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スタン・エルドレイン環境を考える 〜「エスパーコントロール」ストアチャンピオンシップ優勝録〜

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皆さんこんにちは。スタンダード遊んでますか?

え?遊んでない?
もったいないそす!今すぐ遊ぶそす!!!
…失礼しました。感情が高まり心の中のファプタが暴れてしまいました。可愛いね

という訳で、今最も熱く最高に楽しいスタンダードについて、全国的な流行デッキとエルドレインのカードの台頭、僕の周囲の環境(デッキ)について、そして僕がストアチャンピオンシップ優勝したデッキ「エスパーコントロール」について記事を書きます。
エルドレインとスタンダードについて、ご自身の回りの環境と照らし合わせて考えていただくきっかけになればと思います。


■ハイスペックカードてんこ盛り!エルドレインの森

皆さんご存知、前回エルドレインは悪名高きオーコを擁する最強クラスのセットでした。
今回のエルドレインも期待を裏切らない、もう少し裏切って欲しかったくらい(下方修正的な意味で)の強セットとなっています。
そこで今、エルドレインがどう影響しているか、環境を定義しているデッキとエルドレインのカードを紹介していきます

赤単

《擬態する歓楽者、ゴドリック》を筆頭にエルドレインのカードが大量に入っていますね。
ゴドリックは今までちっちゃい雛でチマチマ殴っていた空からの火力を4倍に押し上げたし、
エルドレイン前は越えられない壁だった《黙示録、シェオルドレッド》に対しても《僧院の速僧》+《巨怪の怒り》で突破できる力を得てかなりの強化を受けました。
前環境はあんなにやられてたのに…

シェオルに押し負けなくなった赤単は使用率も1位(2023.10.8現在)と華々しく活躍しており、またその中でも軽いマナに寄せた雛+速僧型、ミッドレンジ寄りの《レッドキャップのどぶ住まい》型など様々な型が試されています

版図ランプ

このデッキ、むかし版図が登場した時(絶望招来禁止前)に僕は版図コントロールとして組んでたんですが、ドロー出来たら強いのになぁドロー無いんだよなと思ってたんですよ。
そうしたら、エルドレインにイカれたドロソが収録されました…

出た時にもドローできるのが強い

《豆の木をのぼれ》は下環境で真っ先に注目されましたが、スタンへの影響も大きいものでした。
版図でコストダウンする《力線の束縛》との相性は完璧で、手札を減らすことなく、下手すると(2枚の豆の木で)手札を増やしながら除去することが出来るようになりました。

さらに版図系デッキが抱えていた序盤の盤面処理には、《執念の徳目》が答えてくれました。

回復もするすごいやつ

マナを伸ばした先には《執念の徳目》本体が着地し、相手側の除去をものともしないアトラクサ反復横跳びが始まれば、相手の心はバキバキに折れることでしょう

優秀な2マナアクション増えすぎやねん!

エスパーレジェンズ

《下水王、駆け抜け侯》は環境最強デッキを更に最強たらしめる1枚です。
1対のスペックが高いレジェンズデッキも、面展開は苦手でした。しかし今回ついに1枚で面展開して勝てるカードを獲得したのです。
しかもついでに墓地対策能力が付いてます。ついでに付けるな。おかしいやろ。こちとら墓地は手札でやってんだぞ

プレイヤー個人の愚痴はさておいて、正直少し下火になるかと思っていたエスパーレジェンズもその威光はまだまだ失われていません。
新環境ではエスパージャンク(フェアリーの黒幕などレジェンズにない要素を詰めたデッキ)も登場し、同じエスパーの中でもデッキが型を増やしています

ゴルガリミッドレンジ

絵違いが個人的に好き

エルドレインシーズンに現れた超新星、ゴルガリミッドレンジです。

《執念の徳目》を使い回す《失われし伝承の歩哨》、《ヴェールのリリアナ》や《黙示録、シェオルドレッド》などの強力な動きの中に、《開花の亀》+《眠らずの小屋》パッケージも内蔵。
亀は土地を伸ばすだけでなく、徳目のリアニメイト先を用意する、《眠らずの小屋》《ミシュラの鋳造所》を強化するなど多くの役割を持ってデッキの核となっています。

