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2月第3週〜秋田〜

1日目

移動のみの午前

久しぶりに朝6時台の列車に乗って向かう先は秋田。1度は訪れたことがあるがそのときは経県値稼ぎの宿泊のためであった。そのため思い出は良いお店のきりたんぽを食べたことくらいである。
そんな秋田に今回行くことになったのは半分が好きなエッセイ漫画で横手の雪まつりが取り上げられていたから、もう半分はキュンパスが発売されたからだ。この2月という時期は18きっぷも期間外であり、観光地に中高生が居ない最高の時期にも関わらずコスパよく移動するのがとても難しい。そんな中登場したキュンパスを有難く使わせていただいた形になる。高崎から秋田までは大宮での乗り換えを挟み約5時間。やはり新幹線は偉大だ。

立たなかったキュンパス

秋田県立博物館

雪まつりは18時からということで私の旅では恒例になり始めている博物館へ行った。秋田県立博物館は駅から比較的近く、バスは無いが十分歩ける距離であった。

勘で歩くと迷う仕様

地図とGoogleマップの助けもあり無事に着くことができたのだが、この秋田県立博物館の素晴らしいところは展示をタダで見ることが出来るところだ。このときは鉱物に関する企画展もやっていたのだがそちらも同様に無料であった。
前提として私は博物館がとても好きであるが歴史系の博物館は特段強い興味をそそられない。これは幼い頃から近所に歴史博物館があったので行く機会が多く自分の中で特別感を持てないことが原因だと思われる。ただ、別に嫌いではないので高校時代日本史の授業を9割方寝たツケだと思って調べながらまわっている。

今回のかわいい子

そしてこの博物館の良いところは学芸員の方との距離の近さである。私が訪れた時には丁度鉱石等が専門の方がいらっしゃって、とても丁寧に1900万年代のことを中学理科の内容を掘り下げた形で説明してくださった。その後比較的長い時間をかけてまわっていたこともあり館内で見かける度に声をかけていただいた。この手厚さは是非とも体験していただきたい。

本命、横手のかまくら祭り

祭り開始の18時に合わせて横手駅へ行く列車はとても混雑しており、降りる際に近くにいたおじいさんの発した「まだ降りるんかぇ……」という言葉が忘れられない。とはいえ行ったのは初日の木曜日であったためそこまで人は多くなかった。

駅から遠い会場は空いていた

今年は珍しく暖冬ということもあり道に雪は無く、かまくらの雪も山から持ってきたものだそうだ。少し道に迷いながら駅から離れた会場へ行くとかまくらは想像以上に町に溶け込んでいた。近くを歩くと小学生が「よったんせー」「おがんでたんせー」と声をかけてくれる。ここで手に入るお金はそこのかまくらの子達で山分けするということで、駅に近い中学生のかまくらは賑やかでそれはそれで可愛らしいのだがこちらはのんびりしたものである。
印象に残っているかまくらは小学5年生の男の子1人、女の子2人が相手してくれたものだ。多くのかまくらでは保護者が人見知りする小学生達を助けているのだがここでは全てを3人で行っていた。祭りのことや秋田のこと、話すのも聞くのもとても上手で「1歳からやってるんです」と1人が言ったとき妙に納得がいった。

甘酒とごま餅を振舞ってくれる

甘酒は黒糖が入っているような誰にでも飲みやすい味で、ごま餅はごまのプチプチとした食感がとても美味しい。なにも付けなくても囲炉裏や七輪で焼いたこのお餅は美味しいので食べに来てほしい。
帰る頃にはすっかりこの3人に絆されてしまい、水神様に手を合わせる段になって願ったことも彼らの幸せであったことはきっと良い出会いだったということなのだろう。

2日目

白瀬南極探検隊記念館

2日目の目的地は金浦にある白瀬南極探検隊記念館である。私は好きな船を聞かれたら「しらせ」を1番に挙げる程には南極としらせが好きだ。その流れでその全ての始まりである白瀬矗のことも結構好きだったりする。秋田にこの記念館があると知ったとき絶対に行きたいと思い、今回ついに訪れることにした。

至るところにペンギンがいる

入館料はたったの300円。小規模ではあるがその金額以上の感動が入ってすぐに感じられた。初めて知る人や彼に興味のない人も楽しめるだろうが圧倒的に分かる人向け。彼が生きていたことを実感できる内容であった。

古さを感じさせない館内
パチパチ音が聞ける南極の氷

私が訪れたタイミングでは自分の他に来館者はおらず全てのアナウンスが私宛という状況であった。全体的に静まり返った静かな記念館であるのも相まって高頻度で驚いていたような気がする。本物や原寸大が多い分リアルさが強く、実際に誰かいるのではないかという気がしてくるのだ。そういう意味では彼を感じるという貴重な経験が出来たのかもしれない。
また絶対に訪れるつもりだがいつになるか分からないということから財布の紐が緩みきってしまい1日の売上の倍額以上を1人で使ってしまったのはここだけの話である。

国外持ち出し禁止に惹かれて買ってしまった

白瀬矗の墓参りへ

金浦駅から歩いて5分程度のところに彼の墓がある。無くなったのは愛知県であるため半分だけではあるが実際に骨が入っている。生家であるお寺の階段を登った先にある彼の墓は手入れが行き届いており、とても眺めの良い場所であった。この位置からでは南極が見えないからなのかは分からないが、丁度向かい合うような形で彼の像もあった。

金浦の町と海が一望できる位置

おやつタイム

記念館で財布の紐が緩みきった私は駅を出てすぐのところにあったお店に寄ることにした。店の外に「しらせまんじゅう」と書いてあるのを見つけてこれは買う必要があると記念館への行きがけから感じていたのだ。

小池菓子舗のしらせまんじゅう

見た目は普通のまんじゅうなのだが桜の葉が入っていることで袋を開けると桜餅のような爽やかな香りがした。中はこし餡がたっぷりと詰まっている薄皮のまんじゅうでとても美味しい。サイズも食後のデザートやお茶請けとしてちょうど良いものであった。

増殖したおにぎり

金浦駅の周辺にはコンビニ等がなく昼食の調達が困難になりがちなタイプの駅なのだが、ここでは駅に併設する形で地元の奥様方がやっている食堂のようなお店がある。

手作り感と安さが良い

どのメニューも安く惹かれるのだが今回私が選んだのは天ぷらうどんとおにぎり2つのセットである。うどんの中ではきつねうどんが好きなのだが生憎無かったのでお客さんの多くが頼んでいたこのセットにした。おにぎりは悩んだ末に珍しいドライカレーと焼肉の2つを選んだ。

シンプルなセット

天ぷらというよりかき揚げに近いこのうどんだが、甘さが抑えられた出汁にかき揚げが溶けて染み込むとても美味しいものだった。駅といえばそばかもしれないが是非ここではうどんを食べていただきたい。
そしてこのうどんはしっかりと量があり、出汁まで飲み切るとそれだけでお腹がいっぱいになってしまった。そこで持ち帰る為に袋をもらったところ「おまけね」「これも食べる?」「4個だと中途半端だから」と奥様方の手によってどんどんと袋におにぎりが入れられていき最終的には袋の中には5個のおにぎりが入っていた。また訪れる約束をしたところで電車の時間となってしまう。旅の終わりに素敵な思い出をくれたおにぎり亭の奥様方にはとても感謝している。

夜ご飯と朝ご飯で消費した

おわりに

今回の旅行はキュンパスを使った1泊2日という忙しい旅行であったが、行く先々で色んな人に優しくしていただいたとても充実感のある旅行であった。次に秋田を訪れる際には男鹿の方にも行ってみたい。

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