とさ

"もの"を生み出すのが大好きです。空想に浸りながら物語を書いていきます。夏の積乱雲とか、冬の星空とか普遍的なものや、人の意識や死についても題材にします。

[短編]留守番電話についての考察

20191006 「翻訳作業の途中で申し訳ないのですが、あなた宛に一件留守番電話が入っていましたよ。〇〇研究所のカラトウさんから至急折り返しの電話を入れて欲しいだそうで...

[SF]宇宙にてミジンコを思う。

「ここが、展望台兼研究所だ、散らかっていて悪いね、先週の日曜日から立て込んでいて片付ける暇がなかったんだ。君がくることを事前に知っていたのだけれども、ああ、コー...

大好きな人が死ぬのを恐れて、永遠に時間を止め続ける少女の話。

静寂が鼓膜に張り付いて、空気はどこかへと抜けてしまった。 鳥たちは空で静止して、この世界で動いているものは私の他に何もなかった。白色に霞みがかった街の間を歩いて...

五月の陽気にやられてららら(短編小説)

ねぇ、ベンチにかかった木陰が好きなの。そこに座ってずっとこない電車を待っているんだ。 少し、渦巻いた風が私の隣を通り過ぎて、明日の言葉を教えてくれるの。ええ、わ...

アブラゼミと御殿場

アブラゼミが玄関先でひっくり返っている姿を見て、私は夏が来ていることを知った。 乱雑に並べられた鉢植えの植物は、連日の暑さでしなってしまっている。戸棚の奥からコ...

カレーライスの次、夜行電車の後。

君が世界の中で好きなものを千個並べたとしたら、私は何番目くらいにいるの? 多分、十三番目くらいかな、カレーライスの次、夜行電車の後。 明け方の街は、空気の海が沈...