エルドレインなくては存在しないデッキですね。
個人的には明らかに強いやろと思っていた《苔森の戦慄騎士》が4投されてるのが嬉しいです

■沖縄環境について

ここからはローカル環境デッキについて記載、分析していきますが、お近くのショップ環境はどうなっているかも併せ参考になれば一読ください

緑白エンチャント

前環境から居た《運命に導かれし者、ケイリクス》採用型ビートダウンも強い型です。
しかしこのデッキは《忠義の徳目》を獲得して強化の幅が広がりました。ケイリクスは入ってたり入ってなかったりします。
マナクリ+エンチャント能力コピーの無限コンボもある《徳目》型はそれはそれでかなり使い勝手がいいですよね

青単

スタン始める人に優しい格安青単は、特に追加するカードを獲得せずとも十分なスペックのデッキです。
《トレイリアの恐怖》《ジン》をフィニッシュに据えた構成はシンプルかつ対処出来なければワンパンでやられてしまう危険性があります

青黒フェアリー

ハンデス、カウンター、除去、ドロー。全てを内蔵したクロックパーミッションデッキです。
パイオニアのスピリットとか好きな人はめちゃくちゃハマりそう。
《眠り呪いのフェアリー》は2ターン目にマナを立ててエンドする事で構えながら麻痺カウンターを取り除いていくことが出来る面白いクリーチャーです。すき。

その他緑白毒性、青白兵士、青白ヒロイックなどと当たります。
新規獲得カードがないので説明は割愛

環境分析とデッキ選択

分析1.環境に2マナ以下多くね?

エスパージャンクやレジェンズ、緑黒ミッドレンジを比較的見かけない沖縄環境では、
緑白エンチャント、フェアリー、緑白毒性、青白兵士、赤単…と今かなりのウィニー環境です。

そこで僕は1つ発見しました。環境に刺さる最強カードを。
それは、《一時的封鎖》です!

環境全刺さり

分析2.一時的な強化するやつ多くね?

現行のスタンダードでウィニーがちゃんと勝てる勝因はなにか、エスパーレジェンズは何が強みなのか、冷静に考えたところ
+1/+1カウンターを置く(ラフィーン、ケイリクス)
とか、
怪物役割トークンを付ける(巨怪な怒り)
とか、
4/4ドラゴンになる(ゴドリック)
とかで一時的に爆発力のある強化を得て火力を増すクリーチャー、多いなと考えた訳です。

じゃあその状態リセットしちゃうか、という訳で《撚り合わせる双子》《魂の仕切り》を採用。

青白のコントロールの道が拓けました

個人的に大注目の新カード

しかしこの辺りで気づき始めます。
自分の動きの中で「採用カードは一時的に状況を対処してるに過ぎず、確定で除去してる訳ではないので押し切られる可能性が十分にある」ということに。。
やっぱ全リセットは必要だね、ということで万能の全除去《太陽降下》を採用、また単体除去最強カードの《放浪皇》を入れることで盤面も有利にひっくり返せるようにしました

分析3.いうてミッドレンジきつくね?

ウィニー環境とはいえ、ミッドレンジデッキが存在しない訳ではありません。

3マナ以上の良スペック生物を白の全除去でしか対処出来ないとすれば、さすがに弱すぎだろということで、ピン除去に優秀な《一巻の終わり》の採用を見出します

The Endってね

初動1500円だったのに今かなり安く(500円とか)なってて目を疑うんですが、これマジとんでもなく強いです。持ってない?今のうちだぞ!今すぐ買うんだ!!

黒を採用するといい面が他にもあります。
エルドレインつよつよ除去《執念の徳目》や、ウィニーに強い《切り崩し》で相手の中堅生物までは対処が出来ますし、
《復活したアーテイ》はカウンターとしてもウィニー崩しとしても(片方除去+片方ブロックの1-2交換が出来て)有用です。

また、白黒のミシュラン《眠らずの城塞》は中盤までで消耗したライフを取り返しつつフィニッシュに持っていける素晴らしい1枚です

フィニッシャーとして、というところでエルドレインには僕の最推しプレインズウォーカーも居ました。
《忌まわしき干渉者、アショク》です

エルドレインってやっぱりすごいよね

■完成したエスパーコントロール

10月1日のストアチャンピオンシップ。エスパーコントロールで挑みまして

見事優勝しました!!!

