいきさつを間近でみていた。

「いま日本のお上は天皇ではなくGHQだ。このまま憲法改正に反対していると、出世が危ういのではないか、、、」 そして、一瞬にして悟ることになる。

これからの時代において、自分が憲法学者として偉くなるためには、どちらの側に立つべきであるか。 エリート意識の強い宮澤は一瞬にして自分がどう振る舞うべきか、自分の置かれた立場を理解したのだった。 宮澤が出した答えは、GHQへの迎合だった。

【 GHQをかばう宮澤の変節ぶり 】

　　　　　　　　　　（ 写真：ダグラス・マッカーサー ）

宮澤は自身がGHQの味方であることを主張するために、まず、マッカーサーが今の憲法を即席で作り上げたという事実を国民に隠蔽した。 そしてあたかも日本国民が自分の意思で憲法を制定したかのように説明したのである。 しかもその中で、宮澤は新たな説を唱え始めた。 「八月革命説」というものである。

「八月革命説」とは何か…？

これは、日本はポツダム宣言を受け入れたことで国家の形がガラリと変わった。 つまり、日本で革命が起こった、と考えるものである。 これは国民による革命であって、「日本に天皇は必要ない！」そう主張する〝学説〟であった。

これは今日の常識から言っても「屁理屈」と呼ばれるような代物であった。 しかしこの説を唱える宮澤はその後、、

過去の日本は悪かったと述べたり、、
天皇はただの「公務員」と述べたり、、
天皇はめくら判を押すロボットにすぎないと本に書いたり、、

差別語を使ってまでも、亡くなる1976年まで日本、そして天皇を貶めるような立場を取り続けた、、

【 自虐史観の拡大再生産、そして念願の出世 】

教育界の権威的な立場にいた宮澤のこの学説は弟子筋の学者の間で、強く擁護され続けた。 日本トップの教育者という立場とその影響力から「旧憲法から日本国憲法への改正は不法であって無効だ！」と主張した京都大学教授・大石義雄は退けられ、さらには「八月革命説」に反論した京大教授佐藤幸治も同様に退けられた。

「天皇はいらない」「日本が悪かった」
これが今日まで続く教育界の主流となってしまったのである、、、

そして見事1959年には東京大学名誉教授、立教大学教授・初代法学部長に就任。
1965年には日本プロ野球のトップ（日本野球機構コミッショナー）にまで役を広げ、、、 1969年には柳田國男や高倉健、王貞治なども選ばれている文化功労者に選出された。 宮澤には願っても無い出世だった、、、

日本の名誉と誇りを犠牲にして、、、

【 東大教授・宮澤俊義が今の私たちに残したもの、、】

宮澤のこのような言動は後の憲法学界、教育界に多大な影響を残しました。 その彼の影響は、当然、私たちが学校で使った教科書にまで及んでいます。 東大憲法学と呼ばれる、今の日本国憲法の解釈の骨格をつくり、その弟子の教科書が日本で最も使われている憲法学の教科書です。

もしかしたらあなたはすでに知っていたかもしれませんが、確かに日本国憲法は、マッカーサーの押し付けでした。 しかしそれを実態化したのは紛れもなく【 宮沢俊義 】です。 そして、宮澤が支配した東大法学部は、今も日本の官僚エリートを輩出する総本山であり、宮澤の理論が日本を支配するエリートたちの理論となっているわけです、、、

裁判官や検事、弁護士はもちろん、公務員も教員もみな宮澤の「日本の過去を否定した理論」を学びます。 つまり、日本のリーダーになるためには、宮澤憲法学を学ばねばならず、今日でも彼の弟子たちが書いた教科書を学ばねばならないというわけです。 こうして、憲法学のトップが曲げた「事実」に、当時の多くの教育界の人たちが追従しました。 まさか「東大教授」が嘘をついているなんて、普通思いませんから・・・

こうして「日本は一方的に悪かった」という自虐史観は目に見えない形で広まっていきました。 もちろん、大石教授や佐藤教授のように日本を守ろうとした人間もたくさんいました。 しかし、宮澤教授のように迎合した者たちが反駁を繰り返して、保身のために手のひらを返した態度を取っていたから、彼らは淘汰され、その態度が世間の常識に変わっていったのです、、
これが、GHQの占領が終わった後も「自虐史観」が終わらないカラクリです…

