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個人事業主の働き方~緩く働くのってあり?なし?~

こんにちは!Office LiNQ片貝舞です。

昨日とある美容室の支援に行ってまいりました。
この美容室は自治体の創業支援制度を活用しています。その制度には中小企業診断士の定期サポートを受けられる特典がついていて、3年間私が支援担当をすることになっています。

その方の創業支援を始めてから2年が経ちました。半年ぶりの訪問でしたが、なんだか事業者さんの顔が穏やかになっている気が!

ヒアリングして、納得しました。
「最近の来店数はどうですか?前年度に比べ変化はありますか?」
「はい。むしろ減らしてみました。創業1年目のときは頑張りすぎて、全く余裕がありませんでした。なので今年は接客と接客の間を長めにとったり、営業時間を1時間短くしてみたりと、自分に余裕が持てる働き方を模索しているところです。こんな働き方でも大丈夫でしょうか?」

それに対する私の答えは・・・

「もちろん大丈夫です!!大正解だと思います!」でした。

1年目の事業者さんは念願の自分のお店を立ち上げるということで、とても張り切っておられました。その気合が予約の入れ方に表れていました。インターバルなしに営業時間パンパンに予約を受け、週1回の貴重な休業日には研修に通うというスケジュール。私との面談も時間がないというほどに忙しい日を過ごされていました。

働き方の見直しから得られる効果

正直、このときの事業者さんの様子を私は少し心配していました。「この働き方で事業を継続していくことができるのだろうか?」と。

私が心配していたのは体力面(健康面)だけではありません。
個人事業の継続というのは、事業者自身が健康であることが大前提ですが、お客様や周辺の環境の変化についていくことがとても重要です。

創業当初に計画していたメニューだけで何年も続けていても、いずれお客様に飽きられてしまう、またはお客様のニーズが変化してメニューが好みに合わなくなる、などの変化が生じる恐れがあります。そして、この変化を捉えるには「振り返る時間」が必要です。
今回の事業者さんが創業1年目のとき、その時間がありませんでした。ということはつまり、計画と実績の間にたとえギャップがあっても振り返らず突き進むしかないということです。これではいつかお客様が離れてしまいます。

この事業者さんに一番必要だったのは「振り返る時間」だと思います。そしてこの方はそれに気づき、働き方を変えていきました。

そして今、新しいメニューを考案中とのこと!本当に良かった!ターゲットの見直しも併せて行っているとのことで、「振り返りの時間」の大切さを改めて感じた面談でした。

個人事業主が緩く働いても大丈夫?

事業者さんは、「働き方が緩くなった」ことで経営を見直すことができました。しかし一方で、こんな働き方で合っているのか?不安にも思っているようでした。

個人事業主が働き方を調整するとき、考えるべきポイントがあります。もし融資を受けている場合、利益から返済額を差し引いた額で生活できるかどうか。生活できるのであれば、問題ありません。しかし、生活できないのであれば働き方または経営方針を見直す必要があります。融資を受けていない場合も同様、売上から費用を差し引いた利益で生活できなければ当然問題ありです。

働き方を見直すということは、例えば営業時間を長くしたり、一度に対応する人数を増やしたり・・・。経営を見直すということは、利益を上げる努力をすることです。例えば、売上高を上げるために客単価を上げる、または来客数を増やす等。売上を上げるのが難しければコストを下げることも考えます。原価を下げる、無駄な経費を見直す等がありますね。

この記事を読んでいる方は当然のことを言っているなと思われるかもしれません。そうです。当然のことなのです。でも、自分で経営しているとこれが分からなくなってしまいます。

やっぱりそういう意味でも「振り返りの時間」は確保しておくべきだと、私は思います。

自分なりの働き方を見つけたこの事業者さんを私はとても尊敬します。今後出会う創業者の方々にも、創業時に思っていた働き方に固執せず、柔軟に変化できるような人になってもらいたいです。今後そのような支援をしていきたいと思っています。


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