【6/19開催】遺贈寄付サロン:遺贈寄付を獲得するためのファンドレイジング戦略 ~国境なき医師団ファンドレイザーから聞く具体事例~の内容をちょこっと紹介

日本に遺贈寄付を拡げることを目的とした全国レガシーギフト協会主催6/19に開催された「遺贈寄付サロン:遺贈寄付を獲得するためのファンドレイジング戦略 ~国境なき医師団ファンドレイザーから聞く具体事例~」に参加してきました。内容詳細をまとめることはできないのでちょこっと紹介します。詳細を知りたい方は是非、遺贈寄付サロンのメンバーになってください。

1.遺贈寄付サロンとは?

一般社団法人全国レガシーギフト協会は、日本全国に遺贈寄付をひろめることを目的とした中間支援団体です。全国コミュニティ財団協会や様々な加盟団体と連携して、寄付先や実現方法に関すること等の情報提供をする無料の相談窓口を全国で提供しています。


そんなレガシーギフト協会が遺贈寄付を集めるNPOを対象とした「遺贈寄付サロン」を開催することになり、今回は第一回目となります。

<遺贈寄付サロンとは>

日本初!受遺団体のための遺贈寄付サロンを定期開催します。近年、社会における遺贈寄付への関心が高まる中、多様化した相談者のニーズや信託銀行等からの問い合わせに、難しさを感じている現場の担当者やファンドレイザーも少なくないのではないでしょうか。全国レガシーギフト協会では、過去の研修参加者の皆様からの声や、要望を参考に、今年度「遺贈寄付サロン」を通年で開催することになりました。
各回のテーマに沿って話題・事例提供者にリード頂きながら、遺贈寄付を受けている団体同士の事例やノウハウ、知見の共有、そして、ネットワークの構築を通して、寄付者の方々の思いの実現へ向けて、一緒に遺贈相談の質を高め合う仲間を募集します。
<開催日時とテーマ>(全5回:19:00-21:00)
・第1回:6/19 遺贈寄付を獲得するためのファンドレイジング戦略
・第2回:8/21 遺贈寄付受け入れのための担当者教育・業務フローの構築
・第3回:10/23 遺贈寄付のための広報ツール
・第4回:12/17 遺贈寄付の相談者や関係者への対応方法
・第5回:2/17 不動産や株式など現物資産の遺贈寄付の取り扱い
※日程は変更になる可能性があります。開催の約1ヶ月前にPeatixにて申込みサイトをオープンします。

2.国境なき医師団の遺贈寄付獲得戦略をちょこっと紹介

・国境なき医師団とは?

Webサイトから抜粋

国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、 独立・中立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。1971年に設立し、1992年には日本事務局が発足しました。MSFの活動は、緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的としています。紛争や自然災害の被害者や、貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人びとなど、その対象は多岐にわたります。MSFの活動は、緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的としています。紛争や自然災害の被害者や、貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人びとなど、その対象は多岐にわたります。
MSFは世界各地に37事務局を設置しています。主な活動地はアフリカ・アジア・中東・中南米などで、2017年は70ヵ国以上で活動しました。約4万5000人の海外派遣スタッフ・現地スタッフ・事務局スタッフが世界各地で働いています。2018年、MSF日本は106人を派遣しました。派遣回数はのべ148回で、27の国と地域で活動しました。
MSFの活動は、96%が民間からの寄付で成り立っています(2017年)。また、活動地へ派遣するスタッフの募集も通年で行っています。さらに、活動地の現状報告や患者の方々の声を届ける証言・広報活動も重視しています。

・MSFの遺贈寄付の獲得戦略

国境なき医師団の日本での寄付額は約89億円で、32万人の方より支援がありました。約半分はマンスリーサポーターとなっており、収入の柱となっています。その中で遺贈寄付は12%程とのことでした。

遺贈寄付を獲得戦略は2方向あります。①遺贈寄付を希望する人(Direct Approach)と、②弁護士や司法書士などの代理人やインフルエンサー(Indirect Approach)向けです。

①Direct Approachについては、web広告、パンフレット、セミナーなど行っていることの紹介がありました。その中でも雑誌経由での問い合わせが増えているとのことでした。こうした販促物やイベントの効果測定は、個人情報をとれるかどうかでされているそうです。セミナーは、手間に比べて効果が限定的なので自団体開催はやめたそうです。こうした効果測定と指標設定をきちんとしているのが印象的でした。

