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新たな航海へ/ IMAZINE.Worldはじまります

歩です。

先日ようやく、ようやくバスケ漫画「BREAK THE BORDER(ブレイク・ザ・ボーダー)」が連載再開しました。

去年の春、第1巻が出たと思ったらいきなり打ち切られてしまい、長年ずっとこの連載することが夢だった僕は心がボロボロになり。でも諦める気はひとかけらも無かったもので、じっくりとじっくりと、自分が回復するのを待ってました。

復帰を急がなかったのは、作品を台無しにしないためです。原稿は出来ていたからいつでも再開はできたのですが、パワフルさが必要なこの作品は本当に自分が元気じゃないと描けないので、心がついていかないうちに無理に再開することを避けていました。

さてさて、連載再開に先駆けてプレオープンしていたここ「IMAZINE.World」(イマジン ドット ワールド)について、そろそろお話しようと思います。

▶︎その前に歩とは

Profile
歩(AYUMI)
クリエイター(漫画家/イラストレーター/デザイナー)。1988年北海道旭川市生まれ/東京都在住。

デザイン系専門学校でイラストレーションを学んだのち、ソーシャルゲームのデザイナーとしてキャラクターデザイン・ロゴ・UI・コンセプトデザインなど幅広く手がける傍ら、展示会出展や個展など作家活動をはじめる。2015年フリーランスに。翌年、15歳の頃からあたためていた女子バスケ漫画「ECHOES」で漫画家デビュー。同作の長編版「BREAK THE BORDER」の連載が始まるも1巻で打ち切られ、新たな連載場所として新しく自身のメディア「IMAZINE.World」を立ち上げる。

というわけで今は野良です🐕

▶︎BREAK THE BORDERってどんな漫画?

北海道旭川市の高校女子バスケットボール部を舞台にした青春群像劇で、実際に女子バスケ部を体験した作者(現在は男性として生活)が描いているので、絵も内容も何かとガチ路線です。

<あらすじ>中学最後の試合でのトラブルがきっかけでバスケを辞めるつもりでいた主人公・青(せい)。高校入学後たまたま見かけたチームのエース、飛鳥の渾身のプレーに心を奪われ、再びバスケの道へもどる。

くせ者揃いでバラバラになっていたチームは、青の加入によって変わり始める。仲間たちの絆、飛鳥との恋の行方は──?

この作品は発売当初、「トランスジェンダーxバスケ」という売り文句がつけられていました(青はFTM)。1年経った今改めて思うのは、そこは売りじゃないよねってことです。ただし、良い意味で。

デビューの時からインタビューなどで一貫して言ってきたことですが、人にはそれぞれ周りの人からは想像できない色々な背景があって、それがたまたま青にとってはジェンダーに関することだった、というだけのこと。他の子達も同じように心に何かを秘めていて、バスケとの向き合い方もちがう。僕はそれらを平等に捉えているし、描いていきたいと思ってます。

LGBTだなんだと、分断したくないのです。

現実の世界でもコートの上には色んな人がいて、人種、生い立ち、セクシャリティ関係なく一緒にボールを追いかけています。どんな人が居たっていい。BREAK THE BORDERは、そんなバスケ漫画です。

長くなるので、詳しい作品紹介はまた別の記事で書きますね。

▶︎なぜ、作家がメディアを作ろうと思ったのか

メディア、というよりはZINEに近いものと捉えてます。(ZINE<ジン>:クリエイターが手作りで作る雑誌。自由で野心的な表現の作品が多い)

僕はもともと、自分で道を切り拓いていくということをやりたかった。1巻が出たあとすぐ、改めてその気持ちに気づいていたので、結果的にこうなって良かったと今は思います。

今や原稿料はゼロだし、こっちの道は大変かもしれませんが、"あまり不自由はないが小回りはきかない大船"に乗るより、一からイカダを作って自分で舵をとり、だんだん船を大きくしていくことのほうが、僕はずっと前から興味がありました。

大船に乗ると、その船のルールに従わないといけません。自分の意思に関係なく、作品が握りつぶされてしまうこともあります。僕はこの作品を絶対に最後まで描きたかったので、それは嫌だったのです。

「やりたいことがあったら、ここでやればいいじゃん」という場所を自分で持っておきたかったし、漫画以外にも自分のやりたいこと・出来ることはもっとあるよな…と休載中の内省で気づいてしまったので、この場を作りました。

ずっと、自分にぴったりな場所がありませんでした。ないなら作ればいい。それだけです。

▶︎IMAZINEでやっていきたいこと

メインコンテンツはBREAK THE BORDERの連載です。

でも雑紙をつくるみたいに、他にもチャレンジしていきたいことが色々あります。たとえば…
・BREAK THE BORDERに関連する記事、4コマ
・バスケットボール入門コンテンツ、レポなど
・インタビュー(職業問わず)
・その他バスケ問わず記事、企画

今のところなかなかザックリしてますが、最初から細々と決めきらず、やりながら考えていくスタイルでいこうと思います。やっているうちに、自分の進むべき方向が見えてくるはずだから。

僕が漫画を描いたり発信したりするのは、誰かのきっかけになりたいからです。それが自分の軸でもあります。

だから漫画や自分自身というものを起点にして、ここから何かが始まっていくような場所にしていきたいです。

今、幸いにもバスケ界の方たちとのつながりも少しずつ増え、良い連帯が出来そうな流れが来ているので、BREAK THE BORDERを通して一緒にムーブメントを起こしていきたいと思ってます。大きな夢を言うなら、先々海外へも配信していきたいし(デビュー前からずっと思っている)、この作品の人気が出ることで女子バスケ界にも良い影響が与えられれば、と本気で思ってます。

あと、あれだ、ネトフリでアニメ化もされてほしい(笑)

叶えられると信じているのはたぶん今のところ自分だけですが、こうやって始めたものが何になっていくのかなんて、誰にもわかりません。

大抵のことはたった一人からはじまります。ほぼ日だって最初は糸井さんの個人サイトだった。

IMAZINE.Worldは、何になっていくんだろう?

船(というかまだイカダ)も出来たばかりで、どうなるかもわからないのに、こんなに清々しくてワクワクした気分なのは初めてかもしれません。

ずっとやりたかったことを、これからやっていきます。

まだ流木で作ったような危なっかしいイカダですが、これからも応援よろしくお願いします。

いただいたサポートは、マンガの制作費として活用させていただきます🎨