デッキリスト

1:《護国卿、ウルザ/Urza, Lord Protector》
2:《復活したアーテイ/Ertai Resurrected》
1:《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》
1:《慈愛の王、タリオン/Talion, the Kindly Lord》
4:《撚り合わせる双子//敏捷な螺旋/Twining Twins//Swift Spiral》

2:《切り崩し/Cut Down》
2:《蒐集家の保管庫/Collector's Vault》
4:《魂の仕切り/Soul Partition》
1:《巻物変容/Scrollshift》
4:《一時的封鎖/Temporary Lockdown》
2:《一巻の終わり/The End》
3:《放浪皇/The Wandering Emperor》
2:《忌まわしき干渉者、アショク/Ashiok, Wicked Manipulator》
1:《侵入者の放逐/Expel the Interlopers》
3:《太陽降下/Sunfall》
1:《マイトストーンとウィークストーン/The Mightstone and Weakstone》
1:《執念の徳目//ロークスワインの嘲笑/Virtue of Persistence//Locthwain Scorn》

2:《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
2:《解体爆破場/Demolition Field》
4:《さびれた浜/Deserted Beach》
1:《皇国の地、永岩城/Eiganjo, Seat of the Empire》
1:《島/Island》
1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》
4:《平地/Plains》
4:《ラフィーンの塔/Raffine's Tower》
1:《眠らずの城塞/Restless Fortress》
2:《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
1:《砕かれた聖域/Shattered Sanctum》
1:《難破船の湿地/Shipwreck Marsh》
1:《沼/Swamp》

サイドボード
1:《第三の道のロラン/Loran of the Third Path》
1:《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》
2:《強迫/Duress》
2:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2:《眼識の収集/Siphon Insight》
2:《黄昏の享楽/Sunset Revelry》
2:《痛烈な一撃/Knockout Blow》
1:《巻物変容/Scrollshift》
2:《一巻の終わり/The End》

優勝はしたものの、このデッキリストには甘いところがありました。もちろんいい所も。
反省・感想をフィードバックしていきます

反省1.土地が少ない

25枚では、土地があまり手札に来ずマリガンすることが多かったので、26か27にしたいと思いました。
《蒐集家の保管庫》は強いですが、そこにマナを頼りすぎない方がいいように感じます

反省2.タリオン難しすぎる

使ってはみたものの、難しすぎて強さもあまり感じなかった《慈愛の王、タリオン》はちょっと入れたくないなーとなりました

1,2,3のどれ指定なのか分からん

勝った試合でタリオンは見ていないし、シェオルのように分かりやすく勝てるカードでもないのでもう少し環境理解度が深まるなり環境が安定するなりした後に使うかも。対フェアリーだけは強いですが適当な土地にしてもいい枠です

反省3.全除去で「破壊」は弱い

《太陽降下》は強かったが、《侵入者の放逐》は微妙でした。《太陽降下》の枚数が足りず入れてた枠ですが、《招待制》でいいんじゃね?と言われて確かに!となったので変更します

良かった面1.《一巻の終わり》めちゃくちゃ強い

《黙示録、シェオルドレッド》をはじめ1枚でゲームを動かすクリーチャーがスタンには居るので、《一巻の終わり》がとにかく強く使えました。
決勝ではエスパーレジェンズのシェオル、ラフィーン、デニックを全部吹き飛ばして勝ちました。飛行を許すな。
そのまま4枚入れてて良さそうです

良かった面2.《巻物変容》見つけてよかった

誰も知らないと思いますが、フォロワーに教えてもらった天才カード《巻物変容》が強かったです

謎カード

これはクリーチャー除去に対するブリンクでの回避や《マイトストーンとウィークストーン》使い回し、盤面をある程度構築し直されたあとの《一時的封鎖》使い回し、《アーテイ》《ロラン》のブリンクなどに使えるカードで、なかなかの活躍を見せました。
思った以上に感触良かったです

