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ぼくたちはきっかけさえあれば、人とつながれるし、人と仲良くなれるし、暮らしを楽しむことができる

長野市門前のKANEMATSUで開催されたイベント『阿部守一長野県知事とともに語ろう信州の未来in長野』に参加してきました。
テーマは「ちいさな店、ちいさな会社が生み出す、まちの魅力」。

編集室いとぐちの山口美緒さんのコーディネートだけあって、参加者がとても多彩で魅力的な人ばかりでした。

皆さんの話がどれも興味深かったので、備忘録的に。
(自分が話しすぎてしまい、全体的な時間が足りなくなってしまって本当にすみませんでした…)

NPO法人 Happy Spot Club ごちゃまぜカフェ( 亀垣嘉明さん)
年齢や障がいの有無にかかわらず、みんなでコミュニケーションを楽しむカフェを千曲市に開設。
福祉施設ではなく、カフェにしたことがよかった。
カフェに行けば何かある。人と人が出会える場になった。
『引きこもり部屋』もつくったりして、とにかく来れればいいじゃんと思っている。
小さなたまり場、水がゆるむ場所のような、そんな場が多様にあるのが大切と思うようになった。

ごちゃまぜカフェ
http://gochamaze.happyspotclub.org/

1166バックパッカーズ(飯室織絵さん)
長野市西町でゲストハウスを営んでいる。
宿泊者には長野に憧れていたり、いずれ長野に移住したいと考えている人もちらほら。
でも、実際に長野に移住すると、移住する前の行政のバックアップはけっこうあるが、移住後の暮らしのバックアップや人をつなげる仕組みがない。
1166では『移住よもやま話』というイベントで移住者が集まる場をつくっている。
移住したばかりの人も、移住歴十年の人もとにかく集まっておしゃべりする。
移住者が集まると「土日、何してる?」という話によくなる。
私が彼らの問いに応えられなくても、「こんな人いるよ」といった感じでパスを渡す役割を担えればいいと思っている。

(金工作家・角居さん)
自治というと閉じた印象があるけれど、今求められているのはもっと流動的にパスを渡しあえることのように思っている。
それができているのがおちゃまぜカフェや1166じゃないでしょうか。

1166バックパッカーズ
http://1166bp.com/


シーンデザイン建築設計事務所(宮本圭さん)
長野市内も空家が増えているが、空き地も増えていて、荒れ地になっている。
荒れた空き地を畑にするプロジェクトを始めた。
一緒にプロジェクトを進めている信大教授が西長野に移住して、空き地の雑草対策に子ヤギを飼いはじめた。
(名前はゼンちゃん。善光寺のゼンちゃん)
(最初自分は動物を飼うと匂いなどで周辺に迷惑がかかるんじゃないかと心配していた。振り返ると老いたなと思った)
そうしたら、子ヤギを懐かしがる老人や子どもたちが集まりはじめた。
子ヤギが脱走したらご近所が一緒に探してくれるようになった。
教授は移住したばかりなのに、知り合いがとても増えた。
子ヤギを飼うことで匂いなどのクレームがあるかもしれないが、それ以上に人が集まる。
コミュニティ形成になるということを評価してほしい。
子ヤギを飼うことは経済的な持続可能性を考えてのことではないが、そういったムダなことの中にコミュニティを生む何かがあると考えられるし、ほめるということが行政と市民との関係性構築かつ参加にもなると思う。

シーンデザイン建築設計事務所
http://scenedesign.jp/

中条アートロケーション《場》(金属造形作家・ 角居康宏さん)
旧中条村にオープンな工房を作った。
今、社会の指標は経済になっているが、指標を「経済」から「面白い」に変化しても成り立つんじゃないかと思いながら取り組んでいる。
表現活動をしている人々が、長野市中心から市外地に移り住む流れはすでに生まれているが、それをゆるやかに進めていきたい。
徳谷柿次郎さんが模索している移住100人計画についても、中条村の古い支所を使ってできないかと考えている。
いきなり移住はハードルが高い人でも、旧支所で仮暮らしできたりすれば入りやすいのではないか。
「面白い」を軸にした人100人が中条に住むと、びっくりすると思う。

中条アートロケーション《場》
https://greenfunding.jp/showboat/projects/2129

駅前マルシェ・駅前カフェ和・学び舎かなえ(駅前テラス・ 安部映樹さん)
学習塾、カフェ、マルシェを川中島駅前にオープンした。
(川中島駅から徒歩二百三十歩!)
ほぼ何もなかった駅前に登場したことで、子どもも親も、周囲の大人も集まり、人が集まるようになった。
(中学生は思春期的に場に関わろうとしなかったりしないか?の質問に)
学習塾とカフェが一体となっていることで、子どもと大人の場が混在しているのがとてもいいと気づいた。
夜になると大人はカフェで酒を飲み、塾にきた子どもたちはその隣で夕飯を食べている。
大人と一緒の場にいると社会勉強になるし、それがとてもいい。
カフェでの子どもたちは注文やドリンクも自分のことは自分でやるようにしている。
飲食業に興味をもつ子どもも出てきた。
開業では補助金に頼らないように考えて、床貼りなど自分たちでできることは自分たちでやった。
行政のサポートは開業時にはけっこうあるが、オープン二、三年後の本当に苦しい時期や、ステップアップしたいときに活用できる補助金がないなあと感じている。
この仕事を始めて、今はとにかく楽しい。それが嬉しい。

駅前テラス
https://ameblo.jp/kawaekiterrace

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どの話も共通しているのは「場をつくっている」ということでした。
そして、「場」は物理的なものとは限らないという発見。
(ヤギだっていい)
そして、ぼくたちはきっかけさえあれば、人とつながれるし、人と仲良くなれるし、暮らしを楽しむことができるという当たり前のこと。

暮らしを楽しむということはもしかしたら「余白」の中にヒントがあるのかもしれないな、と思いました。

余白がそこここにある町。
余白と余白をつなげていく人々や場やヤギ。

そんな町に住みたいなあ。

(写真は学び舎かなえさんからお借りしました)

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