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が○記録11日目・地球交響曲療法

なんとなくタブーにしていた「だらだら書く」を解禁してみる。

相方は昼から留守。なので犬の散歩という唯一の任務を終えて
16:30にはふとんに入ってしまった。寒いしだるいし。
目が覚めて21時、このまま寝よう案50%、起きることへの好奇心半分。
起きて外に出て、居間兼スタジオに歩く。

出かける前に相方が、私にも使えるように
10本コンセント状態のステレオ体系をくみ直してくれ(写真)
寒がり系貧乏性の私に、薪をたくさん用意してくれた。
その二つが、起きる後押しとなりました。

薪ストーブをつけ、CDを選ぶ。
音楽を聴くのは好きなのにこの10数年、自分の音楽機器がなかった。
音楽を仕事にする人と暮らし始めても、耳にするのは、彼の選ぶ音。
今日は、自分が聴くCDを探します。
彼のラインナップにまぎれて1枚だけあった私のCDは
地球交響曲第6番。かける。

1曲目はアヌーシュカ・シャンカール。
ラヴィシャンカール61才の時の娘が、インドの音楽を継いだ。
2曲目以降、時々、クジラの声が流れる。
ケリー・ヨストのピアノ演奏。
美しいと思うけど、特別さがわからない。

音楽やアートがわからない、のが私の大きなコンプレックスだ。
周りに芸術家や音楽家が多いのに、彼らの会話がわからない。
これはいい、これはいまいち、と彼らが同意し合うけれど
私には違いがわからない。
大学生の中にいる小学生のように、わからないままそこにいる。

今日は、わからなくていいから体験してみている。
買ったばかりのJBLというスピーカー、性能などわからないけど
音楽に入っていける。

相方は50年ほど、音楽を仕事にしてきた。
世間に生きず、お金や名声を追わずに来た人のピュアさが
日本昔話の「いいおじいさん」のようだ。
60才を過ぎて恋をしてしまい、家やお金やスタジオを元妻に残して
私の所に来た。
私もまもなく仕事を辞めて教員住宅を出、2人でホームレスのところ
友人の農家さんが提供してくれた土地に自分たちで小屋とスタジオを
手作りして水道ガスがないまま住んでいる。電気は1年たって引いた。

いいスピーカーがあればなあ、とここ数年言っている相方の
夢を叶えたくて先週、ハードオフで売っていたこのスピーカーを
衝動買いした次第。
買った時は彼のため100だったパーセンテージが
1日ごとに減少している。

薪を足し、部屋の電気を消してみたところに流れたのが
カッチーニのAve Maria。
これはやばい、森の中で一人で聴いてるなんて
何かやってきそうでやばい、と怖がるも
「この森はとても気がいい」と何人かが言ってくれたのにすがり
いいものなら来てもいいか、と聴き続ける。
歌が出る。
誰にも言っていないけど、オペラを歌ってみたい自分もいる。

16曲目、無伴奏チェロ組曲第一番ト長調
よく行っていたカフェshozoで、チェロがよく流れていた。
不思議な素敵なことが時々起きて仕事がはかどって
私にとっては神社のようだったその場所
ここ数年行っていない。家を、神社にする方向でいる。

17曲目、シロナガスクジラの超低周波
これもやばい、ステレオが音に合わせて緑に光るのも、
クジラの目みたいで怖いけど体験する。

迷った末に、室内で乾燥させてきた大きな「一番いい薪」をくべ
ソファに座って目を閉じたら始まったのが
虚空の音 by奈良裕之、KNOB、長屋和哉

地球の音を奏でている、と長屋さんは言っていた。
長屋さんの人柄や小説が好きで、でも音楽はよくわからなかった。
友人宅や彼の住む地でも生演奏を聴き、でも感動には至らなかった。
今日やっと、少し、わかった。

アートも音楽も「本当はわかってるんだよ」と何人かに言われたけど
私は人より、わかる速度が遅いのかもしれない。
何十年もかかる性質で、それでも愚直に触れ続けてればそれでいい。
それがわかった。
待ってくれるはず。何が?

最後にこのCDのライナーノーツ?を残します。

「地球の声が聴こえますか 心で聴いてください 地球交響曲」
18年前、この呼びかけから始まった映画「地球交響曲」シリーズも今回で第6作目、初めて地球の声すなわち「音楽」そのものを主題とする作品となりました。
私は、この宇宙の成り立ちも、母なる☆地球の生命システムも、生態系も、人間の体や心の仕組みも、社会や文化の構造も、この世の全ての存在は、刻一刻と変化しながら生演奏されてゆく「音楽」のようなものだ、と思っています。ミクロの原子から大銀河まですべての存在が、それぞれに独自の「音楽」=振動波を奏でており、その「音楽」が互いに響き合ってこの世界が作られている、という考え方は、最近の量子物理学に依って証明されつつあります。
これと同じ考え方が古代インドにもありました。「ナーダ・ブラフマー」=「音は神なり」という教えです。もしこの宇宙になにか「大いなる意志」があるとすれば、それは「全ての存在が多種多様な「音楽」を奏でながら、それが互いに響き合ってさらに壮大な調和の「交響曲」を奏で続けること」ではないでしょうか。
調和の「交響曲」の創造に参加するためには、自分以外の存在が奏でる「音楽」を聴く耳が開かなければなりません。他の存在が奏でる「音楽」に耳を澄ませることに依って、今、この一瞬に自分が奏でるべき「音楽」が生まれます。「地球交響曲第6番」とこのサウンドトラックCDが、閉じかけている私たちの「耳」を開いてくれることを心から祈っています。
監督 龍村仁

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