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大学初日のカミングアウト 日記

ようやく大学の授業が始まった

記念すべき第一回目の必修で「みんなに自己紹介をしてもらいます」って言われた。でも普通の自己紹介じゃなくて、わたしたちのネガティブな部分のことを喋ってほしいらしい
そして1人ずつ、マイクを持って自分がネガティブに思っていること、自分の嫌いなところ、ずっと心にひっかかっていることとかを喋ることになった

みんな色々なことを喋っていたしすごく面白かった。人からどう見られるか気にするところが嫌い、すぐ涙が出てくるところが嫌だ、人と自分を比べて傷ついてしまう、みたいな、それぞれ自分の嫌いなところや直したいところ、なおせたところ、コンプレックスを思い思いに話していた

教授は真剣に聞いて、わからないところを質問して、いい感じのことを毎回言っていた。ただ、あの人は声がでかいからマイクを使わなくていいと思うし、言い方が怖いから、もう少しそこに自覚的になったほうがいいと思うな〜
でも公立学校に通っていたみんなは、もっと怖い先生もいるし理不尽に怒鳴ってくる人もいるから、それと比べたら全然マシだって言っていた。なぜなら理にかなっているから

あの人の言っていたことで、心に残ったのは「映像作る上で神になっちゃだめだ。視点を下げて、人の痛みがわかるようにならないと、自分が安全な位置に立って作品作ってちゃ全然いいものは生まれない」ってこと。ほんとにそう

私はネガティブなことがどれだけ考えても思いつかなかった。いや、実際には思いついてはいるけど、この場で言いたいものじゃなかったり、言えないものだったりした
休憩時間に友達が話しかけにきて「先輩に聞いたんだけど、ぶっ飛んだことの方が評価いいらしいよ。やっぱいじめとか、同性愛とかじゃない?絶対だれかは言うよね」

え、それもネガティブなことにいれていいんか、と思って、ずっと誰かに言いたいけど黙っていたことを言うことにした

ひとりずつ順番が回ってきて、私の番になった。
まとめると、私には今恋人がいるんだけど、その子は同性なんだよねって喋った。前置きに、私はそのことをネガティブだと捉えていないし、むしろありがたいことだと思ってるけど、社会的に見たらネガティブな場合もあるんかなあ、と思って言うんですけど、ってつけといた

今まで、このアカウントで恋人がいますって書いたこともないし、現実でも本当に仲のいい友人(の中でも言いやすい人)にしか言っていなかった。いわゆる「社会的に見たら」ネガティブなことなので、おお、と思って引いちゃう人もいるかもしれないけど、もう隠したくないのでこれを機に書いている

それを言った時のみんなの顔は、よく覚えていない。まあ、たぶん、ちょっと気まずい顔をしていたような気がする。だけど、まっすぐ私を見てくれた人もいて、それが嬉しかった。

私の自己紹介をきいて、教授は嬉しそうな顔だった気がする。たぶん、こういうのが聞きたかったんだよ!って言う顔
教授には、そういうものをテーマにした映画を撮りたいのかって聞かれて、そのために映像に入りましたって答えたら、だったらありきたりじゃないものを作ってほしいって言われた。自身の経験とかも踏まえて、必要であれば彼女にカメラを向けることもするべきだと思うし、そういうふうにやってみるといい経験になると思う、って言われた

教授的にはすごく好評だったから、勇気を出して言ってよかった気もしている。それに、仲良くなった子達には言いたかったけど、いつ言おうってずっと悩んでいたから、このタイミングで言えてよかったと思う
しかも初日だったから、これからやりやすい気がする。教授、いい機会をくれてありがとう、実はこういうの期待してた

言えてよかったーってほっとしていたら、そのあと奇跡みたいなことが起きた。

私の次に喋った子が「南さんの発表きいて、あ、社会的にはネガティブなのかーって思ったので言うんですけど、わたしも同性の恋人がいます」って言ってて、あつすぎた。奇跡??って思ったし、そこで言ってくれたことにほんとに感動した

そんな素敵なことがあって、言いたいこともやっと言えた日でした
まあ、本当に言わなきゃいけない人たちには、直接言えてないけど。でも恋人の方は仲のいい人たちに自分から言えたみたいだからよかった

240412


追記
これを読んだ友人たちへ

全然触れてくれてもいいし、気とか使われない方が楽なので、気まずいとか思わないでね

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