②Indirect Approachは、国境なき医師団は毎年遺贈寄付の意識調査を出しているのですが、これによりメディアや窓口となる士業の問い合わせにつながっているそうです。また、遺贈寄付や相続に関するセミナーやネットワークに参加することで、不動産や証券など遺贈寄付に関するサービスを提供している企業との繋がりを拡げています。また、国連UNHCRやワールドビジョン、WWFなどと組んだセミナーや寄付の仕組みを提供しています。

寄付の仕組みの例だと、株式会社Japan Asset Management が提供している、株式の運用益を寄付することができる仕組みです。指定されている5団体に寄付することができます。

もう一例、国境なき医師団は東京の事務所が中心にファンドレイジングをしているので、地方の方とはなかなか接点が持ちにくい状況がありました。その対策として、国際4NGOと社会福祉協議会と包括連携を結び、地域の方でも遺贈寄付を希望する方との接点をもてるように対応を広げています。


遺贈寄付の問合せについて効果があるのが②Indirectの戦略で、遺贈寄付の問い合わせの半分は、これまで接点のなかった潜在支援者だったそうです。よく、遺贈寄付はいきなり連絡がくるラッキーパンチ的な要素があるといわれていますが、それはこうした幅広い情報提供に支えられているものです。

例えば、毎年公開されている遺贈寄付の意識調査です。遺贈寄付の調査内容はどの団体も非公開にしている中で、2014年からのデータを公開しています。そうした貴重なデータを公開することで多くの場所で引用され、そのたびに国境なき医師団の名前が出ることになります。こうした取組みでメディアからの問い合わせが増えることにつながっています。


最後に、遺贈寄付を団体で集める上で大切と強調されたのは、1人ではなくチームで行うことでした。どうしても指名されてしまいがちな個人対応が求められるのですが、人の生死に向き合っていくのはメンタルにきますので、複数人で対応するべきとのことで、そのための体制作りやITシステム整備(salesforce)をされているそうです。

まとめ

ファンドレイザー目線でお話を聞いていて、これはポイントだなと思ったのは以下です。

・単発、継続支援をしっかりと増やしていた上での遺贈寄付獲得

継続寄付者が約半分で、さらに既存の単発寄付者が約25%あります。つまり継続支援者が収入の大半を占めています。こうした普通の寄付をしっかりと管理した上で、遺贈寄付獲得に向けた様々なとりくみへの投資が可能となります。

・他団体とも連携した寄付集め

UNHCRやWWF、ワールドビジョンなど普通に考えると競合団体ともいえる団体さんと連携して新しい仕組みや包括協定などをされています。こうした支援者をシェアする感覚、複数の団体と組むことで支援者側に選択肢がうまれ第三者的な情報提供ができる利点に気づいていることが、遺贈寄付を獲得する上で重要な視点なんだなと思いました。

強い団体が集まって遺贈寄付を独占しようとしている!!と騒ぐ人もいるかもしれませんが、いろいろできた背景を伺っていると、遺贈寄付者や支援者を考える場で担当者同士が知り合って、そこで同じ課題感を持っていたので意気投合し実施に至ったようです。つまり、課題を持って、ネットワークに入り、解決策をメンバーと作り出した結果なのです。

国境なき医師団さんの遺贈寄付のポリシーとしてこれまで不動産は受けていませんでしたが、不動産の売却できるかどうか判断できる専門知識のある不動産業者との連携ができるようになったことで、不動産もうけられるようになったそうです。このようにネットワークをひろげることは、自団体の遺贈寄付獲得の幅をひろげることにつながります。

遺贈寄付を獲得したいと思っている団体さんは、遺贈寄付サロンに入り、ネットワークを拡げるところから初めてください。

・個人情報の管理

遺贈寄付が執行される期間は3年以上と、かなり長いおつきあいとなります。そのため、活動の履歴をきちんと情報を格納し共有する必要があります。遺贈寄付の個人情報は家族構成や資産情報など気をつかわないといけない情報のため、通常の寄付の情報とは分けて管理する必要があります。遺贈寄付担当者や代表、事務局長がログインした場合のみに表示・編集でき、それ以外の担当者には表示されない権限設定が必要です。

こうしたことから、エクセル管理や管理者権限のみでシステムを運用している団体は遺贈寄付を受ける準備ができていないと言っていいです。遺贈寄付を獲得したいなら、そうした運用面にも配慮が必要です。

以上、遺贈寄付サロン1回目の内容をちょこっと紹介しつつ、ファンドレイジングの観点でコメントしてみました。




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今給黎 辰郎

ファンドレイジング関連

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