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凍りそうだ永遠の京都、行こう。 制作後記

こんにちは。手稲.です。今回は「凍りそうだ永遠の京都、行こう。」について感想を交えながら振り返って行こうと思います。(メディアが多いため重いかもしれません。通信環境にお気を付けて閲覧をお願い致します!)

動画はこちらです。

元動画は、”そうだ京都、行こう。”公式Youtubeチャンネルでほぼすべてアーカイブされてますので気になる方は是非こちらのチャンネルもチェックしてみてください!

制作環境
・AviUtl(ぜんぶ)
・Photoshop(切り抜き・画像編集)

◆制作理由と裏のお話(前書き的な)

>>1そもそも、今回「そうだ京都、行こう。」で動画を作った理由

以前の記事でもお話した通り、ぼくにはかねてから旅情に満ち溢れた動画を作りたいという想いがありました。それに加えて約30年間続いている「そうだ京都、行こう。」CMの歴史とその美しさに感銘を受けたというのが自分の中では理由として大きいです。

その「旅情」への想いが結実して、過去にぼくはこのような動画を作りました。

タイトルと過去を回顧する内容ががっちりとはまったこの作品、コンセプトは自分でもいいなと感じているのですが、実はセリフの量が膨大すぎて作るのを途中で諦めてしまい未完成のままサビだけ抜き出して動画をつけた作品なのです。(ほぼ183でした)
いつかリベンジしたいと考えていて、今回やっと実行に移せた感じです。

>>2なぜこの時期に投稿したか

かくして”レトロスペクティブ京都”を投稿し終えて少しした2020年4月あたりから音声を作り始めていたのですが、完成に近づくにつれて、新型コロナウイルス感染症が日本でも猛威を振るい始めてしまいます。
自分の中に「そうだ京都、行こう。」というあたかも旅行を推奨するかのような内容の動画をこの状況下で投稿するのはいかがなものなのか、公式の動画更新が止まってしまった中でとても思い悩みました。

悩みながら作るのは体にも作品にもよくない。日常が再び取り戻された暁に再び作ろう、と考え一度作品を凍結し、コンセプトを練り直したうえで眠らせることにしました。

ただ、感染はとどまることを知らず、音声作成時点よりも感染者が増え、非日常が日常へと塗り替えられていく連鎖の中で自分も次第に「旅行はできないけど、あの旅情と笑顔に満ちた満ちた美しかった日々を回顧して、元気を届けられるような動画があってもいいんじゃないか」という気持ちが芽生え始めました。ぼく自身だいぶ気落ちしていた中で、自らを鼓舞するという意味合いもあったのかもしれません。2021年の6月あたりから色々な動画と並行してちょこちょこ制作を続けることにして、9月に入ったあたりでスパートをかけて中盤に完成した感じです。
なので、緊急事態宣言が解除されたからとかそういう安易な理由ではないということはここに記させていただきます。あえていうならばタイミングが偶然重なったというべきでしょうか(そもそも9月下旬に投稿予約したときそんな情報なかったし...)

なぜ、このような状況下で...という声もあるかもしれませんが、ぼく自身上のような心理的な流れがあったうえで作成していたので少しでもご理解いただけると幸いです。。。

◆コンセプトイメージ

上記を踏まえて、以下のように練り直しました。

1.旅情に満ちた旅行に出たくなる動画
2.
旅行記・フォトムービーのような動画
3.「京都」と「自分」の集大成

1.旅情に満ちた動画
2.時勢を踏まえたストーリー性がありつつ過去を回顧する、「レトロスペクティブ」の継承・リベンジ
3.「そうだ京都、行こう。」と「今の自分」の集大成

1.旅情に満ちた動画
ぼくが(しつこいくらいに)言う旅情に~とはいったいどのようなものなのか簡単に説明させていただくと、自分は体験していないにも関わらず一目見ただけで絵巻物のように旅行の記憶と感情が現れて、あたかもその場にいるかのような気分にさせられるかのような動画の事です。(言語化が相変わらず難しい・・・)

