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入学も卒業もおめでたくない側の人

縦長、横並びの向かいの席に40代後半?くらいのおばさんたちが4人座っている。彼女たちはそれぞれ年相応の、阪急百貨店とかにいても全く浮かないような小綺麗な格好をしている
ピンクのジャケット、青色のスカーフ、黒色のスカート、留め具が金色のパンプス

わたしのイメージする、社会をちゃんと経験した人たちの格好って感じ。だけど少しイメージと違うのは、彼女たちが微笑みなんかではなく、大きな口を開けて笑っていることだった

悪口(?)を言いたいわけではなく、率直に「ああ、このくらいの年齢の人でもこうやって笑うんだ」という感想をもった

いや、そりゃそうか
そりゃそうなんだけど。わたしと同じ人間であり、まず人間である前に日本人(たぶん)だし、女性(たぶん)だから、まあ、笑い方にもいろいろあるか

それと同時に四人で笑い合っているあの人たちをみて、わたしと友人たちの姿を重ねた。楽しそうに話す人たちは、今のわたしと友人たちと何も変わらず、歳が違えどその関係の尊さは変化しないのだと思った

そして、私たちがあの年齢になる頃、どんな関係性を築けているのだろうか、とふと思った
たぶん今のままいけば、心の許せる数少ない付き合いの長ーーーい友人として、ずーっと死ぬまで仲良くできるだろう。まあ、何があるかはわからないけど、わたしはそれを望んでいる
長生きはそんなにしたくないけど、今とても大事だと思っている友人たちと、百貨店にいそうなおばさんタイプの服が似合う人間になって、たくさん笑って死にたいなぁって、今日はそんなことを思った

インスタを見ていたら、卒業生が「小中学生の頃、同じ場所で過ごしてきた事実を愛おしく思うのは、当時ではなくて今なのかも」みたいなことを書き込んでいた

ほんとそうだよなあ〜
最近卒業した今ですら、高校生活の3年間がとっても愛おしいし何よりも大切な思い出だけど、これから歳を重ねていくごとにこの時代のわたしを羨ましく思うんだろうな
それで、いい人生だったなーって度々思うんだろうな

今のところ生きていてよかったって思っているし、そう思えるのは、学校での出会いや寮での生活のおかげだと思う(あと私の学校の生徒が卒業スピーチでよく言う「この学校に入れてくれた親ありがとう」は、本当にその通りだと思う。私も今回は本気でそう思った)
全然、私にとって卒業は「おめでとう」じゃないし、入学もおめでとうじゃない。おめでたいことですらなかったな、そう受け取れるようになるにはもう少し時間がかかりそう
ひとまずはホームシックで泣いている

240330

ここまで書いたのが3月30日で、いつ出そうかなと思って放置していた
さっきTwitterを見ていたら大好きな監督の一人である今泉力哉さんがこんなツイートをしていた

ほんとそうなんだよな〜
色んな人におめでとうございますって言われるし、大学内にも「入学おめでとう」って書かれたポスターが貼られているけど、私はそれ、おめでたくない側だなあ、と思った。今泉さんがどういう思いで投稿したかはわからないけど、私のことかと思った

ていうか大人でその視点もってる人よすぎ。やっぱ今泉さん最高だな〜と思った

240409

ありがとうございます。嬉しいです!