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3連休・ベトナム サパ モン族の住む村へ

三連休を使いベトナムは中国国境近く、サパという町を訪れた。

この春大学院を卒業し、6年間過ごした北海道を離れ、私と友人は共に東京での社会人生活を始めた。

北海道の生活に慣れてしまっていた私たちは、忙しない東京の生活に早くも疲弊し、勢いで安かったベトナム行きのチケットを購入。

ハノイに到着してすぐ、観光することなくサパへ直行。
初めてのベトナムなのにハノイをすっ飛ばすことに抵抗のない友人に感謝しつつ、サパ行きの寝台バスへ。

5時到着のはずが、3時半に到着。
バスで寝かせてもらえるかと思いきや、あっけなく降ろされる。
田舎なのでお店はやっている訳もなく、かろうじてソファが数台ある薄暗いラウンジで仮眠を取るも、運転手に起こされてから目が冴えて眠れない。

日も出たのでそろそろと動き出し、朝ごはんを探しに街を散策。ローカルなお店がたくさん並んでいる。

目についたお店に入り食べたフォーがなんとも美味しく、忘れられない味となった。

朝ごはんに食べたフォー
すごくシンプルなのに、忘れられない味

朝ごはんを食べた後はガイドとの待ち合わせ場所に向かった。

この旅の目的はサパに住む山岳民族、モン族の村を訪れること。
サパ自体にはモン族の他にザオ族、タイ族などが住んでいるそう。

今回はモン族の方が案内してくれるツアーに参加。

中心街から歩いて20分ほど
棚田がどこまでも続いていた
サパの夕暮れ
異国なのにどこか安心感の感じる場所だった

ツアーはサパの中心街からスタートし、一番大きな村まで歩いていく。
サパの中でも大小様々な村が存在し、一番大きな村は3000人ほどのモン族が住んでいるそう。思っていたよりも多くて少しびっくり。

サパの村々では歴史的に男性が尊重され、女性は農業を中心とした家業に勤しんできたそう。
確かに中心街へ売り込みに来ていたのは全員女性と子供だけだったな。

一緒に歩いてくれたモン族の人たち

冒頭でも書いたがサパは中国国境に近い場所にある町。
若い女の子を誘拐していくこともしばしばあるが、こんな山の中に警察が来るはずもなく、気づかれないまま帰ってこないと言っていた。

美しい棚田を歩きながらそんな話を聞いて、ガイドさんにはどう反応していいのかわからなかった。

その夜泊まった宿は、村出身の女性のオーナーさんの(この方はモン族の衣装は着ていなかった)が家族と一緒に切り盛りしている場所だった。

夜は他の宿泊者と一緒に、作ってもらった郷土料理をいただきながら、オーナーさんの生い立ちを話してもらった。

「10代前半歳で結婚し、子供を産んだ。男性が偉いとされ、働きづけなければいけない生活があまりにも辛かった。」
「私は村ではじめて離婚した。幸いにも両親は離婚をサポートしてくれ、今こうして暮らすことができている。」
「昔は笑うことさえできなかったけど、今は心から笑うことができている。」

オーナーさんは、想像を絶するような日々を過ごしてきたはずなのに、今こうして笑顔で自分の話を初めて会った私たちに共有してくれた。
自分の語彙が貧しく、表現できないのが悔しいが、その話を聞いただけで、彼女の強さと優しさを強く感じた。

麻の茎をほどいて服に使う糸を作っている様子
出来上がった記事にカラフルな刺繍を施す
インディゴで染めた麻の生地
干して染めてを繰り返し、色の違いを出していく
糸になる前の麻の茎
想像以上に大きくて驚いた

一泊しかできないのが名残惜しかったが、村を出てインドシナ半島最高峰、ファンシーパン山を観光し、サパを後にした。

なんだか三連休とは思えないほど濃い時間を過ごした気がする。
帰国前の休憩のためだけに予約したハノイのホテルのオーナーには、「滞在5時間?いいけど…本当に帰るの?」と心配されながら、空港に向かった。

明日にはまた満員電車に揺られ、納期に追われる日々が始まる。

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