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作家の眼「高橋 秀―気への形象」展(京都市美術館)

(画像は展覧会のフライヤーです)

(この記事は全文公開の投げ銭制記事です。また、I my me gallery blog  にも同じ記事を載せております)

本日6/15、京都市美術館にて作家の眼「高橋 秀―気への形象」展を鑑賞しましたので感想を書きます。この展覧会は6/22まで京都市美術館で開催中です。いま詳しい内容や批評を読みたくない人はここから下は読まないでください。


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梅雨の晴れ間の日曜日、そろそろ絵を描くだけでなくて美術鑑賞もしたいなあと思っていたところ、最寄りの駅前で1つのフライヤーが目についたのでそれを1枚もらって、今日行くことにしました。

今回鑑賞したのは高橋秀(1930-)という画家の展覧会。1961年第29回独立美術協会展で独立最優秀賞を受賞し、さらに安井賞も受賞したのですが、イタリアへ留学してローマで約10年過ごし、独自の表現を確立したそうです。

展示されていた絵で気になった絵についてつらつらとメモしておきます。

「波頭―立ち上がる(金)」「波頭―這う(銀)」は対になって展示されていて、金と銀の波頭が輝き、でも品のある作品でした。金や銀を下品にならないように作品に使ってみたい私としては参考になりました。

そして「環」も、緑や銀などの波のような形の上に大きな黒い環が浮かんでいて、そのなんともどっしり構えた雰囲気がいい感じでした。

「日月図―潮暦(うしおのこよみ)」は、やはり画面下部の波のうねりに粘りのようなものがあり、大きな黒い太陽、銀の月が迫力があって見え、今回見た中で私がもっとも気に入った作品です。

また「蒼」「遠野」といった主に緑色の絵具を散らして叢のように表現した作品は、バックの金や銀とも合って渋い感じが良く、これまた勉強になりました。

この展覧会では展示順が2013年の最近作からさかのぼるようにたどっており、私の気に入った作品は2000年代後半の新しい作品が多かったです。

それ以前の作品では「鏡の中の花嫁」がいいなあと思いました。高橋秀の作品は様々な展開を見せ、その中にフォルムの追求からエロスへの展開もあったわけですが、エロスの肯定のようなものを私が感じたのは「鏡の中の花嫁」でした。バナナが積まれたような曲線の連なりをもつ白い色面に、ほんの少しピンク色が色づけされていて、明るく優しいエロスを感じました。

今後も活躍してほしい作家の展覧会でありました。


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