5 嘘つき自伝 グレアムチャップマン

第一章

☆第一章はグレアムが産まれるところから始まります。人の生い立ちや幼少期の話って退屈なことが多くて、グレアムも書きながら「zzzzz…..」って寝ちゃってます。
原文には注釈にも細かいネタが怒涛の勢いで盛り込まれてて、全てはとても訳し切れないし訳すと面白みが減っちゃいそうなので、ここでは日本語訳の文として読んで面白そうなエピソードを抜粋して紹介しようと思います。
またこれ、パイソンズで一番狂ってる(賛辞)グレアムの自伝ですので、途中でいきなりグレアム作であろうスケッチの世界に飛ばされたりします。そのスケッチはなるべく動画など探してリンク貼っときます。

1944年、ウィグストン、マグナのとある通りにて。
(ウィグストン=レスターシャーにある小さな町、グレアムの生まれたところ)
 9人が乗っていたポーランドの航空機が爆発事故を起こした。爆破の衝撃でその機体に乗っていた彼らを構成する身体のパーツはバラバラになり、そのうちの一つであろう肺が栗の木の低い枝に垂れ下がっているのがハッキリと見て確認できた。そして片足は家の前の芝生に、半戸建て住宅の屋根には丸い穴が。(これについてはバケツに肝臓にしか見えない物体を入れて家から出てくる婦人から後で説明があります)
 ママの手を握っていたおかげか、3歳の小さな男の子(グレアムくん)はそこまでの不安は感じていなかった。パパは警察官としてその場を取り仕切っていて、9つの袋にそれぞれの肉片やらをパズルのように仕分ける作業に腕を鳴らしていた。結局頭は8個しか見つからず、他に疑わしい屋根の丸い穴も見つからなかったみたいだけど。
「ウォルター…」
ママはパパの名を呼んだ。
「すまないね、今は忙しいんだ。おい、その袋はもう両足そろってるぞ!」
これを思い出すといつも心の中で「うわあああ!!!!!」と叫んでしまう。心の外でも「うわあああああ!!!!!」と叫んでしまおうかと思ったその時、ママは僕の手を握ってくれた。
「あなた、今買い物に行ってきたんだけどね、グレアムがこれ気に入るんじゃないかと…」
「わかった、後にしてくれ。誰か頭を見つけた人はいないのか?おい!この通りで頭を見つけた人!頼むから出てきてくれ、誰か持ってるはずだろ!この通りのことは知り尽くしてるんだ、みんなすぐそうやって物をくすねる…いったい生首で何をしようってんだ?」
「あなた、私たち帰ってお茶を持ってきます」
「え?ああ、トーストも頼む、卵が乗ってるやつ。左腕が余るな…誰か左腕探してるやついないか?!」
「卵は無しですよ、戦争中ですもん」
「ハロルドに聞いてくれ。何かトラックの後ろから落ちたぞ!」
「もういいわ、あなた。行きましょグレアム。あんな血生臭いもの見ちゃいけません、何のためにもならないわ」
「えーなんでよママ、人格形成に重大な影響を与える経験になり得るよこれは。うわああああああああああ!!!!!!!」

そして…
☆ここからオスカーワイルドのスケッチが始まります。実際のスケッチやスクリプトと比べると、セリフの細かい部分(完成版スクリプトでは時代考証して古風な言い回しになってたり)がちょっとだけ変わってるから、もしかしたらこの本に載ってるのがグレアムが最初に出したスクリプトなのかも。という妄想。
https://youtu.be/uycsfu4574w

1976年、ニューヨーク、シティセンター(劇場)にて。超満員。モンティパイソンの登場。ジョン演じるウィスラーとマイケル演じるショー。プリンスオブウェールズはテリージョーンズ、そして僕はオスカーワイルドを演じた。酒が切れて次のセリフが思い出せない。劇場の全観客が僕を待ってる。僕もセリフが頭に戻ってくるのを待ってる。肝心なセリフは一向に出てこないのに、過去の記憶ばかりが頭に浮かぶ…。

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個人的なことを少々。

パイソンズ熱というがグレアム熱が再燃してしまったので、持ってないグレアムの本を爆買いしました。イギリスからくるので時間はかかるかも。オッドジョブやイエロービアードのノベライズとか。そんなもん存在してたんかい!…読むの楽しみ。

マイキーの公式ショップでパイソン正伝の本国版も注文しました。ちゃっかりサインもお願いしちゃった。注文の仕方とかサインの貰い方が知りたい、手伝ってほしいって方は気軽にお声かけください。協力します。


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