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『はんげつであえたら』純藍 レポート

3月17日(日)、菊地真・萩原雪歩twin live『はんげつであえたら』の千秋楽 ”純藍”を現地で見てきました。幸せな気持ちで胸がいっぱいなので、記憶が新しいうちに日記を書いておこうと思います。基本的に記憶ベースで書いていくので、「それ違うよ」という記述があれば教えてくれると嬉しいです。

https://idolmaster-official.jp/live_event/twinlive_halfmoon/


公演については以上を参照してください。この後の文章は色々知っている前提で続いていきます。当然ながら公演内容にも具体的に触れます!

会場である群馬県前橋市は馴染みが深くて、よく遊んでいたので懐かしかったです。というのも、大学時代は高崎で暮らしていて、前橋は近いので頻繁に映画を見に行っていました。
そんな前橋はベイシア文化ホールにて、まずは大急ぎで会場限定CDを確保。

現地に来れなかった友人分も購入
購入特典のステッカーとポストカードは個人的にどちらも大当たり


売り切れが怖かったのでかなり朝早く家を出たのですが、この時点ではCD売り場はガラガラで一安心。「結構並んだりするかな」と思っていたのですが、開場まで5時間ほど時間を余らせてしまい、自治体コラボを見て回ることに決めました。

前橋文学館 雪歩パネル
浅倉杏美さんの直筆メッセージ

前橋、懐かしい…なんて言ってましたが、前橋文学館は今回のコラボをきっかけに初めて足を運びました。朔太郎、詩集買うくらいには好きなんですが、なんで住んでいた時は行かなかったんだろうか……

前橋駅 パネル

前橋駅。今回のキービジュアルで二人並んだパネルは会場内とここだけだったと思います(不確か情報)。やはりこのパネルは人気で、改札を抜けた多くの人が一目散に人だかりを作って撮影していました。
ここで配っていた前橋の案内MAPも凝っていて可愛かったです。
その後は散歩したり、けやきウォーク(最高のショッピングモール)で時間を潰して再び会場へ。戻った時点で開場まで残り30分ほどでしたが、物販は会場限定CD含め全て売り切れていて驚きました。早く来ておいて良かった…!

ベイシア文化ホールにて
衝撃の物販完全SOLD OUT

「感じの合いそうな人がいれば名刺交換したいな…」という気持ちと、「恥ず(笑)」が相殺しあって、結局30分ほど会場裏手の公園でぼーっとしていました。ちなみにその公園、恐らくいつもベンチでお喋りをしているのであろう二人組のおばあちゃんが、異様な法被やTシャツを着た群衆に引きまくって、「なんだ?」とか言い合いながらその場を立ち去っていました。本当に申し訳ない、なんか、それは本当に、申し訳なく思う。

そして15時になり無事に入場。
会場の大ホールは大変に立派な施設で、「真と雪歩が二人きりで、この会場を三回も満席にした」という事実に改めて圧倒されました(詳しい事は分かりませんが当日券が出ていなかったのでSOLD OUTでしょう)。合計のべ6,000人。数字では分かっていましたが、やはり実際に会場を見回すとしみじみ感動してしまいます。

感動といえば、客入れBGMが寄せては返す波の音だったのが個人的にドストライク。ライブ前の高揚した気持ちと、相反するようなヒーリング環境音が共存して、ちょっと異様なムードを形成していました。
モニターに広告が流れる時間もありましたが、欲を言えば一時間ずっと環境音だったなら…! と思ってしまうくらい抜群に良かったです。
思い返せば「客入れBGMを波の音にする」というのが、今回のライブのアティテュードを説明しきっている気もします。うまく言葉にできないけど

https://www.youtube.com/live/TP5dTRg90sA?si=--6zJWV5jYvCm7f4

こちらの動画で開演前の様子を見ることが出来ます(3/19現在)

