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東北全県鈍行一人旅

旅に出ていました。7日間一人鈍行、東北全県、計画・スマホなし。
・持ち物:小さなリュック、桁はずれの縁・運・勘
・失くした物:古傘、ケータイ充電コード、ケチ、焦り
 (どれも未練なし!)
・得た物:を、これから勢いで、8割自分のために書いていけたら。
 随時、写真を足したりしながら。
 1割は、旅で出会った愛する皆さんに感謝を込めて。

☆第1章:僕が旅に出た理由→仙台

7月1日(土)

大田原の某パン屋へ。こちらの正体は明かさず店主と雑談5分一本勝負、を半年くらい続けてる。「明日用事で仙台。の後で旅に出ようかなー」と言ったら、7日間鈍行乗り放題切符あるらしい情報頂く。
調べたらなんと、7月1日から使用開始!
わざとらしい。誰かが私を旅に出したがっている。試しに黒磯駅に行ったら、北海道東日本パス11300円、自動販売機であっさり買えそう。
うーむ、本当に7日旅??行かない理由がポコポコ出るのを、最近の指針「迷ったらgo」でもぐら叩きし、券売機のボタンを押す。
ワクワクした→正解!

夜、北海道からのミュージシャン&夫のライブ。
夫(仮称)に、旅宣言をする。快諾。2ヶ月前ならあり得なかった。

ライブはアフリカンだし観客はタイ、アメリカ、フィリピンからも。
前日の家でのリハ中、その中で書写とお絵描きがしたくなった新しい自分。


7月2日(日)
黒田原(那須)から仙台に出発。
電車の中がアジア系の人々でぎっしり。隣の女性に聞いたら、福島大で日本語の試験があるそう。彼女はカンボジアのCさん。国に幼い子供を残していわきの病院で3年間働いている。仕事と日本語の勉強で忙しく、自由時間なし。写真の中の、あまりにかわいい子どもたち。切ない。
上司が怖くてビクビクすると言うので「彼が幸せを手に入れて機嫌がよくなりますように」と祈る。彼女をいわきのAちゃんとつなごう、と決意。
まずは試験、Good luck! You can do it! が近くのネパール青年にも伝わり、お礼を言われる。車内全員に、大声で言えばよかった。
あああ、世界の全ての人が、住みたい場所で愛する人とハッピーに暮らせたら、と泣けた。旅の視野が広がった。
今まで子ども&動物にのみ大放出してた愛情、世界に広がるか?!

仙台、高校の恩師サロンで、詩のお話会に参加。高校行き帰りの地下鉄で英語が話せるようになったように、仙台行き帰りの鈍行で詩が書けるようになればな。
7月22日この場所でのinahoライブ、先生曰く「反響は0」。
参加者ともあまり話せず、悲しい気持ちで階段を降りた。
ら、出口で3人の方が立ち話。一人は先月の会でお会いした女性詩人のIさん。藁をもすがって話しかけ、「このままだと寂しいのでお茶しませんか?」→3人ナンパ成功、向かいのカフェへ。
「拾う神」ありがたく何度も手を合わせる。

Iさん、昔気質の旦那さんに今年「5年間、一人旅する宣言」をしたそう。諸々、私と状況そっくり。22日のライブに参加決定!そして今年中に那須でのinahoライブに行く、とのこと。
「心で一緒に旅したい」と言う彼女に、ざっくりな東北旅予定を渡す。
ナンパしたもう一人は詩の会の事務局にして新聞記者のTさん。家が同じ方向で、車で送って頂くことに。
Tさん、私の濃い叔父3人のことをそれぞれご存知+共通の知人多数。
彼も22日ライブに参加決定+夕刊で告知してくださりそう。

夜、実家にて、さて明日、どこに泊まろう?から始めるが、持参したお古のスマホ、使えず!
→2世帯住宅2階の弟(立派な社会/家庭人)にPCを借りられないか恐る恐る伺う→PC+様々な東北情報をもらう。地名も知らなかった青森の黒石、秋田の仁賀保、が旅程に加わる。黒石の宿と、案内してくれる役場の方まで手配頂き。
明日の盛岡の宿、弘前の宿も予約できた。
明日の宿も決めない旅に、弟一家が怯える。心配性の母はしかし、若い頃に自分もそんな旅をしたからと応援モード。
スマホが使えてたら、弟から情報をもらうこともなかったな。

7月3日(月)

家から地下鉄駅まで20分歩くがリュックが重く、後悔。
仙台→岩手。電車内のマスク率は下がったけど、スマホ率の高さよ。
お父さん、画面に夢中な間に向かいの怪しい女性(me)がお子さん(2才?)を誘惑していますよ!

