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2024/02(療養日記)

風邪をひいた。覚えている限りでも、最近で一番寝込んでしまっていた。ひーひー言いながら四苦八苦したので、ちゃんと覚えておこうと思い記録する。


2/10-12
実家に帰った。計画的な帰宅ではなく、急性扁桃炎に罹ったからだ。
最近の仕事のピークと寒さ、その他諸々の疲れが原因で、普段腫れない扁桃腺が腫れた。なんか違和感あるなぁ…なんて思って過ごしていたら、10日(土)の朝から唾を飲み込めないほど痛みが。コロナか?とも思ったが、喉の左側だけ痛い。これが扁桃腺が腫れるってやつか…と思いながら療養が始まった。

この時の回復までのイメージは、土曜ひたすら寝る⇨日曜それなりに良くなる⇨月曜ほぼ復活、という想定。喉の痛みってキツイな、なんて思いながら、近所のドラッグストアでポカリ2L×2と、ビタミンCドリンクを買い込んで、ひたすら寝た土曜日は良かった。しかし、日曜日の朝ヒヤリとする。全然痛みが引いてない。なんならダルさや関節痛もしんどくなってきて、熱も上がった。夕方くらいに、扁桃炎ってこんなしんどいの?、これ三連休で治らなくない?、どうしてればいいんだろう、とイメージよりしんどくなっていく現状に焦る。
父親がたまに扁桃腺腫らしてたなと思ってLINEをすると、「こっちの家帰ってくるか?」「環境はいいよな」と言ってくれて、急遽帰ることになった。

緊張の糸が切れたのか、帰ることになったら熱が上がって38.2°くらいに。1時間ほどの道のりを車で迎えにきてくれた。親は2人とも来た。念の為コロナの抗原検査してくれとなり、10分はかり陰性。大丈夫だったとLINEして荷物をまとめて降りると、2人はぎょうざの満州の冷凍餃子を買っていた。大袋やつ。両親はいつも千歳船橋にくると、横浜の実家近所にはないぎょうざの満州の冷凍餃子を買って帰る。

地元にはそれしかなかったので、餃子チェーンは「餃子の王将」一強だと割と大人まで思っていた。それ以外は特別美味しくもないだろうし、なんかダサいように思ってた。ねとらぼ曰く、お持ち帰りの満足度がもっとも高いのは「ぎょうざの満州」らしい。満州は持ち帰りに力を入れていて、どのお店でも入り口のすぐ隣に業務用冷蔵庫があってドーンと冷凍餃子が入っている。本格餃子が楽しく美味しく出来ちゃいそうな雰囲気があるのだ。今でも「満州」と名付けるセンスと「三割美味い!」のキャッチコピーには、疑心しているけれど、味は旨いし、企業努力してるなと思う。

実家までの運ばれ方は情けなかった。唾を飲み込むと痛いので、口に溜め込んでいる。鼻は詰まっていて、片方の穴を指で広げることでなんとか息が出来ていた。うずくまって喋らないし、「ズーッ⤴︎ ズー⤵︎」と今にも窒息しそうな息を繰り返す三十路前の息子は触れにくい感じだったようで車内も少し静かった。餃子を誰に何個割るか、みたいな話をしていた、気がする。

実家に着いて、洗面台に唾を吐き出す。結構キツかった。「ゲロ吐くのか、ゲロか」と煽ってくる父。「何が必要?これはどっち?ゲロ袋はバケツがいい?」「なにこれ?」と声が出せない俺にガンガン質問してくる母。扁桃炎はゲロ吐かないだろ。分かってるだろと思いつつ、めちゃくちゃ助かった。実家に帰ると千歳船橋の家は寒いんだなと思う。息子が全員家出てからリフォームを経て「ゲストルーム」と名前の変わった畳の部屋で過ごし始めた。


少しづつ目を醒ましながらも、ぼちぼち寝れた月曜日の朝。熱は38℃ぐらい。4/1のりんごを擦りおろしてくれたが、痛くて一口しか食べれなかった。薬を飲んで寝る。(9日の金曜日に熱はなかったが在宅にさせてもらい耳鼻科に行っていた。その時に流行りの喉風邪ですかね、みたいな今思えば雑な診断と抗炎症剤を入手)
15時くらいに熱が39℃を超えた。まずいのでひいひい涙流しながら500mlのペットボトルを2本飲んだ。3日経っても具合が悪くなり続ける風邪は少なくとも二十歳超えたくらいから罹ってない。精神的に挫けかけていた。金曜日の在宅報告書に「体調整えて週明け迎えます」なんて書いたのにな、とか思いながら、今は実家周りでどこのクリニックがいいのか、なんてやり取りをして寝た。この日は全然寝れなかった。

この日見た動画:A24が4Kリマスターで配給したことで話題中のTalking Headsのライヴ映像。Talking Headsは通らなかったが、この映像でも出てくるランニングのパントマイムは見覚えがあってThe 1975が2作前のアルバムツアーでパロディをしていた。Talking Headsは今度ちゃんと聞いてみたい