一例ですが自分の「旅情イメージ」と近い他作者さんの動画をご用意いたしましたので、ご覧ください。

あまり動画を深堀り出来ておらず、ほとんどが近年の動画になってしまっていますが一例はこんな感じです。(他にも「旅情」テーマっぽい音MADがあったら僕に教えてください!)動画の雰囲気やエッセンスはこれらの作品のような動画を目指しています。

2.時節を踏まえたストーリー性がありつつ過去を回顧する、「レトロスペクティブ」の継承・リベンジ

(長いな)
元々この動画は、貯めていたお金で行く予定だった京都旅行の映像をふんだんに使った旅行記のようなMADになる予定でした。というのも、自分で撮影した映像を編集して動画に使うという途中下車シリーズのようなことを自分もやってみたいと考えていたのが発端なのですが、先ほども申し上げた通り感染症の蔓延や緊急事態宣言の関係で断念しました。そこで今回は趣向を変えて、「レトロスペクティブ京都」のリベンジも兼ねて「そうだ京都、行こう。」自体の歴史を振り返る動画にしました。詳細は後述しますがナレーションが長塚京三さんから柄本佑さんに変わったことを踏襲したストーリー(の流れのような物)や感染症の蔓延を踏まえたセリフ選びをしているのもこれが要因となっています。

3.「そうだ京都、行こう。」と「今の自分」の集大成

「京都」を使った動画は、実はかなり体力を消耗するもので、約30年分の素材から最適なセリフや素材を選んで、動画をつけてとなるとかなりの時間と労力がかかります。だからこそ、生半可な気持ちで作りたくないと考え、京都素材を使った動画の集大成というか最後の花火といいますか、今の自分の持てる力を100パーセントくらい出し切った動画を作ろうと考えました。(コンセプトというよりかは意気込みですね、これ)

◆パートとバックストーリー

動画パートは大まかに、

1.柄本佑さんナレーションパート(Q¹)(0:00~0:45)
2.長塚京三さんインタビューパート(A¹)(0:46~1:08)
3.視聴者への呼びかけパート(Q²)(1:09~1:20)
4.約30年振り返りパート(A²)(1:21~2:06)
5.余韻YTPMVパート(ED)(2:07~2:29)

の5つに分かれています。
ストーリーはこんな感じです。

2019年から「そうだ、京都行こう。」の新しいナレーションに就任した柄本佑さんは、京都という都市の魅力がどのようなものか、どう伝えればよいものかと悩んでいました。(Q¹)

「じっくり向き合わなくては」と呟くと、どこからともなく「朝の早い時間にいらっしゃい」と自分を招く声がします。声の主はなんと前ナレーション担当だった長塚京三さんでした。彼は言われた通りに明朝、家を訪ねると、長塚さんは京都の魅力を柄本佑さん(=視聴者)にインタビュー形式で淡々と教えてくれました。(A¹)

そうやって教授していく内に、現在の状況下でこのように京都に感じてきたことを実際に行って見せたり、旅行の土産話をすることもままならないことに気づく長塚さん。柄本さん(=視聴者)に「今は難しい事の様に思います」と投げかけます(Q²)

ですが、すぐに「でも大丈夫」と言う長塚さん。「ここにきっとあります」と私たちに見せてくれたのは一つの小冊子。「そうだ京都、行こう。の20年」と書かれた本には、彼が歩んできたたくさんの歴史と風景がつまっていました。
「それではみなさんご一緒に」「そうだ京都、行こう!」
合言葉を唱えると、私たちは本の中に吸い込まます。長塚さんのいつものナレーションによる案内で、「そうだ京都、行こう。」が歩んできた歴史を間近に見るのでした。(A²)

二章立てのQandAが軸となっています。柄本さんが声のみだったり、そこまでがっつりストーリーを意識した映像というわけでもなかったのでわかりづらかったかもですが、こういうバックストーリーだったんだなっていう風に思っていただければ。
(攻略本の最後の方に書いてあったりする物語にさして影響は与えないけれども知ったら何倍にも世界観を楽しめる裏設定的なアレ…?)