「勝てば官軍」とはよく言いますが、紛れもなくGHQの占領は自分たちを正当化し、敗戦国である日本を貶めるための工作でした。 そしてそれに抗った人もいれば迎合し、変節した人もいました。 しかし、現代では、その一方だけがあまりにも取り沙汰され、一方があたかもなかったことのようにされすぎている、、、

だから、本当は終戦直後、GHQがやってきて価値観が大きく揺さぶられる日本で、真実を唱えつづけて日本を守ろうとした多くの人達がいたことすら伝わっていません。 そうした戦いがあったことも知らされず、一方的に広まってしまった東京裁判史観だけを教わり続け、いつまでも「日本を悪者」だと思わされ、日本人として誇りを持てないように操作されています、、

そこで、日本に東京裁判史観が蔓延した過程をより多くの人に正しく知っていただこうと制作に取り掛かったのが、東京大学名誉教授・小堀桂一郎先生による、『検証！東京裁判と昭和史の闇 vol.3『敗者の戦後と反日日本人〜日本人悪玉説が再生産されるカラクリ』です。 （こちらの講座は過去に文化放送・チャンネル桜で放送されたものを発掘し、編集・改善したものです。）

あなたは不思議に思いませんか？
宮澤のようにGHQに迎合していた人達や、口を封じられていたテレビや新聞などのメディアは占領が終わった後も、その方針を変えることはありませんでした。

・なぜGHQが撤収した後も、真実が広がらなかったのか？
・当時の国民は東京裁判・GHQをどう捉えて生きていたのか？
・日本を守ろうとした人達は何を伝えたかったのか？

それらの戦勝国史観、すなわち東京裁判史観が支配的になり、日本国民が疑いなく信じるようになるまでの過程の一つ一つを知れば、、、 私たちの先人が歩んだ道のりをリアルに感じることができ、、、 今まで、何の関係もないように見えた過去の出来事が「点」と「点」としてつながり「線」となり、その線が自分のところまでつながっている事に気づくでしょう。 自虐的ではなく、誇らしい日本を次の世代に引き継いでいくためのヒントが得られるはずです。 詳しい講座の内容は以下の通りです…

第１章　GHQと歴史学界
昭和の間、東京裁判批判がタブーとされた訳

・講義１　「これは茶番劇である」
下山、三鷹、松川…占領下で起きた迷宮入りの怪事件

・講義２　「メーデー事件と朝鮮特需」
なぜプレスコード解除後も真実が報じられなかったのか？

・講義３　「パール判事の哀しい予言的中」
“東京裁判史観の支配による破壊力は原爆よりも恐ろしい”

Q&A講義　「GHQの検閲とマスコミ」
日本独立後、国民は真実にどう向き合ったのか？
・日本では、いつパール判事のような人の言葉が顧みられるようになると思いますか？
・東京裁判の検証の機運が高まるようになったきっかけはなんだったのでしょうか？
・占領終了後、言論の自由が保障されるようになった国民は東京裁判に対してどう反応したのでしょうか？

第２章　転向するエリート
ジャーナリズムの腐敗、そして魂を売った２人の東大教授

・講義４　「広田弘毅の死刑宣告」
昭和史を総ざらい！東京裁判に働いた３つの力学

・講義５　「東條とキーナンの一騎打ち」
朝日、毎日、読売…洗脳されたマスコミはどう報じたか？

・講義６　「横田喜三郎と変節」
出世、勲章、名声…強者に迎合した東大法学者

・講義７　「宮沢俊義とマッカーサーノート」
“天皇はめくら判を押すロボットに過ぎない”

第３章　武士道を示した日本人
終戦直後に東京裁判のカラクリを見抜いたドイツ文学研究者

・講義８　「ハイド氏の裁判」
GHQに検閲され、掲載禁止になった論文の中身

・講義９　「“侵略国家日本”隠された嘘」
左翼の東大教授があっさり変節した意外な理由

・講義１０　「天皇制ファシズム批判の矛盾」
論理学の基礎すら知らなかった戦後の歴史学者

Q&A講義　「真の犯人は近代文明である」
アメリカ人東洋史家が発見した欧米列強の過ちとは？
・竹山道雄先生の近代文明に対する問題提起はその後引き継がれているのでしょうか？
・左翼全盛の時代に、竹山道雄先生の思想はどのような影響を日本に及ぼしたのでしょうか？
・もし今の時代に「東京裁判」が行われたらそれはまかり通ると思いますか？

