比べるとわかる寄付型の団体のファンドレイジング戦略~最近気になるDxPとsoar~

これまで別記事「支援者もシェアする時代」でも取り上げてさせてもらっているNPO法人soarと、寄付型への団体になることを宣言されて活動されている認定NPO法人DxP。毎日FacebookやTwitterの情報を毎日チェックしているうちにかなりのファンになってしまいました。やはり、soar代表工藤さん、DxP代表今井さんのどちらも味があるので、多くの支援者の方がいるのに納得です。

そんな大ファンな「寄付型」の団体さんなので、誰からも頼まれていないのですが、勝手に分析をしましたのでまとめました。

1.寄付型って何?

soarさんもDxPさんも寄付型の団体とお伝えしましたが、そもそも「寄付型」って何?というところから説明します。どのNPOも寄付を多かれ少なかれ集めています。ある意味寄付型ではあるのですが、ここでは、NPOの3大収入源である「事業収入」「寄付」「補助金・助成金」の割合いで寄付が多い団体のことを指しています。※NPOの場合、事業収入の中に国や自治体からの委託事業を含むものもあります。

そこで、「フローレンス」と「育て上げネット」と「DxP」「soar」を収入源別の比率を比べてみました。下の黄色が寄付金の割合です。どの団体さんも2019年2月24日時点で各団体に掲載されている最新年度の活動計算書から抽出した値で集計しています。soarさんは2017年度のデータでしたので寄付型?と思われる方もいるかもしれませんが、2018年度にマンスリーサポーター600名を超えていらっしゃるので、ここでは寄付型としています。

フローレンスは寄付の割合少ない?と思う人もいるかもしれません。7%ではありますが、寄付金額は169,345,737円でした。約1億7千万円ということですごすぎます。

2.寄付型といっても同じではない2つの団体

やっぱり寄付型だよなーと思っていたのですが、さらに好きが高じて、もう一歩踏み込んで、これまた勝手に2つの団体を分析しました。

よくファンドレイジングに関わっていると以下のようなドナーピラミッドを使用します。潜在支援者を底辺にして上につながる支援フェーズを記載していき、潜在支援者と支援者の基準を考えたり、ステップアップ戦略を考えたりする時に使うツールです。

このドナーピラミッドはサンプルではきれいな三角形ですが、実際は凸凹があるもので、それが団体の特徴であったり、強み・弱みだったりします。今回の分析は厳密ではありませんが、Web記事やTwitterなど外部から知りうる情報と私の妄想を組み合わせて作成しています。なので、もし実態と違ったらごめんなさい。


DxPさんは「大口寄付」と「単発寄付・クラウドファンディング」の割合が高く、無関心層を支援者にすることができる強みが特徴

DxPさんは活動計算書を公開するだけではなく解説をしている、丁寧な報告をしている団体です。その中で、以下のように10万円以上の大口寄付は寄付全体の46%を占めており、寄付の大半は個人の大口や法人支援であることがわかります。


さらに、昨年には700万円と500万円のクラウドファンディングを成功させているなど単発寄付も多く集めています。


2019/2/21にWebメディアのきふるで公開されたインタビュー記事を読んでも、マラソンチャレンジなどの一見活動と関係のない挑戦を行うことで無関心層の関心をつかむことを積極的にされているのがわかります。アタカマ砂漠マラソンチャレンジでは40%~50%が新規支援者という驚きの数字です。



soarさんは受益者を中心としたアクセス数が多いWeb記事を核に、関心層がマンスリーサポーターになっている

soarさんの大きな特徴は受益者を中心としたアクセス数が多いWeb記事です。2017年度は年間96本の記事公開で、28万4,223人の読者がありました。読者の属性は「自身がなんらかの当事者:34%」「家族や友人に当事者がいる:26%」「当事者を支援している:14%」とあるように、当事者関連が73%となっています。


そして、以前の記事「支援者もシェアする時代」で紹介したように、活動報告会の開催の頻度が高く、リアルの接点を多く持たれており、そこでマンスリーサポーターのご紹介をされております。DxP今井さんとも共同で活動説明会もされています。

こうしたWebでのつながりや、リアルな接点でのつながりからマンスリーサポーターを増やしていき、2017年150人だったサポーターは2019年1月に600人となりました。2年間で450人ものマンスリーサポーターが集まることは本当にすごいことだと思います。

以下のnoteで600人になったことのご報告がありました。


以下のサポーター依頼のページのようにsoarさんは関心層に対する寄付のお願いのメッセージがとてもよいと思います。


3.無関心層を巻き込む力を持つか、関心層に響くことばを持つか

今回の分析で、同じ寄付型といってもDxPさんとsoarさんは取り組み方が違うことがわかりました。DxP今井さんは有言実行、無理と思うことも果敢に挑戦することで背中をみせて支援者を集めるタイプで、soar工藤さんは当事者の方々の苦労や希望をWeb記事を通じてわかちあうことで、当事者ではないが関心がある人に共感できる場をつくり、そこに関わる方法としてマンスリーサポーターを用意してくれています。

DxPさん、soarさんは、それぞれ強みを活かしたファンドレイジングに取組んでいることがわかります。

無関心層を巻き込む力、関心層に響くことばどちらにせよ、人々に届けるために、SNSの利用をどちらの団体も積極的にしています。DxPさんは、代表の今井さんだけでなく、広報の入谷さんも独自に存在感のある発信をされています。soarさんは代表の発信力もすごいですが、共同で運営を担っている、モリジュンヤさん、鈴木悠平さん、碇 和生さんのSNS力も高く、組織全体で広報をしているのも発信力が強い理由です。


まとめ

今回のnoteでは、寄付型の団体であるDxPさんとsoarさんを比較してきました。NPOがファンドレイジング戦略を考える時に、団体のポジショニングを明確にすることが重要と研修でお伝えしています。今回の記事を参考に、自団体の強み・弱みを見極めて計画をたてて頂けると幸いです。

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今給黎 辰郎

ファンドレイジング関連

コメント2件

今給黎さん

記事を執筆していただいてありがとうございます!

soar内部でもきちんと言葉にできていなかった部分や特徴もあり、今後の参考になりました☺
こちらこそありがとうございます!そう言っていただけると、記事にした甲斐があります。
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