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台湾 中医学のたび

台湾研修に旅立つ前の時間。空港で時間があったのでノートを書くことにした。そして、書いている途中に、台湾研修の記録として残しておこうと思い追記している。

旅立ちの前

羽田空港。ここには7年ほど前には何度も足を運んでいた。年間100回以上は飛行機に乗っていただろうか。当時は製薬会社の開発職で全国各地の病院を訪問して、治験に携わる医者や看護師と面会をしていた。ほぼ毎日が出張だった。

あれからもう7年も経ったのだと思うと月日の流れは本当にはやい。気がつけばどっぷりと漢方の世界に浸かっている。居心地がいいのだから問題はない。

当時はいつも急いでいた。飛行機を電車に乗るのと同じような感覚で使っていたので、空港でゆっくり過ごすことなんてなかった。でも、こうしてゆったりとした気持ちで広い空港の中を歩いていると、飛行機に乗ることがこんなにもワクワクすることなんだと感じる。

ほんと交通手段と旅の違いはとても大きい。

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台湾は初めてなのでグーグルマップで調べてみたら、石垣島にものすごく近いところにあった。ほとんど、おとなりさん。沖縄とさほど変わらない時間で中医学の本場に行けるのだから、漢方好きにはたまらない。

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もともと中医学の研修を企画したのはもう5年も前。中国の成都に行く予定だった。しかし、直前に新型インフルエンザの問題が発生し、さらに成都のある四川省で大きな地震が起きた。当時、第一子を出産間際の妻は行ってもいいよと言ってくれていたのだけれど、僕は家族を理由にして降りた。結果として、研修自体がなくなってしまった。当時のメンバーには申し訳ないことをしたと思っている。

あれから持ち上がっては消えていた研修の話が動き出したのは年初のことだった。推進力のあるメンバーを中心に企画が立ち上がり、一気に研修の承諾まで持っていった。それからトントン拍子で日程が決まった。

念願のDAYLILY

研修先が台湾に決まったことで、僕には行きたい場所があった。

ある日、クラウドファンディングの「Ready for」で、日本の女性2人組が、漢方を知らない若い世代向けに、漢方のライフスタイルを提案するブランドを立ち上げる、といったプロジェクトを見つけた。

それが「DAYLILY」だった。

漢方を多くの人に知ってもらいたいと思っている僕は、若い人が漢方に興味を持ってくれるだけでもうれしい。さらに驚いたことに、監修している薬剤師の欄には一緒に仕事をしていたこともある女性の姿が映っていた。一気に応援したくなった。

日本の感覚ではわかりにくいのだが、台湾には漢方薬のみを専門に処方してくれる診療所と、漢方薬を調合や販売をしている薬局とがあって、DAYLILYは台北市にある漢方薬局の一角にあった。

笑顔がステキな二代目のご夫婦が経営されている薬局。娘さんが日本に留学をして、その時に出会った女性とともに立ち上げたのがDAYLILYだという。

オレンジ色のパッケージから漢方のあたたかみが伝わってくる。休みのに日にもかかわらずお店を開けていただいた上に、お土産までくださった。本当に笑顔の優しいご夫婦だった。

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中医学の本場 台湾

中医学研修の場所は、台北から車で2時間ほどの台中市にあった。1日めは移動で終わり。夜は1929年からある建物で宮原眼科に行った。実はここ地元では有名な飲食店らしいが、眼科なのか飲食店なのかわからない名前だ。とてもシャレオツなお店だった。食後はホテルまで1時間くらいかけて散歩しながら帰った。

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台湾では西洋医学専門の医師と中国伝統医学を専門にする医師では大学入学のときから違っている。これは中国でも韓国でも同じ。

僕らが研修させていただいたのは、中国伝統医学を専門にしている医師がやっている診療所を2件と、中国医薬大学での講義。1日半に詰めに詰め込んだ。

午前中は診療所での講義から実際の診察、施術まで。午後からは大学ではみっちりと3時間の講義を受けた。翌日も朝から診療所でメンバーが実際に診察を受けながらのトレーニングだった。

大人になると学ぶ楽しさに気づくようになる。知らないことを知る楽しさ、自分の専門性が高まることの喜びを感じる、とてもエキサイティングな時間だった。

その日の夜は研修をしてくださった中医師の先生方との会食。中医学を通じた台湾と日本の交流ができたことに喜びを感じた。

密度の濃かった台湾研修もあっという間に終わってしまった。3日間の日程でぎゅっと詰め込んだ研修。あっという間なのも仕方がない。旅の終わりはいつでも名残惜しいものだ。
次は台湾に行くことをずっと楽しみにしている家族と一緒に来れたらいいなと思う。



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