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シャッタースピード1/50の魔法

こんばんは、さいです。

ブレのない綺麗な写真ってどうやって撮ってるんだろう。
そんなことを昔考えていた時期がありました。

今回は写真のブレについての話をします。

ブレてない写真って大事ですよね。わかります。
じゃあ、ブレてる写真は悪ですか?
僕は、スナップ写真においては悪ではないしむしろ良い効果をもたらすと思っています。
では、どんなときにブレが良いと感じるのか自分の写真を振り返ってみました。
そしたら、ある1つの共通点がありました。
それは意図してブレを意識しているか否かです。
拍子抜けですかね。でもそのくらい単純なことなんです。
撮影時に様々なブレを考える、だけじゃなくて僕は撮影の前の設定時点でブレについて考えています。どういうことか解説します。

僕の撮影時のカメラ設定は基本シャッタースピード1/50が下限になるようにしています。多くの人は1/100以上が多いのではないでしょうか。
僕はこの1/50という速さをかなり意識的に設定しています。ここにはいくつか判断基準がありました。
まずは、自分がカメラをしっかり構えたときにギリギリ手ブレをしないのが1/50でした。(50mmレンズ使用時)
メインカメラである手ぶれ補正のないSIGMA fpでもこの数値です。(手ぶれ補正があるカメラでも1/50です。)
次に被写体ブレの塩梅です。これが一番大事です。
1/50という値は自分の経験上、被写体ブレ(特に人物撮影)が起きないときと程よく起きるときの2パターンが撮れるギリギリのラインだと考えています。
また、ISOの上限を1600にすることで夜でもこの1/50というシャッタースピードを活かすことがかなり多いです。

このような観点から1/50をシャッタースピードの下限にするようになりました。
そのため室内や夕方、夜のスナップ撮影をするときは無理にISOは上げず、あえて1/50で撮ることが多いです。

ではなぜこのような微ブレの起こる可能性がある設定を意図的にしているのかについてお話します。

その前に、、写真は別の言い方でStill(静止画)なんて言いますよね。自分もかっこつけるときこのような言い回しをしてます。笑
静止画=止まっている画ということなのですが、僕の思う上手い写真の1つにストーリー性という要素があります。
ストーリー性のあるものは、写真に深みを与え鑑賞者の心に響きやすくなると自分はよく思います。
ですが、写真は当然ながら動きませんよね。静止画の中で撮影者はどうストーリーを付与していくのかいろんな方法を考えると思います。
一方で映像はどうでしょうか。当たり前ですが動きますし、被写体なんかが止まって見えないようシャッタースピードを遅くして撮りますよね。
この微妙にブレた映像というのは人間の目でみる残像の残り方と似ているため、違和感をなくすためにしているのですが、重要なのはそこではないです。
重要なのは、私達はブレを綺麗と当たり前に評価しているということです。
つまりブレを活かした写真もまた美しく、今にも動き出しそうなストーリー性を付与するため、鑑賞者にストーリーを考える余白を与えることができます。

では、ブレを美的観点から考えるとどうでしょうか。
まずはブレた写真を丁寧に現像していくと意外にパッと見の印象が良いと思ってしまうのは自分だけでしょうか。

撮影: GR IIIx

意外と悪い印象はないんじゃないでしょうか。
ブレている髪の色合いが美しいと感じます。
そして被写体の横顔にはややピントが合い、輪郭が強調されています。

では、何でもかんでもブレれば良いのか。いいえ、それは違います。
きちんと明確な意図を持ちましょう。

ブレを活かすときの考え方として、その被写体がブレたことにストーリー性(意味)があるかどうかをよく考えましょう。
例えば、あなたがカフェで新商品の撮影を任されたのに、その商品をブレて撮影したらそこにはなんの意味もありませんよね。その新商品をきちんと美味しそうであると伝えるのがその時撮る写真の意味です。
では次に、上記の作例を例に考えると、このときは特に指示はなく自然体として動いてもらいました。そのためこの動き自体も被写体の行動のストーリーとして活かせると感じシャッターを切りました。
このように人に限らずブレた対象に、ブレた意味が明確にあることが重要です。

さいごに

ブレを肯定的に捉えることを良しとするかは、ぜひ一度ブレた画を丁寧に現像してから再度判断するといいと思います。
自分にとってのちょうどいいブレを生み出すのは1/50というシャッタースピードの値でしたが、これは人によって異なると思います。自分の好きなブレ方を探してみるとより好みな写真が撮れるのではないでしょうか。
以上、写真のブレについて考えるでした。
最後まで読んでくださりありがとうございました。


以下、自分の1/50の作例です。

ブレがあることで被写体が止まっていることの意味を強調
The・疾走感
ブレた色ってなんか素敵
歩いてる感
帰り途中というストーリー性

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