◆映像の振り返り

かいせつ1

このパートでは、以下の点に気を付けました

1.セリフに限った画面の構成
2.文字の動かし方と配置
3.
”平面”のイメージを強調した画面
4.
季節に見合った色調

1.セリフに限って画面を構成する

今作は原曲不使用なので実はYTPMVでもあるのですが、セリフ合わせもほぼ全編にわたって存在するという異質(?)な感じになっており、どちらも画面上で表現しようとすると視覚的に煩雑な印象を与えてしまいます。

というのも、ytpmvとセリフ合わせ(文字PV)これらはいわば水と油のような存在で、画面上に図形を並べて要素の枠を作り静的に近い感じで素材を魅せる前者と、画面自体を一つの枠とみて動的に文字を魅せる後者とでは相反した静と動二つのテーマが主張しあって、どっちつかずで中途半端になってしまいがちです。
下に、YTPMVと文字PVの一例を参考として添付しておきます。

・YTPMV

・文字PV

上記の動画比較でもわかる通り、静と動二つの要素を一画面にまとめながら違和感なく画面を創るのは不可能に近いです。もちろん、出来る方もいるのでしょうが、今の自分には無理だぁ...と作っててなったのでこのパートはセリフに限って画面を構成することに意識を傾けました。逆を言うと、音合わせの図形や左右反転などの映像は画面上に最小限に配置し、画面の賑やかし、もとい文字の引き立て役として働いてもらっています。

言ってしまえば妥協というか、半分諦めに近いです。(最初のシーンなのに...)

2.文字の動かし方と配置

春→秋→夏→冬と大まかに四つの画面に分けて、それぞれ文字の動かし方に少しずつ変化を持たせています。
流れとしては、

・春→中心座標内での小さめな動き
・秋→”春”よりも大きめな動き+中心座標を所々離れた動き
・夏→”秋”よりも大きめな動き+立体感を持たせた動き
・冬→煩悶する心理描写とリンクした小さな■の中での動き

という感じに、夏パートまで文字の動かし方を徐々に立体感や激しさを拡充していき、冬で小さい動きに戻ることでセリフの心理描写との親和性をより引き立たせています。

■春

視聴者が一番最初に見る場面で、見やすさが何よりも肝心な動画冒頭の春パートでは位置に細心の注意を払いました。

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上のGIFを見ていただくとお分かりかと思うのですが、文字が楽しく動きつつも視聴者の中心視野内に収まるようにしています。なるべく右や左、上や下へと視点を散漫にさせず、集中させることで動画に没入感を持たせる効果を狙ってます。

このパートの文字自体の動きについては最後の「TAランダム」くらいで特別なスクリプトとかを使ってはおらず、殆ど一字一字テキストにしてXYZ+カメラ制御で若干立体感を持たせつつ動かしています。(いいスクリプトあったら教えて~)
初めからラストスパートという感じの文字を動かした映像もいいですが、今回の動画では音声のセリフを際立たせて、リンクさせるのが目的なのでそうしたい気持ちをぐっとこらえています。

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こんな感じのPF(PFって部屋の汚さと比例するらしい...)

因みに文字については(全体を通してですが)sceneにて文字を動かし、それを透過Aviに出力してRootの元の背景映像(桜)に置いて合成している感じです。
最終出力の際のエラー落ちやミスを未然に防ぐ意味でも、透過Aviでの中間出力は重要であると自分は考えます。みんなもLagalithコーデック使おう!!Lagalithはいいぞ!!!

