FC今治の誕生
10年前のリリース
2011年12月30日
愛媛FCから以下のリリースがあった。
(以下、当時の愛媛FC公式より引用)
愛媛FCでは、2009年より愛媛FCアマチュアチームとして所有しておりました愛媛FCしまなみ(セカンドチーム・四国リーグ所属)を、将来的なJFAのリーグの仕組みとセカンドチームの在り方を考慮して、来シーズンよりチームそのものを有限会社アーク様に移管することに決定いたしました。
3年間の活動に対しまして多くの応援を頂きまして誠にありがとうございました。
今後は有限会社アーク様のもと、四国リーグから上位リーグを目指すクラブとして活動いたしますので、変わらぬ応援を宜しくお願いいたします。
【新チーム名称】 FC.IMABARI(エフシー イマバリ)
FC今治の誕生である。当時はFC.IMABARIと表記されていたが、翌年のシーズンが始まる前に現在のFC今治に変わっている。
このリリースを確認した際は喜びしかなかった。
諦めていた、今治からの全国挑戦。それがどんな形であれ、もう一度出来るのではないかと。
当時の愛媛FCしまなみの状況
この年、前身の愛媛FCしまなみは四国リーグを制し、地域決勝の出場権を獲得していたが、諸事情により出場辞退させられていた。
当時の運営母体である株式会社愛媛FCの状況等を見ると今後の全国挑戦はあり得ない。選手が来ることもない。この年の選手達が残留することはまずないだろう。
愛媛FC自体が資金が潤沢なクラブではない。当時はユースチームがプレミアリーグを戦っており、レディースチームが11月にチャレンジリーグ(なでしこリーグの2部のような位置づけで全国リーグだった)に昇格を決めていた。
下部組織の中でもセカンドチームの優先度は低くなる。しまなみの強化は普通に考えてあり得ない話だ。
まぁ、他には当時の株式会社愛媛FCやトップチーム監督のしまなみに対する扱いがだいぶアレだったというのがあるが、これ話すと以下の文章が愚痴ノートと化すので止めておく。(いずれ書くかもしれないが、その際は汚い文章だらけになるだろうと。もし興味ある方は現地で色々聞いて頂けたら)
当時の状況的にしまなみは解散。存続したところでまともに活動出来るとはとても思えなかった。俺自身、翌年は愛媛FCレディースを中心に応援するつもりで準備を始めようとしていたくらいだ。
もう既に「愛媛FCしまなみ」を俺は諦めていた。
最後の戦いと喪失感
今年の10月、アウェイ岐阜戦の試合前にしまなみ最後の戦いとなった場所を訪れていた。
この時の事をまとめたいが、なかなかまとめられない。
「全国社会人サッカー選手権大会」勝ち進めば5日間連戦となる過酷なトーナメントをチームは端から見ても理不尽な状況で戦っていた。その中で選手達は懸命に戦い、最終日まで勝ち上がり、ベスト4という成績を残した。
鹿児島、相模原、藤枝と今同じカテゴリーにいるクラブとも対戦し、鹿児島には勝利も収めた。
2回戦や3回戦の勝利は本当に劇的で、その他の試合も本当に観る者の心を動かす、感動させる戦いを見せて頂いた。戦いを終えた時は俺自身涙が止まらなかったが、あれほど狂い叫び泣いた事は今治サポーターとなってから1度もない。それほどだったのだ。
俺のサポーター人生で、非常に大きな5日間だった。
(しまなみ最後の戦いとなった浅中公園陸上競技場)
俺自身はこの大会後に今治へ移住したが、大会後の精神の荒れっぷりは凄まじかった。
サポーター以外の人物を全て憎み、もう「人を見たら泥棒と思え」というような状態。人に言えないような事もやっていた。仕事どころかアルバイトすらまともに出来ない、サポーター活動以外の社会参加が出来ない日々が年末近くまで続いていた。
「ないはずのもの」がある!
突然ですが、今治サポーターの皆様、5年前や10年前を思い出してください。
今のようなサッカーに熱狂する生活、考えられましたか?
スタジアムに通い、様々な人と一喜一憂する生活、考えられましたか?
サポーター1人ひとりに応援するきっかけが必ずあって、「それまでになかったはず」の生活をFC今治を通して送っているはずです。
俺の場合はこのチームは「死んだ」と思い諦めていました。ただ、このような移管があってチームが存続し、今はJリーグのクラブとなっています。そして、今治市は立派なJリーグのホームタウンとなっています。
当時には想像、妄想すら出来ない「現実」があります。
サポーターを長く続けてしまえば、大変な事は当然あります。それでも辞める事を考えないのは当時の事に想いを馳せ、「ないはずのものが現実にある」事を実感していることに他なりません。
今、応援できるのは当たり前ではない!
10年前、FC今治は存続の危機にありました。俺は諦めていました。でも、現実はJリーグの舞台で戦っています。
クラブがあるのは当たり前ではありません。今もどこかで消滅したりしているクラブがあります。サッカー以外のスポーツでも解散や活動休止になっているチームが日本でも毎年のように出ています。FC今治にもそういう時期がありました。
現在の今治サポーターにこの話に想いを馳せろなんて言うつもりはないですし、間違っても経験してはならない話です。
ただ、今応援しているサポーター1人ひとりが「ないはずのもの」があることを実感する時があったはずです。応援できる幸せを感じた事があったはずです。それを大切にしてほしい。
サポーター生活は楽しい事ばかりではありません。人間関係や理想と現実のギャップに苦しむ人もいます。そういう時こそ、「応援できる幸せ」を感じた事を思い出してほしい。
今、FC今治を応援できる事は当たり前ではありません。
大変な事があっても、皆様の「ないはずのもの」「応援できる幸せ」等に想いを馳せながら活動していれば必ず、「応援して来て良かった」と思う事があります。俺も人並みにはその事を経験して来たつもりです。
終わりに
今回はいつも以上にまとまってない記事だと思います。
正直、書きたいことはまだまだ山ほどあります。
今回、特に言いたいのは
・応援できるのは当たり前ではない
・ないはずのものがある。応援できる幸せを感じた瞬間が必ずある。これを大切にしよう。
この2点です。偉そうに言っていますが、今後のサポーター生活でも必要になることだと思います。
今回、10年前に想いを馳せながらこの記事を書かせて頂きました。
FC今治となって10シーズン目が終わりました。
明日は今シーズンの俺自身の振り返りを書きたいと思います。
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