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【温風至】あつかぜいたる『将来の夢はサマンサ♥』小暑/初候🍀


小さい頃「大きくなったら何になりたい」とか「将来の夢」なんて作文を、書いた記憶は誰にでもあるのでは?


私は、作文ではなくクラスでの発表だった。
発表大嫌いな私でも、クラス全員が発言するのだから、言わないわけにはいかず、消え入りそうな声で「デザイナー」と答えた。
母が自宅でずっと洋裁をしていたのと、単にそれしか思い浮かばなかったからだ。



息子たちに
「お母さん、引っ込み思案で発表するの嫌いやったわぁ」
と言うと、声を揃えて必ず突っ込んでくれる。
「誰のこと言うとるんや?」
図々しいオバサンと化した母には、引っ込み思案の欠片さえ見つからないから仕方がない。
息子たちよ。人間は成長?するのだよ。


「将来の夢」で、もう1つ思い出した。
小さい頃の私、本当はずっとサマンサに憧れていた。
海外ドラマ「奥様は魔女」というのが、子供の頃にあって毎週楽しみにTVで見ていた。
主人公のサマンサはとってもチャーミングで、鼻をピクピクって動かすだけで家事なんてパパッと簡単に片付けてしまう。
あぁアレねという方、年齢バレてますよ(^^)


何年か前までは、夫ヨッシーさんと月に2、3回、いや週1ペースでよく外食というか、飲みに出かけていた。
行き先は、いつも同じ居酒屋さん♡
カウンターが6席ほど、奥に一部お屋座敷がある、こぢんまりした感じの良いお店。
もちろん、板さんであるご主人の腕前も確かで何を頂いても美味しかった。


常連さんの中にノブちゃんという女性がいて、1人でヒョコっと現れ、お客さん全員を巻き込んで盛り上げてくれるタイプ。
彼女は何故か、私のことをサマンサと呼んでくれたので、その時だけ私はサマンサになれた♡
多分、夫婦だというだけで、同年代の彼女が思い浮かんだのが、ダーリンとサマンサだったのだろう。
ノブちゃんも同世代、きっと「奥様は魔女」をTVで見ていたはず。
ダーリンと呼ばれた夫ヨッシーさんは、グイグイ来るノブちゃんが苦手で、顔に「嫌だ!」と書いてあったのに、酔っ払ったノブちゃんには全く通じない。
今思い出すと、とても楽しい時間だった。
○○○感染症以来、外食をしなくなった私達。
多分年齢的にも出不精になったタイミングだったのだろう。


もう1つ、同じお店で、好きな物があった。
目の前に飾られた力強い魚の絵。縦1m横2mほどの大きな赤い魚(鯛?)の絵で迫力満点!
私の好きな佐藤勝彦さんの作品だ。
ご主人に聞いた話によると、絵の中に書かれた文字とお店の名前がたまたま一緒だったので購入したとか。
オマケに、それがご縁でたまに勝彦先生と奥様がお店に顔を出されるとのこと。
但し、奥の座敷でのお食事。


ある晩、奇跡的に勝彦先生に会えた!
それも、その日は奥の座敷は予約で埋まっていて、カウンターのお隣の席。
嬉しさのあまり、お会いした瞬間に
「ファンです♡握手して下さい!」
ノブちゃんじゃないが、酔っ払いの為せる技だ。
引っ込み思案の私、どこへ行ったんだか?


その後、勢い付いた私
「いま、招き猫のお話書いてるんですけど、出来上がったら本送ります。先生、招き猫の絵描いて頂けますか?」
なんて爆弾発言!
お酒の力に、背中押されまくりの私。


いつもタイトルに貼り付けてあるネコのイラストは、その本の表紙。
出来上がった本を、図々しくも先生の画廊へ送った。
「そんなねぇ、酔っ払いの話なんて覚えていらっしゃらないよねぇ〜」
くらいの気持ちで送った。


奥様がちゃんと私のこと覚えていて下さった。
奥様のお手紙付きで送られてきた墨で描かれた招き猫。
雰囲気が、何故か勝彦先生に似ている。


私の宝物

この絵をコピーした葉書を前に書いた福島の子供たちにプレゼントさせて頂いた。
もちろん、コピーさせて頂くことも快く承諾して下さった勝彦先生。


あの頃の私は、いろんな夢がドンドン叶って、サマンサみたいな魔法使いになれた気分だった。

七夕の夜に、夢が叶った不思議な出会いを思い出しました。
みなさんの夢も、叶いますように💞




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