良かった面3.《執念の徳目》はさすがの強さ

1しかないのはイベントに間に合わなかったせいなのですが、その後無事手に入れたので2に増量します。
-3/-3修正が試作で出された《鋼の熾天使》や《擬態する歓楽者、ゴドリック》に刺さり《一時的封鎖》と併せて中盤までの盤面を掃除してくれるのがえらい

良かった面4.《護国卿、ウルザ》と《マイトストーンとウィークストーン》の棲み分けがえらい

《ウルザ》と《マイトウィーク》ですが、ちょうど相性補完しているカードなんです。
《ウルザ》はタフネス4のクリーチャーとして、速いビートダウンデッキ(緑白毒性、エンチャント、赤単)に睨みを効かせ、
《マイトウィーク》は-5/-5修正やドロー能力がミッドレンジ〜コントロール(エスパージャンク、レジェンズ、版図ランプ)に対して強く使えます。
変身後には能力強すぎプレインズウォーカーになるので、そのままフィニッシャーになり得ます。
変身しなくても全然いいけどね。

できれば《否認》のようなカウンターと併せて運用したいですね

■デッキリスト改訂版

[メインボード]
1:《護国卿、ウルザ/Urza, Lord Protector》
2:《復活したアーテイ/Ertai Resurrected》
1:《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》
4:《撚り合わせる双子//敏捷な螺旋/Twining Twins//Swift Spiral》

2:《切り崩し/Cut Down》
2:《蒐集家の保管庫/Collector's Vault》
4:《魂の仕切り/Soul Partition》
1:《巻物変容/Scrollshift》
4:《一時的封鎖/Temporary Lockdown》
2:《一巻の終わり/The End》
3:《放浪皇/The Wandering Emperor》
1:《忌まわしき干渉者、アショク/Ashiok, Wicked Manipulator》
1:《招待制/By Invitation Only》
3:《太陽降下/Sunfall》
1:《マイトストーンとウィークストーン/The Mightstone and Weakstone》
2:《執念の徳目//ロークスワインの嘲笑/Virtue of Persistence//Locthwain Scorn》

2:《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
2:《解体爆破場/Demolition Field》
2:《さびれた浜/Deserted Beach》
1:《皇国の地、永岩城/Eiganjo, Seat of the Empire》
1:《島/Island》
1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》
4:《平地/Plains》
4:《ラフィーンの塔/Raffine's Tower》
2:《眠らずの城塞/Restless Fortress》
2:《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
1:《砕かれた聖域/Shattered Sanctum》
3:《難破船の湿地/Shipwreck Marsh》
1:《沼/Swamp》

[サイドボード]
1:《第三の道のロラン/Loran of the Third Path》
1:《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》
2:《強迫/Duress》
2:《否認/Negate》
2:《眼識の収集/Siphon Insight》
2:《黄昏の享楽/Sunset Revelry》
2:《痛烈な一撃/Knockout Blow》
1:《巻物変容/Scrollshift》
2:《一巻の終わり/The End》

改訂ポイント

土地の枚数
25枚では全然引けない初手があったので増量し、26枚へ。とりあえずタリオンを抜いて、入れる土地は《眠らずの城塞》

土地の黒カウント
増やしました。改訂前は黒い土地10枚+《解体爆破場》2枚でよく回ってたなこいつって感じだったので、13枚+《解体爆破場》2枚で15枚カウントまで増量し安定感を増しました。
…回してないけど、安定感は増すはず

サイドの打ち消しを《否認》に
《軽蔑的な一撃》が意外と打つタイミングなさそうなので、相手の打ち消しを消すためだったり、相手の《一巻の終わり》に刺さる《否認》に変更しました

■最後に

いかがだったでしょうか。
スタンダードにはまだまだ多くのデッキがあります。
ピアナラートークン、赤白ビートダウン、白単、バントコントロール、緑白トークン…などなど
発想次第でどんなデッキも組めるのが今のスタンです。オリジナルデッキもやりたい放題!

今回はガチ調整しましたが、僕も毎週違うスタンのデッキを組んで遊んでるので、面白デッキを作れたらそれをまた記事にしたいと思います。
スタン離れてた、やってないって人は今のスタンどのフォーマットより面白いと思うのでスタンもやって欲しい!

お互いにこの最高の環境を楽しみ尽くしましょう。では

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