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足掻く人々。NHK『アナテレビ』

NHK『アナテレビ』が面白かったです。各局のエースが集まって「アナウンサーについて語る」という枠組みがまず秀逸ですよね。「テレビの本質は“建前”である」とぼくは思っています。だからダメだという話ではなく、本質としてそういうメディアであって。そもそも世界は建前で動いているんだし。

民主主義だって法治主義だって建前です。「そういう風にやろう」とコンセンサスがなければ世の中は動きづらい。その意味では世間とか世の中といった「実体はないがフレームが大きいもの」とテレビは相性がいい。建前という共同幻想を足がかりに文脈や枠組みを作れるので。だからこそネット時代に苦戦せざるを得ないのだけど。

今回のアナテレビが面白かったのは「テレビは建前のメディアである」なんて委細承知の上で、それでも声を発する意味はあるのではないか、抗う隙間はあるのではないかと当事者たちの苦悩と足掻きを伝えようとしているからだと思いました。足掻く人、好きです。


これは完全なる蛇足ですが、各局のエースが集まる場にテレ東の松丸アナがいるのを見ると、ゴットタンを愛する者としては「オレらの代表」と勝手に思ってしまうし、立派なことを喋ろうと踠いているのを見ると「がんぱれ!」と思ってしまいますね。オレらの代表でも何でもないのに。笑

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html

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