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「組織開発 実践入門」を企画・開催してみて。

楽しかった...(^^)/
2019年1月24日(木)19時から、「組織開発 実践入門(事例検討会)」を開催しました。 いつも一緒に組織開発について勉強している仲間に加えて、人材開発系や体験学習つながりの先輩や仲間、今回の講座を Facebook で見て興味を持ち、初めてご参加くださった方もありました。ご縁が広がる会になり、本当に嬉しかったです。

講座の概要としては、ジャービス・ブッシュ先生(サイモン・フレーザー大学/カナダ)と永石 信先生(中京大学/日本)の共著論文「歴史的視点から、OD の将来像をイメージする ― OD は変化を起こすため (だけ) のものではない ―」をベースに、「OD が本領を発揮する領域」と「OD実践者の分類」について考えました。

「技術的課題」と「適応的チャレンジ」 (ハイフェッツによる分類)
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ハイフェッツの言葉を借りれば、リーダーシップの最大の失敗ポイントは「適応的チャレンジに対して、技術的課題の解決方法を当てはめてしまう」ことである。
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「現場が今まさに直面している適応的チャレンジに取り組むことそのものが、組織の長期的適応能力の開発につながる」という視点が OD にとって重要であると我々は考えている。
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「創発的変革(emergent change)」こそが(中略)OD が本領を発揮する領域であると考えている。
組織開発実践者の分類(産業カウンセリング協会誌 9月号、10月号より)
 ☆ 実行者:職場での問題解決現場の最前線に立つ人たち。
 ☆ チェンジエージェント(組織内と組織外が考えられる):
  職場の方々に寄り添い、励まし、リスクを負って現状に
  風穴を開ける道を拓く存在。
 ☆ スポンサー:組織開発のプロセスを見守り、信頼し、支える存在。

事前課題としてブッシュ先生+永石先生の論文を読んできていただき、当日はグループでの事例検討と対話を中心に行いました。ある意味、反転授業(flipped classroom)ですね。
「事前課題がハードだったかな?」と心配していたのですが、ほとんどの皆さんが興味を持ってしっかりと読んできてくださいました。おかげで、事例検討と対話の時間を多く持つことができました。

大変おもしろかったのが、私は「組織開発として典型的なダメ事例」と捉えていたケースに対して、「これ、成功事例なのではないですか?」と言う意見がグループワーク中に出たことです(どんな事例だったかは、こちらをご確認ください)。そういう見方の「違い」を受けとめ、対話を通じて考えを深めることができるって、本当に素晴らしいことだと感じました。

今回の講座をやってみて、「組織開発って、組織の能力開発なんだ」と言うことがストーンと腑に落ちました。いや、論文にもそうやって書いてあるので読んで知っていたのですけど、グループワークやその後の懇親会での対話の中から、「組織の能力開発」と言うワードが、私の中に湧き出てきた感じでした。えーと、人材開発と同じように、組織も長期的かつ継続的に「できること」を増やしていく取組みにより、能力向上が図れるということです。「組織を変革しよう!」と言うより、「組織を育成しよう!」の方が、優しい感じ・やれそうな感じがしませんか?

そうだ!
当日は、永石 信先生ご本人が、参加者として講座にご参加くださいました。ご本人の前で、先生の論文を使った小講義は非常に恥ずかしかったですが、懇親会まで残ってくださった(いや、そちらがメインかも 笑)ので、お酒を酌み交わしながら、組織開発について非常にフラットに意見交換ができました。本当に、やってよかった~(^^♪

受講後のアンケート結果では、講座への満足度は6.7点(7点満点)でしたし、「次はいつ?」との嬉しい声もいただいていますので、近いうちにまた開催したいな、と思います。

それでは、今回はこの辺で失礼します。

いまここプラス