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Web問い合わせの「質」をA社様はなぜ変えられたのか。

Webサイトリニューアル前は「製品の金額を教えて」「部品壊れたので見積もりください」といった連絡しか来なかった設備系製造業のA社様(しかも受注にならない)。リニューアルして4年経った今では「◯◯をしたいのですが御社の何を導入するのが最適でしょうか」「GX推進で工場の電化を計画しています。良いご提案はあるでしょうか」といった相談が毎日のように届くようになりました。しかも国内の大手企業から。

最大の成果は「相談相手」として見られるようになったこと

問い合わせの件数が20倍以上になったのも成果ですが、最大の成果はユーザーから「相談相手」として扱われるようになったということです。営業に携わる方なら実感すると思いますがこれはめちゃくちゃ大きな変化です。

金額からスタートする問い合わせは最終的に金額が焦点になります。より安価な競業がいたら当然そちらが選ばれるし、値引き交渉も当然のようにあります。一方、相談相手として扱ってくれるユーザーは「実現したいこと」や「解決したい課題」が焦点です。もちろん予算も重要ですが、予算の中でできることを一緒に考えようというパートナーとして同席できます。何より自社のバリューをきちんと発揮できる環境になるのがありがたい。営業パーソンだったら絶対こちらの問い合わせの方が嬉しいですよね。

問い合わせの「質」を変えるためには

問い合わせの「質」を変えるためにはユーザーからの「見られ方」を変えなければなりません。それはそうですよね。しまむらに行ってオーダーメイドのスーツを頼む人はいません。しまむらはしまむらで優れたお店ですが役割が違う(子ども服で愛用していました)。あなたの会社のWebサイトで思ったような問い合わせが来ないのであれば、あなたの会社がユーザーからそう見られているからです。「それは誤解だ。我が社はそういう会社ではない。◯◯もできるし、◯◯もできる」というのであればそれを可視化しなくてはいけません。Webサイトのどこにも書いていないのに、伝える努力もしてないのに、社内で書ける人を育ててもないのに、そのための予算も確保していないのに、「聞いてくれれば分かるのに」は虫が良すぎます。お姫様じゃないんだから。待っていたって王子様は来ません。シンデレラだって舞踏会に行ったから王子と会えたんです。

4年かけて「ユーザーから見られ方」を変えられたA社様

A社様の場合、4年前のWebサイトリニューアルと共にHubSpotを導入して、自社の強みと製品を整理して、営業戦略的な製品とテーマを明確にして、私たちのWeb活用支援を予算化してくださって、社内でコンテンツを書ける人を育てて、コツコツ試行錯誤して、その積み重ねで前述の成果が出るようになりました(SEO的にもかなり強化され、Webサイトへの集客に大きく貢献しています)。コツコツと積み重ねたからこそA社様は「ユーザーからの見られ方」を変えられました。そんなの一朝一夕にできるわけありません。それはそうですよね。人間関係だって「この人はこういう人なんだな…」とある程度信頼してもらうためには時間が必要です。A社様の場合は4年かかりました。

緊急性は低いがとても重要なこと

「4年もかかるの!」と言うこともできるし、「4年やれば何とかなる」とも言えます。ぼくがとても大切だと思っているのは「◯◯で困ったらA社に相談しよう」と多くのユーザーに想起されるようになったということです。これは無形の財産です。しかも、5年後も6年後も継続できます。自社にとって重要な土台であり、競業が手を出しづらいアドバンテージです。たとえ4年かかろうとも企業にとって必須な財産だとぼくは思っていますし、「今それがない」のなら4年かかろうとも予算がかかろうともやるべきだと思っています。だって、「ユーザーからどのように見られたいか」の理想像と現実の見られ方がまるで違っていたら。それって明らかに「緊急性は低いがとても重要なこと」ですよね。Web活用とか言う前に、経営課題として放置すべきではない。ぼくはそう思っています。


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