2/13-15
火曜日。熱は38℃くらい。「このクリニックの先生は近くの大きな病院出身なので、何かあったら繋げてもらえるし、診察も悪くない」という噂の内科を受診。熱があるので念の為インフルの検査をさせられる。無事陰性。発熱患者は外のテントで受診するシステムで、近所の一軒家のベランダで洗濯物を干してるのを見て待ってた。
50歳前のタフな顔つきの男性医師が喉を診て、1秒もしないで扁桃炎ですと診断。ここで遂に扁桃炎と確定。ステロイド系の薬を出すから2日ほどで良くなると思う、と告げられた。
個人的には辛いので、「うわ〜」、「ひ〜」、「これは痛いね〜」なんて2、3秒まじまじと診て欲しかった。そうなんです…痛いんです…と涙目ながらに頷きたかった。でも医師はすぐ隣に移ってしまったし、ペラペラの隣のテントで外国人であろうお母さんが子供を連れて「昨日の夜は戻してしまって…寝れてなくて…」という相談をしてるのが聞こえてきたので、さっさと荷物をまとめて帰った。

ステロイドの薬はパッと見で強いことが分かるようになっていた。金の背面に赤の印字。薬のプロダクトデザインも、これは忘れちゃいけないから目立つようにとか、これは毎日飲むから抑えめに、とかあるんだろう。なによりこの薬は強いだろうなと思ったのは、錠剤自体はかなり小さかったから。炒りごま4粒分くらい。
この薬はめちゃくちゃに効いた。水を飲むのもしんどかったのが、この薬を飲むと30分後にうどんが食えた。しかし、その後この薬の強すぎる効果に振り回されたと思う。
ようやく口の中を見てみた。喉の左側がおはぎぐらい腫れていて、真ん中にあるはずの喉ちんこがかなり右に追いやられていた。衝撃的なビジュで凹む。


水曜日。起きて熱を測ると平熱だった。まだ朝イチは喉が痛いが、ステロイドを飲んで、30分くらいしてからすれば違和感はありつつも普通に朝食が食べれた。ひたすら寝る…。晩御飯は生姜焼きを5枚食べた。関節痛も頭痛も熱もないので、明日は在宅で仕事をすることにした。

実家でチョコを貰う…

木曜日。引き続き平熱。喋れないが、気分もいいので在宅をした。昼頃にはコリャ明日は出社できるなとなったので、午後荷物をまとめて千歳船橋に帰ることになった。明日から通常運転だ…。バタバタと荷物をまとめて16時前には千歳船橋に着いて諸々の掃除を終えた。17時、在宅報告書に明日は出社予定です、と書いて完了…。晩御飯にうどんを買ってきてもらった…。がしかし、喉が痛くてうまく食べれず。あれ?と思いながら、いきなり動いたから疲れたかなと思った。両親が帰ってからゆっくりなんとか食べた。

その晩、喉と耳の裏が痛すぎて眠れない。リンパまで腫れて左の耳がズキズキずっと痛い。あまりにもずっと痛いのでAM4時に#7119に電話。救急車を呼びたいか、今でもやっている内科の救急外来を知りたいか聞かれて、日和って救急外来を聞く、その後教えてもらった外来に電話をすると扁桃炎だと日中じゃなければちゃんとした診察が出来ないと言われ渋々電話を切った。というか切られた。ベットでずんぐり。

2/16-18
金曜日。ごめんなさいやっぱり出社できませんとチャットし、気が付いたら少し寝て10時前だった。
熱は38.2℃くらい。一時期良くなったのはステロイドの影響だったんだなと思った。あの薬をもらおう…と名前の書いてある薬の説明書に「これが欲しいです」とメモを加えて近所の内科を回った。
もう11時近くだった。予約しか受け付けてないとか、色んな理由でクリニックを巡り、4件目で少し大きい地域の病院にたどり着いた。
もうこの時には一言も発さず、iPhoneのメモでやり取りをしようとしていた。日本語分かりますか?と、毎回聞かれる。日本語のおぼつかない外国人の人もクリニックや病院にはそれだけ来るんだろう。そりゃそうだが、少し生活のレイヤーが違えば出くわさない他人は沢山いるわけだ。あと、自分の見てるiPhoneのダークモードのメモが誰にでも見やすいと思ったら大間違いなんだなとも気付いた。

病院でもインフルとコロナの検査を経て待合所で待つ。持参した薬の説明書を渡して待っていると、おじいちゃんの院長に診てもらえた。
まずステロイドの薬は出せないと言われた。副作用があるし、強い薬なので、最初にこの薬が処方された事も疑問だ、と。あとは本当に扁桃炎なのか調べてみてもいいだろう、と。1人なのであれば入院するか?とも聞かれた。筆談だったが、ほぼやりとりのなかった横浜のクリニックと違い、希望を伝えることができた。

