ハゲないメンタリティを語る人
とてもお世話になっているXさんという人がいる。
Xさんとは大学時代に知り合ったとても考え方がユニークな人だ。
ぼくはXさんの型にはまらない独特な考え方が大好きで、なにか悩みがあったり人生のヒントが欲しかったり暇だったりした時にXさんを訪ねる。
そんなXさんと先日食事をしている時に言われたのが
「おれがなんでハゲてないか知ってるか?」
である。本当に唐突に聞かれた。
本来であれば間髪入れずに「いや知らん!」で一蹴するところだが、なんだか面白そうなので「わからないです。なんでですか?」と答えた。すると
「考えてみて?スポーツにおいても大切なことだから。」
なんだなんだ?ハゲの話がすごいところに関係してきたぞ?
ぼくは俄然興味が沸きつつも、早く教えてくれよ!という気分だったが少し悩んで
「えー、人間力ですか?」と答えた。
Xさん「80%の答えだね。」
ちなみにXさんはこのときかなり酔っていた。酔うとシラフの3割増しで面白くなるのがXさんである。
Xさんが語り始めた。
「おれの親父はハゲてるんだよ。おれが小学校の時からな。その頃から覚悟してたよ。将来自分はハゲるんだって。もはや近いうちにハゲるんだって思った瞬間からハゲは怖くなくなったよ。そう考えてたら中学生になってもハゲてない。高校生になってもまだハゲてない。その度に『感謝』したね。まだこんなにある!って。そう。おれがハゲないのは感謝の気持ちがあったから。未来の失う恐怖よりも今あるものに感謝する。その気持ちが大事なんだよ。」
!?
なんてことだ!すごいことを言っているようだがエビデンス(根拠)が全くない。
でもどうしてだろう。なぜだか説得力はある発言だった。
「未来の失う恐怖よりも今あるものに感謝する」
素晴らしいパンチラインである。確かにスポーツにも応用できる考え方かもしれない。いや、どちらかというとこれはもっと大きなくくり、「人生」において大切なことな気がした。
そんな人間の生き方に対する問いかけとも思える発言を本人が意識して言ったかどうかはともかく、Xさんはぼくを残して千鳥足で帰っていった。
その後ろ姿には哀愁が漂っていた。
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