第４章　国際社会からの東京裁判批判
日本は無罪？自らの嘘に苦しむ欧米列強

・講義１１　「この裁判は史上最悪の偽善」
GHQ参謀部トップが“自分の息子は軍隊に入れない”と言った理由

・講義１２　「レーリンクとハンキー卿」
“胸がムカついてくる” 敵国側の学者も怒った死刑宣告

・講義１３　「東京裁判とベトナム戦争」
アメリカ人東洋史家が気づいた大国の「依存症の正体」

Q&A講義　「オランダ東インド会社」
なぜ英蘭で東京裁判の評価が分かれるのか？
・東京裁判を批判する声というのは、連合国側ではどのような反響があったのでしょうか？
・「東京裁判が誤りであった」という認識は世界の民衆レベルでは広まっているのでしょうか？
・当時、他に東京裁判を真正面から批判した日本人がいたら教えてください。

第５章　後悔したマッカーサー
“アメリカが過去100年間に犯した最大の政治的な過ち”

・講義１４　「日本自衛戦争論」
ニューヨークタイムズに掲載されたマッカーサー証言の真実

・講義１５　「ヘレン・ミアーズとマッカーサー」
泣きながらGHQに翻訳本の出版を懇願した日本人女性

・講義１６　「新渡戸稲造と排日移民法」
ロシア、中共、満洲…アメリカ人が苦しむ自己矛盾

Q&A講義　「田原総一朗と朝日新聞」
マッカーサー証言は無効？自虐史観に毒されたジャーナリズムの闇
・当時日本国内で共産主義の影響はどれくらいあったのでしょうか？
・田原総一朗さんはマッカーサー証言に否定的なのですが、それについてどうお考えですか？

東京大学名誉教授：小堀桂一郎
「これは茶番劇である」
東京裁判資料刊行会代表。雑誌『正論』にて初めて「東京裁判史観」という言葉を使い始めた、まさに東京裁判研究の権威。
研究の原体験には12歳で迎えた終戦がある。東條英機、重光葵、広田弘毅などが逮捕されたニュースは子供心ながら強烈な違和感があった。
後年、東京裁判の法廷で却下された弁護資料を丹念に集め、戦後タブーとされた真実を発掘。消された戦前・戦時中の日本人が歩んだ道のり、当時プレスコードで一般庶民が知ることができなかった東京裁判の卑怯な舞台裏、東大教授やジャーナリストなど敗戦利得者たちの保身と詭弁…などなど、戦後の日本が「東京裁判史観」から脱却するための数多くの功績を残している。
自身が代表を務める東京裁判資料刊行会から全８巻の『東京裁判却下未提出弁護側資料』を刊行したほか、『東京裁判　日本の弁明』（講談社学術文庫）、『再検証 東京裁判 日本を駄目にした出発点』（PHP研究所）、『靖国神社と日本人』（PHP新書）、『「ゆとり教育」が国を滅ぼす』（小学館文庫）、『イソップ寓話―その伝承と変容』（講談社学術文庫）など著書多数

推薦の言葉

上島嘉郎（産経新聞「正論」元編集長）
小堀桂一郎先生はこう語っています。
「国史の一章としての大東亜戦争についての歴史解釈権は日本国民の手にある。アメリカ史の一部としての太平洋戦争開戦の経緯の解釈権はアメリカ人の手にある。双方の国民が当然の権利を行使しての解釈の結果が相容れないのは是亦当然である。」
戦後の日本は、東京裁判（極東国際軍事裁判）という勝者の〝復讐劇〟によって一方的に「歴史解釈権」を奪われたまま過ごしてきました。代わりに日本人に「自虐史観」を植え付けた「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム（ＷＧＩＰ）」の規模と手法は恐るべきもので、東京裁判とＷＧＩＰは事実上一体でした。この不公正と欺瞞を解くことこそ日本再生のカギです。
小堀先生は「東京裁判却下未提出弁護側資料」の発掘、刊行（平成７年）の中心におられ、世界的な歴史像の転換期にあって、冷静かつ精緻な研究によって「歴史解釈権」の回復を主導されてきた柱石です。「検証！東京裁判と昭和史の闇」は、令和の日本人にとって自らを立て、世界に伍する道筋を示す講座であると確信します。

