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2月第4週〜江ノ島水族館〜

圧倒的厄日な1日

メンダコに会いに

 メンダコのあの愛らしい姿を貴方は見たことがあるだろうか。実際に目にしたことのある人はとても少ないだろう。私もそのメンダコを見たことない側の1人であったのだが、メンダコの帽子の購入を本格的に検討するくらいには愛が深い。
そんな感じでTwitterのアイドルメンダコを日々愛でていた私の元へある日新江ノ島水族館、通称えのすいのツイートが流れついた。内容はえのすいでメンダコの特別展示を行っているとのこと。この展示はメンダコが死ぬまでという何とも曖昧なものだったのだが、気づいた時点で既に2週間程経っていた。あと少しで18きっぷが発売、土日なら首都圏はフリーパスがある、そんな直ぐに行くのは少し躊躇うようなタイミングである。そんなこんなでその日から私はメンダコ寿命チキンレースをすることになったのだ。

厄日①

結局予定が空いたのはメンダコ飼育開始から19日が経ってからであった。群馬からえのすいまではそこそこに距離があるので午前中には着けるように朝6時台のいつもの電車に乗る。前日のダブルワークの疲れからかうとうとと車窓を眺め、暇になるとネットサーフィンをするというのんびりとした時間を過ごしていた。東京駅が近くなってきた頃であろうか、そんな私の目に飛び込んできたのは「メンダコ展示終了のお知らせ」である。メンダコ寿命チキンレース失敗。というわけで到着前に目的が消えてしまったのだが、これは厄日の始まりでしかなかったのだ。

えのすい

メンダコが亡くなってしまったことは悲しいが命のことは諦めるしかない。わざわざ人の多い休日に行く意味は無くなったが、賑やかな水族館などこんなことでもないと行かないだろうと自分を奮い立たせてこのプチ旅行を継続することにした。
入館してまず思ったのは子供への配慮とお金のかけ方が他ではあまり見られないレベルだということだ。多くの水槽の前には段差があり大人と同じ距離感で観察することができるようになっている。

踏み台としての段差がある

個人的にとても好きな配慮はショーでのリクエスト方法だ。大水槽の前で飼育員さんがダイバーさんと協力して魚の解説をしてくれるのだがそのリクエストは絵で募集するのである。しかもその絵は水槽に透明なシートを貼ってその上に描くという方法をとっており、名前が分からなくてもいいのはもちろん水槽に描くという貴重な経験ができるようになっているのだ。私も人の少ないタイミングで訪れて描いてみたい。

大人も描いていいらしい

厄日②

この日が厄日であるとはっきりしたのはこれから書く出来事があったからだ。誤解を生まないように初めに書いておくが、現在は解決済みである
 私が訪れた期間はタッチプールでオオグソクムシを触ることができた。端的に言うとそこでオオグソクムシにガブッと噛まれたのである。しかもその後の色々でギリギリヒヤリハットであったのがインシデントレベルになってしまった。
これを書いている私の指にはしっかりとした歯型が今でも残っているのだがおかげで話のネタには困らない。ちなみに解放されるまでの間私の脳内には『実績解除!』の文字が踊っていた。

オススメポイント

コンペイトウ

水族館で写真を撮る人に対する批判をどこかで読んだことがあるような気がするが、その子を連れて帰れるという意味で私は写真が結構好きである。
今回えのすいを訪れた中での1番のお気に入りはコンペイトウの赤ちゃんだ。特段魚に詳しくない私にとってコンペイトウを魚として認識したのは今回が初めてだったのだが、ころんとしたこの形に魅了されてしまった。
大きいコンペイトウも海草に連なっていてそれはそれでとても可愛い。しかし背びれの目立たないこの可愛さは赤ちゃんならではである。

コンペイトウの赤ちゃん

シラス

江ノ島といえばシラスが有名なのは周知の事実であろう。そんな場所にある水族館でシラスが飼育されるのは当然かもしれないが、このシラスはとてもか弱く簡単なことで死んでしまうそう。ある程度の大きさになるまでは水や容器を変えることも出来ない。そのためえのすいでは孵化させた水槽をそのままはめ込む形で日数毎の展示を行っていた。

生まれたてのシラス

毎日クラゲ採取

えのすいでは毎日飼育員が海でクラゲの採取を行い、水槽に入れるという展示がある。もちろん海の状況によっては出来ない日もあるのだが、基本的に年中無休で行われるこの展示は初心者から玄人まで多くの人を楽しませてくれるのだ。

毎日内容が変わる

深海生物タッチ

私が訪れたタイミングでは深海生物タッチというイベントが行われていた。その中には今回訪れた目的であるメンダコも2匹いたのである。他の生き物に比べふにふにしていて裏には吸盤があるその姿は想像以上にタコで驚いた。その後タコを食べる度にメンダコが脳裏によぎるようになったのは多分このリアルさのせいである。

愛しのメンダコ

おわりに

厄日でしかない1日だったがやはり大きな水族館は面白い、の一言に尽きるだろう。カップルや家族連ればかりの中に1人で飛び込むのはとても勇気がいるがマイペースに水槽を眺められる幸せがそこにはある。総合するとまた訪れたい水族館であった。

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