詩といえば宮沢賢治、賢治といえば花巻。聖地に着く。賢治のお兄さん関連の林風舎など付近散策。記念館までのバスに乗ると、各施設の入館料が無料になるしくみ。
まずは賢治の作品世界を様々に体感できる童話村へ。雲の部屋貸し切り、壁にある賢治作品を声に出して読んだらはまった。自分の声が好きらしいという発見。
荷物を預けて記念館へ丘を登る。
賢治がそばで案内してくれるかと期待したけどおらず、外の神社や森を歩いたら、いた。そこらじゅう。
What is your wish? と聞かれ I want to translate love, eternity into words, deeds and being.と出る。へえそうなんだ私。

イーハトーブ館、庭、居心地よい。賢治作品のマスキングテープ、うんとかわいい。2個買ったけど戻ってもう3個買う。
家の貧しさから我慢が基本だったけど、一度だけ、夜店で母に「好きなもの買いなさい」と言われた時の衝撃と買った物(小さなプラスチックの野菜)を、今でも覚えている。
50年我慢させ続けてきた自分に欲しい物をあげる練習が、5月から始まったのです。

盛岡へ。この日の宿、最寄駅から徒歩20分、道に迷って少しネガティブ。
夕飯はスーパーで寿司飯(100円)、ホヤ2個(150円)、ワカメ(100円)と南部せんべい。
宿の皆(宿主、イスラエル男子、香港女子)でレコードバーに行く。ラップも好きという店主に地元のこーへー氏のこと言ったら「レコードありますよ」→かける。お馴染みの声に、那須が懐かしくなる。
香港女子、7年付き合った彼と別れて2年間の旅の途中、パリオリンピックでボランティア予定。イスラエル男子は大阪万博のイスラエルパビリオンで働く予定。行ったら会える!日本の果物が高すぎる。実家の周りは果物なり放題、を聞いてうらやましい。それにしても英語ってほんとに世界共通語。便利な持ち物。

7月4日(火)
毎朝5時から開いている朝市へ。江戸の残る鉈屋町の街並み、何より、水道なしの我が家には、湧水汲み場が2箇所もあってうらやましい。


宿に戻り、明日以降の宿探しを宿主に手伝ってもらう。弘前決定、仁賀保は返事待ち。ふと見たこの宿のHPアドレスに「bokunohosomichi」とあり、鳥肌。那須で仲間と作ったショートフィルムが「僕の細道」なんです!と伝えるけど反応薄。昨夜から思っていたけど…「人にあまり興味ないんですね」と言ってしまう。or私のことが苦手なのかな、とネガティブ2弾。いや、彼がそういう在り方なだけでしょう。
私の在り方は…気の合う人とは立場を超えて、どこまでも仲良くなりたい。子どもや動物は、すぐにそれをさせてくれるから快適。
仲良しの皆が懐かしくなる。仁賀保の宿が取れなかったら、那須に帰ろう。旅のおかげで日常の良さがわかってめでたしめでたし。

十六羅漢像、など見て歩いていたら靴底がはがれた。ホイル、わらなどで応急処置するも、敗れる。


ガレージで何やら作っている方がいて、きっとボンドがあるだろうと声をかけたら。店にあるはず、と小さな美容院へ案内される。お母様がボンドを探し回り、手厚く面倒を見てくれる。この町で接した人情その1。
ハワイが好きだけど3年前に旦那さんが亡くなってからは行ってない。地元のフラチームで活動中。夫が参加しているハワイアンバンドを紹介する。

案内所に入り、栃木から来たと言うと、居合わせたお母さんのスイッチon!普段は有料だけど無料でこの家案内するわ、と。この家がモデルになった小説もあるよう。触れた人情その2。居合わせた貫禄お父さんも、街の見所など教えてくれる。