開演まで隣の方とのお喋りを楽しんだり、波の音に耳を傾けていたらあっという間にその時間はやって来ました。
ライブが始まってすぐの率直な感想は、「見えにくい!」。席が後ろから10列目以内と遠かったからか、ステージを見下ろす角度の問題なのか、真と雪歩が写る透明なパネルに客席のサイリウムも反射しまくっていて、大変見えにくかったです。ステージ上の二人は薄ぼんやりとした亡霊のようで、事前に夢想していた「二人がそこにいるように見える」ステージとはかけ離れていて正直がっかり…。
しかし「そういうもん」と腹を括るのにもそう時間はかからず、反射するサイリウムも慣れてしまえば「二人が星空の中で歌っているようだ…」なんて素直に楽しむことが出来ました。

ここからはライブ本編で特に印象的だった楽曲や場面を、順を追ってピックアップしてみます。
まず嬉しかったのが『待ち受けプリンス』! アイマスPとしての血と、モーヲタの血が何故か同時に沸騰してしまうこの楽曲。MOIW2023でも聞いてはいましたが、今回は真のセリフ部分を聞けて良かったです。
虚を突かれたのが『i』。あの印象的なイントロで会場は大爆発。僕も結構大きい声を漏らしてしまいました。会場で聞きながらしみじみと「好きな曲だなぁ…」と、涙が出そうになりましたよ。
続く『9:02pm』では、「せっかく良い椅子があるのだからバラードはゆったりと聞きたい」と着席。周りで座っている人はほとんど見受けられなかったので視界は酷く遮られましたが、人と人の間からチラチラと見える二人が、なんだか実在感をより高めていました。
「なるほど。よく見えないと、逆に人間に見えるのだな」と得心した僕は敢えてメガネを外したり、最終的には目を瞑って聞き入ったりして二人の存在を強く・強く感じていました。
変態チック・余談ですが、ぼやけた視界では、特に真の膝がかなり生身の人間っぽく見えました。

爆笑したのがその後のMCパート。「群馬では運動会の時、紅組/白組ではなく赤城組/榛名組と山の名前で組み分けをすることがあるらしい」という話題から、客席が「菊地団/萩原団」に分かれて二人に声援を送ることに。
この時点で客席は既にザワザワしていたのですが、MCパートを締める「次の曲でも今みたいに応援してくださいね~!」という呼びかけでざわつきは最高潮に。「え…!? 『紅白応援V』…!? 好きな曲だけど、コンセプトに沿ってなくない!?」とか思っていたお客さん、絶対多いはず笑。
そして数秒の静寂を挟み、流れたのは『The world is all one !!』。客席全体が盛大に梯子を外され、いたるところから笑い声が聞こえましたし、僕も爆笑でした。2,000人が、恐らくほとんど同じことを考えながらズッコケたであろうこの瞬間、僕はライブ全体を通して一番の一体感を客席に感じてめちゃくちゃ楽しかったです。これ、意図的にひっかけたとしか考えられないのですが、純粋に茶目っ気なんでしょうか?笑

そして最高だった新曲『Halftone』。アイドルマスター(無印)の楽曲がリリースされるのは僕の記憶が正しければ2年振り。
最初に新曲のリリースが発表されたときは「こんなに良い思いをしていいんですか」と泣いてしまいました。フルで聞くのは現地が初めてでしたが、本当に良い曲でした。新曲をありがとう、勇気まで貰えた。
「新曲が披露されたということはライブも終わりか…」と寂しくなったけれど、全くそんなことは無かった! 昨年夏のミリオンMRの経験で、ライブの尺としてここで終了でも全然違和感が無かったのですが、これは嬉しい誤算でした。