入院…しようかな?!とも思ったが、その返事より先に点滴して欲しいと伝えた。12時間くらいは飲み物を飲んでいなくて、これから先飲める気がしなかったから、水分を取るという意味で点滴したかった。なんせ水が飲めなかった。大丈夫と言われ、血液検査と抗生剤入りの点滴をしてもらった。白血球濃度が高いからばい菌だね〜、とのこと。点滴をしたことで心持ちが落ち着いた。入院は様子を見てからということにして、ドラッグストアでゼリー飲料を大量購入して帰宅した。
その後ずっと寝ていた。数時間おきに喉が詰まった感じがして起きる。いつもの風邪とちがうのは、痰?の感じだ。色もなく、粘着性のつばみたいな感じ。これは熱の出始めた土曜日からずっとそうで、明らかに過剰分泌されていている。気になっては、時間をかけて、水で口をゆすいでベットに戻る。目が醒めるごとに、これを手探り(口探り、舌探り)に、ゆっくりと繰り返した。

17時ぐらいにゼリー飲料と薬をなんとか飲む。まだ痛いが熱は下がっていて、点滴の時に入れた抗生剤が効いてる気がした。24時くらいにまたゼリー飲料を飲んだ。


土曜日。喉に違和感があり4時に目が覚める。口をゆすぎに行くとなんと赤黒い痰が! 血が混ざっていた。口の中を確かめてみるともう少し出てくる。良い兆しだと思った。慎重に口をゆすいで寝る。
9時に目が覚める。平熱。口をゆすぐと血混じりの痰が出てきて、喉の奥の感じも昨日とは違う。恐る恐るながら、うがいが出来た。明らかな好転の兆しに目の前がひらけていくよう。ゼリー飲料を3つと薬を飲んで寝る。
その後布団に着くが寝れない。昨日寝過ぎたみたい。しかし、前回治ったと勘違いして痛い目をみたので、ゴミだけ捨てて、この日はずっとゆっくりしようと決めた。この日は買いまくったゼリー飲料を飲みまくった。オロナミンのゼリーは薬っぽい感じがする。マツキヨオリジナルは少し水っぽい。刷り込みかも知れないが、ゼリー飲料はウイダーで十分だなと思った。お風呂も明日でいいことにする。

寝れなくてYouTubeを見てた。東京ドーム公演を直前に控えるBAD HOPが毎日豪華客演のPVをあげていて全部見た。BAD HOPのメンバーはハスリングが殆どで、素人ながら俺の目から見ても、ラップもそんな上手じゃないと思う。ガキへの商売。ビジュとかSNS発信とか、子供の注目を集めることに徹しているからこそ、動員とかもあり、ブレない成金イズムに支えられた信頼がこの客演を生む。音楽というよりヒップホップのカルチャーとしてBAD HOPは成立しているんだなと理解した。ちょっと面白い。20年前にセンセーションを起こしたニトロが客演したこのサイファーは、「個性の集団」から「勝ち上がる為のタイトな兄弟タチ(この人たちヤクザとかよく引き合い出すから”兄弟”の方がさまになるだろう)」といったウケるヒップホップチームの変遷を感じる。ニトロのメンバーはフック命というように感じた。行間が豊か。

日曜日。起きたばかりは喉に多少の違和感があるが、腫れがひどかった頃とは違う。粘着っぽいつばも出ず、口の中がさっぱりしている。喉の腫れていたあたりはかさぶたになる前の肌が薄くなっている様な感覚はあって、声を出す時とかに気を付ければ大丈夫そうだった。喜多見まで歩く。今日は晴れていたし、気分が良かった。

散歩中Sunset Rollercoasterの1Stと2ndを聴いていた。1Stのルーズな心地よさは特別な物があってやはり良いアルバム。7年越しの2ndはシティポップとも違う独特なアジアのシンセポップ感があり、それはそれで面白いが、、彼らはバンドだし、音もそこまでストイックに作り上げていない。もっとボーカルとリズムとゴリゴリに作り込めば雰囲気が出るのかもしれないが、全体的に拾っているというか、バンドの録音だ。一度ライヴを見て改めて聴き直して思うが、ドラムはあーんまりタイトじゃない気がする。でも、2ndにもちょくちょく気になる曲はあって、特に”Summum Bonum”は気に入った。

今回体調を戻すまでに丸々一週間かかった。身体的にきつかったし、一万くらいかかったし、予定キャンセルしたし、仕事にも影響出た。普通に大損だ。自分は不要な「タスク」を抱え過ぎてるかもと思った。例えば、ポッドキャストの最新回を聞かなくちゃいけない気がしてくることとか。阿保らしいけど、あー聞かなきゃななんて思って義務の様に「ながら聞き」で聞いてないか?と思った。そもそも「ながら聞き」なんてしなくていいんじゃないか?と。

そう思ったのは金曜日夜くらいに、一人でポッドキャストを流した時に、なんか疲れる気がして、設定画面見てみたら1.2倍速で霜降り明星のオールナイトニッポン聞いてることに気が付いた時。リラックスしたくて聞いてるはずのものを倍速再生してるのは阿保すぎた。
あとは継続的に運動と風呂を続けないといけない。好きに飯を食うだけではあかんのです。気が付きました。

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