盛岡駅に向かう。啄木新婚の家、は休み。自分の結婚式に出席しなかったというマイペース君。賢治といい、若いうちに作品を多数残して早逝。私は50代で人生デビューだから、長生きするかもしれない。

賢治の作品を初めて印刷した光原社、お店と庭、居心地の良い。賢治に惚れて採算度外視で本を出版し、売れずに山積みだったという。賢治のしたことは文学、農業、信仰を夢中で毎日、世界の人が幸せになるように、それだけ。死後、世界各地で名前を呼ばれていること、予想も望みもしなかったと思う。

私は、亡くなった人たちを近く感じる。星野道夫、マイケルジャクソン…亡くなってからの仕事ぶりがすごい人たちは、私のことも応援してくれていると勝手に思っている。曽祖父お手本で毎日書写をする時は、彼に話しかける。岩手医大のボート合宿で亡くなった従兄弟の足跡を辿れないかと盛岡で何人かに聞くけれど今回は手がかりなし。

冷麺大好き。インスタントで買って食べるくらい。本番で食べないと。駅員のお姉さんに聞いて、駅の向かいの店へ。ゴージャス。おいしい。自分をもてなせて嬉しい。

弘前に向かう。昨夜の宿が今夜は開いていなかったので、黒石に行くつなぎの1泊、としてゲストハウスorando。現代的で宿の人もいないので、出会いも物語も期待しなかったのに!!!

コンビニで夕飯を買おうかとロビーを通ると、係の人と男性が話している。「飲み屋街にあって夜9時まで開いている本屋」の話。え?何それついていっていいですか?快諾してくれたその人は、長野から出張に来ているKさん。趣味で弾き語りをしているという。歌い手つながり!この旅で職業欄に「singer」と書いている私。
本屋さんはとても素敵で、お店の人も穏やかにして壁を超えてくれる人。黒磯の本があり、昨夜のレコードに続いてこーへー氏に写真で遭遇。那須に行きたいという店主に「来ないと承知しませんよ」と、那須情報をメモして渡す。

Kさんと、店主お勧めのお店へ。その名も「ポノポノ」。私が今年使っている&頼りにしているのがハワイのホ・オポノポノ手帳。「来る人が浄化される飲み屋」の、こちらも穏やかにしてフレンドリーなママさん。お通し+2杯で1200円という破格。父の生まれた青島のビールにする。1杯で酔っ払う。
Kさん、長野でフェスを開きたいと言う。歌いに行きます!
店に、明日行く黒石のおっちゃんが飲んでた。桁外れに面白い人。明日が楽しみになる。

宿に戻り、寝ようかな、あ、ご飯炊いてたっけとキッチンに行くと。長髪ヒゲ男子がいた。出会った。世界各地の路上で書道をしている書道家D。私の名前書いてもらう。青森第一号だって。


そして話題はなぜか、私の片思い人生へ!幼稚園から40代までオール片思い→女子としての自信も実績もなしで生きてきた事例各種、でも楽しく話しながら頭の半分は「私といて迷惑じゃないかな?」で占められているのに気づく。
「私、ここにいて(生きてて)いいですか?」が幼い頃からあり、Noと思ってしまったら、例え自分はそこにいたくても、引っ込んだり引っ越したりする。「とらさん(フーテン)」というあだ名の裏にはそんな悲しい背景が!
「私はもう少し話がしたいけど眠くなったら必ず言って」と前置きして結局、ついに私が眠くなって終了!が午前3時。

「いていいか」より「自分がいたいか」を大事にする貴重な練習ができた。
おまけに、女子としてのありがたい評価も得た(笑)。


沖縄のゲストハウス(月光荘)のキッチンで出会って長話、が、ムネ君(元生徒のタクヤに似てた)と同じパターン。連絡先を交換しなかったのに半年後に葉山でばったり再会×3週で、その後仙台、鎌倉、つくば、那須…移り変わる私の住まいにいつも会いに来てくれてもう、20年の付き合い。
淡路からの電車で隣に座って私の愛読書(星野道夫、旅をする木)を読んでいたタクマ君(ムネ君に似てた)、初対面なのに恋愛話で盛り上がったのが共通点。彼も、那須や鎌倉に会いに来てくれて10年。
職場でじっくり、よりも旅先でばったり、の方が、長く付き合う大好きな男子に会えるのは不思議。Dもそれに加わってくれるかな?

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