フリーのファンドレイザーとして活動を始めた理由

私は、2018年4月からフリー(個人事業主)のファンドレイザーとして活動を始めました。これまで勤めていた企業やNPOとはフルタイムで雇用契約をしていて、それが普通と思っていました。それが、この1~2年の間でいろいろ違和感というか、自分のやりたい方向性を意識するようになり、今の働き方となりました。その違和感や、方向性をまとめていきたいと思います。

1.このまま10年・20年働き続けたら、稼ぐ力もないのに収入は高いという会社にぶらさがった人生になる危機感

私は2000年~2010年に日本IBMに勤めていました。最初の5年はシステムエンジニアとしてお客さんを持ってお仕事をしていました。また妻も同じ会社の営業として勤めていました。2004年に子どもが産まれたのですが、いわゆる「病児保育の壁」で子どもの看病や早退・遅刻をすることが多くなりました。そこでワークライフバランスをとるために社内スタッフに異動し、研修や人事のお仕事をしていました。定時に帰れたり、早退・遅刻にも対応できることでその面ではよかったです。しかし、当時の会社の方針として、研修はコスト部門だったため年々予算がカットされ、毎年一人づつリストラや部署異動されていきました。また、研修の後の人事のお仕事も、ワークライフバランスが必要な人材が働ける場は限られていて、そうした人は将来のキャリアが描きにくい状況でした。企業にとっては、客先にでれない人や、社内スタッフでも夜間に働けない人材は使えない時代だったのです。当時お給料はある程度頂いていましたが、このまま10年・20年働き続けたら、稼ぐ力もないのに収入は高いという会社にぶらさがった人生になるなと危機感をおぼえました。

2.40歳代で積むべきキャリアへの不安感

2010年に日本IBMからNPO法人フローレンスに、2015年に日本ファンドレイジング協会の2つのNPO法人に転職をしました。そこでは、事務局スタッフとして代表と共に新規事業の立ち上げや運営を行ってきました。0から事業をおこなう経験は新鮮でとても勉強になりました。今の私の、NPO業務における守備範囲の広さは当時のNPOでの経験が活きていると思いますし、なによりファンドレイジングに出会えたことは大きな財産です。

NPOにおける事務局スタッフは、多くのタスクを自分1人でこなす必要があり、かつ自分がやった分だけプロジェクトが進捗します。逆をいうと自分ができないとスピード感が落ちてしまいます。NPOにとってのうりはスピード感ですので、代表や事務局長は当然そうした事務局ワークを「瞬時」に「ある程度のレベル」で「たくさんこなす」ことを要求します。そのため、抑えられた給料のなかで、瞬間対応で、長時間労働をすることになります。そうなると自己研鑽やキャリアを積むといった感覚は無く、きたものを処理し続ける日々となります。これがダメというわけではありません。こうした働き方は中途で入った私は結構好きでした。役にたっている感も感じられるし、NPOならではの社会が変わっていくスピードが感じられる最前線なので、成長とやりがいを感じられる場でした。

40歳を迎えたときに、人生折り返しでこれからどのように働いていくべきかを考えた時に、「処理し続ける日々でよいのか?事務局スタッフで続けていくことでこの後に何が積めるのか?」が一番の課題となりました。そこから、日本のファンドレイジング業界に足りていない、わかりやすくファンドレイジングについて伝える研修や、支援者管理、団体におけるファンドレイジング体制構築等について活動することで、社会的に影響を与えたいと考えるようになりました。

3.フルタイムで働くことの限界

企業からNPOに転職した時、家族と約束したことがあります。それは収入を企業でもらっていた時まで戻すこと。その約束は未だ達成できていません。今の日本において子ども2人の養育費を払うためには、一般的なNPOの給与では無理です、たとえ共働きだとしても。また、介護や育児で時短勤務になったとたん年収300万円を下回るのは将来の介護やひとり親の可能性を考えると収入として心もとないです。結婚や出産を契機にNPO→企業に戻る男性が多いのはこうした現実があります。

NPOにおける定期昇給は微々たるものです。特に活動団体では公平意識が根付いていることが多いので、給与の大きな差は内部の軋轢をよぶため、長い期間をかけて上がっていくことになります。基本的に中間支援の場合も同様ですが、まれにある給与水準が高いところはそれだけ収益事業において多くの収益を生む必要があるので、マルチタスク・長時間労働・ハードワークとなります。ですので人の入れ替わりが早いのはそうしたことが関係しています。

NPO業界にて「ある程度の収入を得る」には、収益性の高い団体の代表や事務局長になるか、専門性を高めて短時間での関わりで一定以上の金額を頂けるようにするしかないのではないかと思います。

4.違和感に向かい合い、行動すると道はつながっていくことを知った

これまで、稼ぐ力、自分がやりたいこと、収入のことなどいろいろなことを考えてきました。日々過ごしていると、「なんか違うな」「このままやっていてもいいのか」「なんかくやしい」などの違和感を感じることがあります。それにひとつひとつ向き合い、行動していくと、時間はかかりますが道はつながっていくものだと思います。

5.スポットでの仕事のニーズの存在

なんだかんだ言ってもお仕事がないと意味がありません。フリーランスになっても仕事があるだろうか・・・と不安になり二の足を踏んでいた時期もありました。しかし、よくよくいろんなNPOにお話を聞くと、仕事のニーズが結構あることがわかりました。例えば、今とても忙しくて取組む余力がないが、3か月間でやってもらいたいお仕事があったり、毎月ちょっとアドバイスが欲しいとか、Salesforceの作業を数時間でいいのでして欲しい等です。1年を超す長期的なものはないですが、こうしたお仕事を組み合わせることで、なんとかなります。フリーランスになる前に、こうした仕事のニーズをある程度発掘することは重要だと思います。

まとめ

フリーランスでファンドレイザーをしていますと言うと、多くの若い人から「私もです!」「それに近い状態で働いています」「来年フリーで働きたいので話聞かせてください」とお声かけ頂くようになりました。あと数年したら結構な割合の人がそうした形態で働いていくのだろうなと実感としてあります。フリーランスで感じたことをこれからも共有していきたいと思います。

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今給黎 辰郎

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