渡部昇一（上智大学名誉教授）
（「あの戦争は日本に侵略の意図はなく、単に自衛の戦争だった」という）マッカーサー証言が世に知られるようになったのは、小堀桂一郎さんの功績であることを強調しておきたいと思います。
私がマッカーサー証言の存在を知ったのは、田中正明先生（歴史家、元松井石根陸軍大将の私設秘書）を通してでした。しかし、その資料はないというので、小堀さんに電話をしたのです。小堀さんは「私もあれは重要だと思っていたところでした」と応じ、すぐに探し出して私にコピーをくださった。
私はすぐに『Voice』に重要な部分を原文で紹介しました。しばらくすると、小堀さんは講談社学術文庫から『東京裁判日本の弁明』という本を刊行され、その中で一ページにわたって証言の原文と訳文を紹介してくださった。
（月刊『正論』平成24年7月号）

井尻千男（拓殖大学名誉教授）
昭和八年（一九三三）生まれの小堀氏は、十二歳で終戦を迎え、戦後教育の只中で青春を迎え、豊かな感受性ゆえに文学者を志してドイツ文学を専攻する。その時代の特性を短い言葉に要約すれば、伝統破壊と自由の謳歌と個性の軽信が絶頂に達していたといえる。そして文学の領域に限っていえば、軟文学の最盛の時期だった。
しかし小堀氏はその時代潮流を深く疑っていたに相違ない。つまり時代精神に対する禁欲という修行を己に課したということだ。そうでなければ、これほど強くて美しい文体がうまれるはずがない、というのが私の確信である。
（小堀桂一郎『さらば東京裁判史観　何が日本人の歴史観を歪めたのか』解説　PHP文庫）

【「ドイツ文学者」が「歴史」を語る理由 】

東京裁判研究の権威として名高い小堀桂一郎先生ですが、実はご専門は、「ドイツ文学」です。なぜ歴史学者ではなく、ドイツ文学の専門家が、東京裁判のカラクリを解明することになったのか？ 実はその答えにこそ、戦後の日本を考えるヒントがあります。 渡部先生は著書でこのように述べています。

私の専門は英語学だが、日本の政治学者や経済学者、歴史学者は何をやっているのか、という思いがある。私は自分の専門分野ではないことで、こうした発言をしているのだ。 そもそも日本の戦後における政治学は、敗戦利得者の政治学者たちによって築かれた。日本のことを本当に考えていた学者たちが、公職追放に遭ってしまったからだ。　　　　　　　　　（中略）
だから、今の政治学や経済学、歴史学といった、本来なら日本のために弁明を行うべき学者たちは、その多くが敗戦利得者であり、けっして日本の弁護はしない。
敗戦利得者たちは、日本の敗戦によって地位を得、収入を得ていたわけだから、戦前の日本の良さとか言い分を絶対に認めるはずがないのだ。
たとえば東大は秀才が非常に多いが、残念ながら、そこで日本を弁護するような発言をしている人は、政治、経済、歴史関連の学部ではなく、英文科や独文科といった文学畑出身の先生である。
その理由は非常に簡単で、ドイツ文学や英文学などの先生たちは、ほぼ公職追放に遭っていないからだ。ただそれだけの理由である。
引用：渡部昇一『本当のことがわかる昭和史』PHP研究所

つまり、いわゆる「自虐史観」というのは、戦後の日本を覆う根の深い問題なのです… 私たちがよくテレビや新聞で「戦前の日本はしょうもなかった」「アジアを侵略した悪い国だ」「日本も欧米を見習うべきだ」と目にするのも“敗戦利得者”が自分の保身のために言っていると言えるのではないでしょうか？
しかしだからこそ、「ドイツ文学」を専門とする小堀桂一郎先生の話は、曇りなく歴史の真実を伝えてくれるでしょう。