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【立命館守山中学校・高等学校】デジタル保健室を開室します!

こんにちは。
インパクトラボの上田です。

この度弊法人では、立命館守山中学校・高等学校と共同で、学校にある保健室やサポートルームをメタバース空間に再現しました。本noteでは、その取組の背景を今回の記事では紹介します。

デジタル保健室とは?

デジタル保健室は、メタバース空間上に再現した立命館守山中学校・高等学校の保健室やサポートルームのことです。

保健室のデジタルツイン

私たちはこのデジタル保健室で、メタバースや生成AIなどのデジタル技術を活用し、保健室やサポートルームを、できるだけ多くの生徒にとって居心地の良い場所に変えることやスタッフ等への相談のハードルを下げることを目指しています。

学校に行きづらい、人前で話すのが苦手などの不安を抱えている生徒は、メタバース上で自分の分身であるアバターとなり、同じような問題意識を抱える仲間などと出会うことができます。メタバースでの登校は自宅からなど場所を問わず、学校に行きづらい生徒でも登校が可能になります。また、生徒は匿名で相談することでプライバシーが守られ気軽に相談でき、生徒同士のコミュニケーションの活性化も期待できます。

サポートルームのデジタルツイン

リツモリのデジタル保健室のどこが特徴なのか?

ここでは、「メタバースの教育現場での活用」「デジタル不登校支援」の2つの文脈で整理してみました。

まず、メタバースの教育現場での活用についてです。

例えば、通信制教育をアップデートした事例として、N/S高等学校があります。最近では滋賀県でも中学生の進学の選択肢として、N高などが出てきた印象があります。

香川県高松市では、他にも離島の問題を解決するためのプロジェクトがあります。このプロジェクトでは、メタバースと呼ばれる技術が活用されています。メタバースは、学習の一種であるPBL(Project Based Learning)にも積極的に利用されています。

このように教育現場では、デジタルネイティブな子どもたちの強みを生かした活動が展開されています。

また、私たちがこれまで立命館守山中学校・高等学校の生徒、卒業生、教職員で作ったメタバースオープンキャンパス「メタモリ」も1つの実践事例とも言えます。

次に、デジタル不登校支援に目を向けると、メタバースが注目され始めた時期から、自治体やNPOがデジタル活用に取り組み始めています。

例えば、さいたま市教育委員会が提供する「不登校等児童生徒支援センター(Growth)」は、大企業と自治体が取り組む例として、直近で注目が集まっています。

また、立命館大学出身の水瀬ゆずさんが代表の一般社団法人フレプラが実施する「メタバース不登校学生居場所支援プログラム」通称「ぶいきゃん2023年度全国」も事例の1つです。

このような「デジタル不登校支援」は、学校への行きずらさを抱えている生徒に対して、『不登校』とレッテルを貼ってしまうことで、かえって学校に行くことができない生徒として位置付けられてしまわないかという不安の声があります。他にも、個別の学校がそれぞれ学校への行きずらさや馴染めなさを抱えている生徒に対応するなど、教職員が生徒とオンラインで繋がることが理想であるが、予算面で現実的ではないと状況です。

私たちが取り組んでいるデジタル保健室は、「メタバースの教育現場での活用」とは、オンライン授業や部活動への多くの生徒を対象とした違いがあります。

そこで、今回の立命館守山中学校・高等学校のデジタル保健室は、あえて実際の保健室とサポートルームをメタバース上に再現することで、約1,600名いる生徒たちが見たことがある、そこにいる生徒を知っていると安心感のある状況を作ります。さらに、コロナ禍以降に保健室に通う生徒が増えている状況を踏まえ、このデジタル保健室にどのような生徒が、どのくらいの頻度で、どの程度利用してもらえるかを今回の体験会で明らかにしたいと思っています。

メタバースオープンキャンパス「メタモリ」の実践から

先ほどの事例でも取り上げた「メタモリ」は、新しいコミュニケーションツールとして、高校生と大学生、さらには教職員が一緒になってオープンキャンパスをメタバース上で再現するプロジェクトとしてスタートさせました。

2022年度は、学校説明会や文化祭で体験会を実施しました。しかし、VRゴーグルの操作に苦戦する方もおり、運営面での課題も浮かび上がりました。その中で、養護教諭の山村和恵先生からメタバースを保健室で活用できないかという相談があり、これがデジタル保健室プロジェクトの発端となりました。

2023年3月のNHK大津放送局のしがばなでの放送を経てから、プロジェクトが本格的に加速し、山村先生や生徒たちとのアイデア出しやVRゴーグルの体験会などを実施してきました。その間に、立命館守山中学校・高等学校では、メタバースを通じて保健室とサポートルームの再現化を進め、生徒たちが安心して利用できるように工夫してきました。

保健室で意見交換をする様子

最後に

今回のデジタル保健室の体験会やヒアリングを通した生徒の皆さんからの意見を踏まえて、デザイン面や運用面などの改善を行っていきたいと思います。さらに、立命館守山中学校・高等学校をモデルとして、多くの学校がデジタルを活用した保健業務の改善や発展をしていく土台になる実践事例となることを期待しています。これらの結果については、改めてnote等で報告させていただきます。

ここまで、ご覧いただきありがとうございました。

インパクトラボでは、SDGsのスローガンでもある「誰ひとり取り残さない社会」の実現に向けて多様なステークホルダーの皆さんと一緒に活動をしてきたいと思います。


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