団体の成長に沿った、身の丈に合ったファンドレイジングとは?【2017AFPセッション】

【2017AFPセッション:Effective Fundraising Innovation Built Into the DNA of Your Organization!】

2017年に全米ファンドレイジング大会(AFP)にて参加したセッションの内容を紹介します。

効率的にファンドレイジングを進化させていくためのノウハウがつまったセッションでした。ファンドレイジングの手法や考え方は多数ありますが、団体の成長合わせた対応をすることで効率的にファンドレイジング力を高めていくことができます。

資料はこちらで公開されています。

私の英語力の関係できちんと対応した訳になっていないかもしれませんが、あらかじめご了承ください。

◆団体の進化(INNOVATE)が必要な理由
様々な環境変化への対応として、積極的に成長を促進させる「攻め」と、今のポジションをキープするための「守り」の2つ側面があります。

・「攻め」の面
 - 収入の多様性
 - 先行者利益
 - 新しい技術
 - 新しい情報
 - 新しいマーケット
 - 支援者の増加
 - 支援者の貢献度合いの増加

・「守り」の面
 - 受益者や関係者の構成の変化
 - 団体が保有する様々な技術の維持
 - 支援者の関係性の維持
 - 経済状況の変化や経済危機への備え

事例がない、リスクが高い、理事の反対、リソースの欠如など様々な進化を阻害する理由はありますが、進化しなければ現状維持ですらできない時代になってきている今、進化しないこと自体がリスクになってきています。

◆ファンドレイジング案を検討する際の評価ポイント
様々なファンドレイジングの手法や考え方がある中で、比較検討し、採用していくための5つの視点が紹介されていました。

1.ミッションをもった活動であるか
それぞれのファンドレイジング案ごとに進化に関係する目標を設定する。アドボカシーに関することや、新しい支援者層へのアプローチなど。

2.中長期の寄付額増に関わっているか
それぞれの案がもたらすLifetime Value(LTV)を算出し評価する。

LTVには以下2つあります
 ①中長期期(3~5年)の寄付額の増加
   Income・・・寄付額、継続率
   Cost・・・寄付者の新規獲得・維持コスト
 ②支援者の生涯寄付額の増加(遺贈、大口の潜在度合い)
 ③中長期の団体の収入増に関わっているか
 ④拡張性
   ・地域を超えることができるか
   ・団体のリソースが拡大するものか
   ・技術的な制約が存在しないか
   ・何度も実施できるものか
 ⑤進化をもたらす新しいアイデアをもたらすものか
  新しいアイデア・サービス・モノに対する関心者層についてInnovators/Early majority/Late majority/Followersで分類される。その中で、Innovators/Early majorityの層への
アプローチが、団体内に新しいアイデアを取り入れる機会となる。
  
◆市場の変化にともなった団体の成長戦略
 ・市場の変化
  アメリカにおいて年齢が高い順番に、「Matures」「Boomers」「GenerationX」「GenerationY」といった層でわかれており、それぞれ人口比率、寄付額が異なる。

年齢が高い層は、現在は遺贈や大口寄付など寄付額が大きいが、人口比率的に減少してしまう。逆に若い世代は現時点においては寄付額は少ないが、進学・就職等で寄付額が増えていく、年ごとの変化を予測し、団体が対象とする支援者を決めていく。

 ・成長戦略
  市場の変化に合わせて、団体の成長戦略を中長期で計画する年を追うごとにカバーする領域を拡げていく。

<1年~2年目>
 1.寄付を拡張するプログラムの実施
 2.寄付に関わらないプログラムの実施
 3.新しい個人支援者層の開拓
<3年~4年目>
 4.新しい支援者に対する寄付プログラムの実施
   ・クラウドファンディングや、イベント等
 5.支援者の多様性拡大を狙ったプログラムの実施
   ・キャンペーン等
 6.新しい市場への進出
   ・異なる地域・国への展開
 7.新規支援者層の開拓
   ・企業や遺贈寄付など
   
◆進化に向けた体制づくり
進化に向けた体制づくりで必要な3点
 1.団体の理事と組織的な支援
 2.カルチャー醸成に向けた活動
  ・部門を超えたファンドレイジングの理解と支援
    ⇒ファンドレイザーは部門を超えた人々と接し学ぶ時間を持つ
  ・勇気ある質問や提案、新しいアイデアやソリューションの実施
    ⇒経営層が質問や提案、新しいアイデアに対応する責任を持つ
  ・新しいアイデアを生むブレーンストーミングや問題解決技法の浸透
    ⇒多くの人と振り返る機会をスケジュールする
  ・失敗が許される環境づくり
    ⇒失敗から学ぶ対応
 3.リソースとツール
  テストとトライは異なる。テストを実施するチームを作成し、テストのガイドラインの作成、目標設定、効果測定などで評価する。助成金や収益金などから、新しいアイデアを実施する事業を行う
 
【まとめ】
セッションを受ける前は、団体の進化(INNOVATE)とファンドレイジングは結びつかなかったのですが、進化の必要性、進化に結びついたファンドレイジング策の評価方法、具体的な団体の成長戦略のステップ、体制づくりの視点を順に説明をうけることで、筋道だてて理解することができました。

イノベーションと聞くと大げさな印象をうけて躊躇していましたが、各種ファンドレイジング策の実施を通じて、支援者や支援を理解し、環境や団体の成長方針に合わせて拡げていくことを、構造的に取り組んでいくことと自分の頭の中で変換できたことは、最大の収穫でした。

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今給黎 辰郎

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