『Kosmos,Cosmos』デュオを経て、披露されたまさかまさかの5ブランド越境曲『VOY@GER』で会場はこの日一番の大爆発。ここまで徹底的にミリオン曲すら避けていたセトリだったのがより意外性を感じさせましたね。
この『VOY@GER』が個人的に最も印象深い時間でした。というのもリリース当時、僕はこの曲に対して全くピンと来ていなかったんです。むしろ批判的な意見を持っていて……端的に言うとダサいと思ってました。ラップパートのレベルがとにかく許せなくて、「この程度のラップしか出来ないなら最初からやらないでくれ」と思ったのを覚えています。
しかし月日の経過って不思議なもので、この日数年振りに聞いた『VOY@GER』は、「当時の俺は何がそんなに気に食わなかったのか」と心底不思議になるレベルで超絶かっこよかった。もちろん月日の経過だけじゃなくて、会場の良い“鳴り”で聞くことで曲の魅力が増幅された部分は絶対に大きいし、そもそも真と雪歩のデュオバージョンはこの日初めて聞いた訳ですから、そのバージョンが最高だったとか、色んな要因が重なっているでしょう。
とにかく、今までピンと来ていなかった/なんなら嫌いだった曲が、脳内の「好きな曲エリア」に一瞬で引っ張られてきてしまう体験はライブの醍醐味だなと思うし、幸せな現象だと思います。そして一度このエリアに来た曲は、もうずっとそのエリアにいるんです、不思議なことに。

そして本編は終了、アンコールへ。『まっすぐ』は本当に大好きな曲なので、拳を握りしめて帰ることが出来る…と思いました。超ハッピーな雰囲気でライブは終了。本当のことを言えばその場で周りの人とハイタッチしたいような気分でした。

事前に発表されて「どういうこと!?」と思っていたお見送り会でしたが、ここはステージとはまた違い、見慣れたスタマスモデルの二人がモニター越しにお見送りをしてくれました。僕の前にいた男性が真のぬいぐるみをアピールすると、真はそれを指さして「僕のぬいぐるみ~! 嬉しい!」と反応していました。すげぇ……

二人のお見送りを受けて会場の外に出ると時刻は18時。会場前のロータリーで多くの人が空を見上げてため息をついていたので何事かと思うと、そこには綺麗な半月が浮かんでいました。


ライブから二日が経ちましたが未だに幸せな気持ちでいっぱいです。”菊地真と萩原雪歩が二人きりでライブをして『i』を歌っていた”って、改めて振り返っても「正気かよ」ってくらい夢みたいな時間でした。
アイマス(無印)にハマってまだ4年の僕は、どうしたっていつでも全てが後追いで、『i』を、『まっすぐ』を、2,000人で一緒に、同時に噛み締める瞬間が来るなんて思ってもみなかったんです。マジで死ぬほどぶち上がりました。
「同時に噛み締める」で思い出しましたが、実は今回、公演内容自体は事前収録したもの。だから、ステージと客席の双方向性とか、「今、ここ」を共有するリアルタイム性といった、ライブ(LIVE)における非常に重要な要素が欠如していました。しかし、終わってみると本当に不思議なくらい正真正銘ライブでしたね。
なんというか、2,000人が同時に“信じる気持ち”を強く持った時、それは否が応でもLIVEになってしまうのかも知れません。

思い返せばサンリッチはチケットが取れずにライブビューイングでしたから、無印の純粋なライブに参加するのはこれが初めて。本当に、自分の好きなブランドのライブって、こんなに楽しいんですね…。知ってる曲がひたすら披露される、ということがもう新鮮で幸せでした。

そういえば、会場は真Pと雪歩Pばっかりかと言えば、もちろんそんなことは無く、765PRO ALLSTARSを大好きな人達が、それぞれが好きなように最高な時間を楽しんでいました。
SNSを見ていても、不思議なくらい「真と雪歩ばっかりこんなに優遇されちゃってさ、ケッ」みたいな意見は全く目にしません。
そういう僕も担当はやよいだけど、やっぱり13人が、そして小鳥さんも含めて14人が大好きだから純粋にひたすら嬉しいだけです。
そして何となく、真と雪歩のtwin live だけで終わるはずはないって、どこかで信じているから、今は希望を胸に前を向けます。
「今は」っていうのは、本当にほんのちょっと前までそんな希望は全く持てなかったからなのですが……笑

でも今は大丈夫です。信じる。信じて信じて、待って待って、また生活をするのです。
はんげつであえたら で貰ったものを胸にして。

神様を信じる強さを僕に
生きることを諦めてしまわぬように
にぎやかな場所でかかり続ける音楽に
僕はずっと耳を傾けている
耳を傾けている
耳を傾けている

小沢健二『天使たちのシーン』