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個人の事業を守る方法~知的財産権について~

こんにちは!Office LiNQ片貝舞です。

皆さんは、知的財産権という言葉をご存じでしょうか?
特許庁HPによると、「人間の幅広い知的創造活動の成果について、一定期間の独占権を与えるようにしたのが知的財産権制度です。知的財産権は、様々な法律で保護されています。」と書かれています。

著作権という言葉は良く耳にすると思います。これも知的財産権の一つです。その他にも特許、商標などは聞いたことあるのではないでしょうか?

知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つが産業財産権と呼ばれ、事業を営む上で非常に重要な権利となっています。
詳しくは、特許庁の説明をご覧ください。

https://www.jpo.go.jp/system/basic/index.html

実は最近、創業後の事業者さん(Aさんとします)の支援をしていて、この知的財産権が大きなトピックとなったので皆さんにシェアしたいと思います。

生地で特許出願?!

Aさんはアパレル商品を企画~販売する事業を開始しました。自社で工場は持ち合わせていないので、協力してくれる工場を見つけ、製造をお願いしています。Aさんはこの商品を作るには特別な生地が必要であると考え、独自の生地を生地メーカーとともにつくることにしました。
2年かけてAさんオリジナルの生地をつくることに成功しました。その生地で商品を生産し、無事販売に至ることができました。

Aさんの課題は販売力です。せっかく生地から時間とお金をかけてつくったわけなので、その分を売上で取り返さなくてはなりません。しかし、試算してみると、その商品在庫全てを販売したとしても思ったよりも利益を上げることができない計算になってしまいました。じゃあどうしよう?と、私もAさんと一緒に考えてみることに。

そこでご提案したのは、最終製品を作るだけではなく、生地を販売することでした。オリジナルの生地で、クオリティも良いとなれば、ニーズがあるかもしれないと考えたのです。
生地を販売するメリットは最終製品をつくらなくて済むので、製造コストを大幅に抑えられるということです。また、手離れが早いので最終製品をつくるよりも早いスパンで次々に販売することができます。
一方でデメリットもあります。Aさんがつくりたかった製品とは方向性の違う製品が出来上がってしまうリスク、最終製品ではないため利益率が低いことが挙げられます。
とはいえ、最終製品を全くつくらないわけではないですし、生地の段階で羽ばたいてくれると可能性が広がっておもしろそうだね、という話になりました。

ここでようやく本題です!知的財産権の問題を私はAさんに投げかけました。
生地をAさんのオリジナルであるということを主張しておかないと、生地を販売し始めた場合に真似されてしまう恐れがあることを伝え、弁理士の方とともに面談をすることに。

弁理士の先生によると、特殊な編み方、織り方をしている場合は特許出願できる可能性があるとのこと。または生地が特殊な見え方をする場合(柄や立体的な凸凹)は意匠出願ができる可能性があるということでした。

これと併せて、商標の出願についても聞いてみることに。
商標は、いわゆるマークやその読み方について独占できる権利ですが、Aさんのブランドロゴとその読み方を「生地」として出願することで生地の名前に同じ名前を使われることを回避できます。これも大事!ということで早速生地の製造工程や柄について特殊な部分がないか探ってみることにしました。

まだ途中経過なのでここまでしかシェアできないのですが、私自身もすごく勉強になったのでぜひ記事にしたい(生地だけに)と思い、書いた次第です。

知的財産権は大手企業だけに限ったこと?

特許とか意匠とか商標とか、そんな難しいことは大手企業がやることでしょう?と思っていらっしゃる方。逆です!むしろ個人事業主や小規模事業者の方こそ大手企業に権利を取られないように、真似されないように自分の事業を守るべきです。
心を込めて考えた屋号、ストーリー性のあるロゴ、時間をかけてつくったオリジナル製品。あらゆるところに事業者の愛が詰まっています。それを他者に侵害されないためにも、知的財産権、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

中小企業診断士も一応、知的財産権については学ぶのですが、浅く広くの知識なので重要性を私自身あまり認識できていませんでした。弁理士の方とお話をして、創業者こそ知的財産権!!と思うようになりました。

これを読んでいる方の愛あるロゴや屋号や商品がどうかしっかり守られて生き生きと羽ばたいていくことを願っています。

それではまた!


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