【要約】

回転寿司チェーン店で迷惑動画が拡散されている。
他の飲食店やカラオケ店でも迷惑動画が出ている。
そういったものが出ていることと、
世の中の反応を分析をしたり、
今後はどうなっていくのかを考えてみる。

「'sushi terrorism’が世界に認知された」
なぜかドンドンと出てくる迷惑動画を見て悲しくなる
北里明日香です。

読者の皆様はもうご存知の通り、
1月29日頃に岐阜県のスシローで
醤油ボトルを舐め回したり
湯呑みを舐め回したり
挙句の果てには商品である寿司にまで唾液をつけるという
動画が拡散されました。
日本国内のメディアはその迷惑動画を一斉に報じています。
また海外メディアも同様に一斉に報じています。
私も実際に迷惑動画を見てみましたが、
非常に見ていて不快な動画でした。
それらについての多面的な分析をしていきたいと思います。

■　ネットの反応の問題点

ネットの反応、主にTwitterや某掲示板などで散見されるのは、
スシローは断固たる法的措置を取るべきという論調が多いです。
ここまでは実際にそうなっています。
それからが問題です。

どうやら株価の時価総額が160億円ほど下がったようなのですが
それについても加害者や家族が保障しろみたいなことを
言う人が多くてびっくりしました。

この高校生や家族が到底払える額ではありません。
そもそも論として、刑事罰を決めるのは司法であり、
民事的訴訟が起こったとして、
判断するのは司法機関です。
ネットの反応が決めることではありません。

この事件に関して多かった意見が、
高校生や家族に株式の時価総額の損失まで
全てを賠償させろという風潮でした。

この人達は、何も考えておらず、
ただただ感情的に叩いているだけ。
また迷惑動画をRTをして拡散するというのは、
拡散行動をして広めているだけです。
「悪」はお日様のもとに示されなければならない、
という風潮の人たちなのだろうと思いました。

果たして拡散することが良い行いなのでしょうか。
盛り上がっているから
RTボタンを押したとかではないでしょうか。
そういうことがもしもあるのならば、
悪ノリという意味では、同じ穴のムジナです。

■　回転寿司チェーン店などの問題点

今回狙われたのは、回転寿司業界でした。
スシローで撮影された迷惑動画が最も多くて、
その次にはま寿司、くら寿司からも迷惑動画がでました。

たまたま回転寿司業界が多かったようで、
他にもカラオケ店での迷惑動画や、
九州のうどん店で天かすを食べた迷惑動画などが
メディアに出ていました。
これらに共通するのが、日本企業であること。
飲食を扱っていること。
共用スペースを備えていること、
共用する調味料などを置いていること、です。

私はいろいろ考えてみましたが、
飲食業のトップ企業といわれている
マクドナルドにおいては、
なぜかそういった迷惑動画が出てこない。
これはなぜなのかを調べました。

すると、マクドナルドにおいては
アルバイトの制服にはポケットが無いそうなのです。
迷惑動画が流れるためには撮影機器が必要です。
マクドナルドにはそれを入れるポケットが無い。
社員さんの制服にはポケットがあるそうですが、
社員さんは逆に常に見張っているような役割もあるそうです。
店員側の迷惑動画は事実上不可能になりました。

では客側の迷惑動画はどうかというと、
マクドナルドのテーブルには
共用で使う調味料などはありません。
あったとしてもナゲットのソースやポテトのケチャップなどは
個別包装にて提供されています。

私はそれを考えて納得してしまいました。
徹底的にリスクを減らすということにより、
迷惑動画が生まれない環境を
作っていたのではないだろうかと考えたのです。

■　迷惑動画を投稿している客層の問題点

これらの迷惑動画に共通するのが高校生〜大学生が多い点です。
社会人でもいるでしょうが、大抵は若い世代です。

男女は問わずに皆､撮影機器としてスマホを持っています。
考えると当たり前のことなのですが、
自画撮り一人で迷惑動画を撮る人はいませんでした。
つまり集団化する場合に起こると考えられます。

集団とは1人以上のことです2人からでも行われます。
よって高校生〜大学生〜若い世代が行くような飲食店は
控えるのが賢明ということがわかります。

使用アプリについては、Instagramのストーリーズ
TikTokが多く、YouTubeにUPしてやろうという人はいませんでした。
つまりここから読み取れることは、
仲間内で悪ふざけ動画を撮って
ストーリーズで楽しもうというような
意味合いが見受けられるということです。

恐らくそこにいいねの評価などはないと思います。
あるとしたら、
「え、ヤバい？！」などの反響はあると思いますが、
何が面白いのか私もわかりませんでした。

■　今後の飲食店業界などはどうなっていくのか

迷惑動画を上げてしまった人や寿司ペロリストの処遇については
今後明らかになっていくでしょう。

160億円を支払え！とか、
スシローは厳罰化をと言う人が絶え間ないのですが、
感情的に物事を話していて、
想像力の欠如がとても多いと思いました。
160億円を支払えるわけがありません。

被害店舗の各社は厳罰化にするべきだ、
ということを言いますが、
そういうことは今回の事件と関係のない
私たちが言うことではありません。

私はこう考えます。
回転寿司業界は当然として対策するだろうけど、
飲食業界に対する影響もかつてないほど
計り知れないものになってしまった。

「共用スペース」がキーワードで「共用」する調味料や
お茶・水などを撤去する動きになっていくだろうと推測します。
またお箸やスプーンなどの撤去する動きが出ているだろうと推測します。

当面の間は、個包装にされたお箸やスプーンで対応するとのこと
また各種調味料は個別包装対応になっていくだろうと考えられます。
そうなると、店員さんにも負担がかかってしまいますし、
客側も不便さを味わうことになります。

今回の迷惑動画のポイントは誰もが不幸になることだと思います。

まずは共用部分の排除の動きが出てきて、
続いて個別包装での対応を経て、
次は設備投資をして完全監視店舗になるのだと思います。

最新のくら寿司店舗などが導入していますが、
皿はAIで管理してレーンでは監視カメラシステムが入っています。
ゆくゆくは無人化を見据えた動きとなるということを、
私は考えています。

そういったきっかけを作るためには
丁度いい迷惑動画だったのかなと思われます。
だからこそ、かつて無いほどの
大々的なニュースになったのではないでしょうか。

物事を感情的に考えるのは非常に危険性が高いと考えます。
私もこの迷惑動画などを見ていて嫌悪感を覚えたのは事実です。
しかし、感情に任せて賠償しろ、
責任を負え、もっと拡散させろ、
こういうことはやり過ぎです。

どうしてこうなってしまったのか。

私たちの自衛手段は何だろうか、
再発防止としては何なのか
そういったことを現実的に考えることのほうが、
良いのかなと思います。

でわ。

北里明日香（Asuka Kitazato）
2023/02/05
19:57