■秋
このパートから少しずつ文字の場所がが中心からずれ始めます。春の次のパートということで引き続き中心視野を意識しつつ、春よりもテキストサイズを大きめにしたり、ダイナミックな動きを取り入れて差別化とバラエティ豊かな文字の動きを目指しています

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ここでも文字の動かし方に特別なスクリプトはほぼ使っていません。
(半ば備忘録として)特に顕著な動きの部分の解説を残しておきます。

・京都の午後の日差しの中

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カメラ制御で全体を縮小させる動きをつけながら”の”を起点としてグループ制御で90度ずつ文字を回転させながら”の”自体は回転を逆方向に90度掛けて常に正面を向くようにしています。

・こんな解釈も許されるでしょうか?/お楽しみはこの後も続く

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後ろの点線は直線をどうこうしているわけではなく、「TA横スクロール(行)」で最大限にスクロールさせて線状態にした文字をそのまま表示して疾走感を演出してます。また、「解釈」の登場時も同じスクリプトを使っています。
文字は相変わらず一個一個手打ちでやってます(気が遠くなるしもっと早い方法を知りたい...)

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こちらも上のものとほぼ同じですが、文字にグループ制御を二つかけて、全体を徐々に上に移動させながら「続く」の時に合わせてY軸を360度回転させています。

カメラ制御とグループ制御、今回初めて併用しましたがもう少しうまく使えばもっと面白い動かし方ができるのではと感じたので研究していきたいです。

■夏

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中心座標のことは頭の隅に入れながらも、秋のダイナミックな動きを拡張した表現にしています。登場の際の水しぶきのリキッドアニメーションは下の波しぶきを模した青海波文様窓の素材からざばッと海を割って登場するイメージを基に使用しています。
”街”だったり、”緑”だったり、”時”といった漢字にはほんとにちょっとしたアニメーションを加えて高速で動く文字の意味合いを視覚的にわかりやすくしようとしています。

■冬

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ここでは夏のシーンとは変わって、狭い四角内で文字の動きを完結させています。理由は、ナレーションである柄本さんのセリフが心の迷いを主体としたものになっているからです。迷いを視覚的に表現できないかと考えた時に、視野の狭さをそのままセリフを動かす際に再現した感じです。「朝の早い時間にいらっしゃい」と呼びかけられてから文字の入っている■が広がるのも、迷いが次第に晴れていく心理描写とリンクしています。ちなみに意匠の意味合いとして、京都にある源光庵の「悟りの窓・迷いの窓」もモチーフの一つです。

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源光庵「悟りの窓」

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源光庵「迷いの窓」

ここ、どのように作ってるかをメモしておくと、

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このようにScene上で予め切り抜きたい目安の画角をマスクでクリップした黒背景の下で文字を動かし、目安の背景を消去しそれを透過Avi出力してRootに出力後のAviを透過ののちマスクで同様にクリッピングして配置しています。意外と簡単!

文字動かしについてはほとんど春夏秋の流用なので説明することはないのですが、今思うと見ごたえを考慮してもう少し文字の動かし方のレパートリーを増やすべきだったかもしえません。でも編集時はひぃひぃ言いながら一字一字動かしてたのでそういう所に気が回らないのよね...映像忍耐力欲しい!

因みに、ここの文字の動かし方については以下の動画辺りを参考にしています。

3.”平面”のイメージを強調した画面

平面、とは簡単に言うとカメラ=視点を動かさない一点張りの映像といった意味合いでここでは使用しています。
サビにかけて徐々に立体的で迫力のある映像にしようと考えていたので、視覚的な驚きを増やそうとあえて序盤は平面的な映像を目指していました。常にフルスロットルで編集するのも疲れるし、作ってて飽きが来るというのも理由なのですが、内容は置いておいて全体を通してみるとバラエティ豊かでバランスのある映像になっているのではないかなーと思います。

4.季節に見合った色調

初見で一番最初に目にするシーンなので、最初のパートで最も力を入れました。というのも、色調で印象は180度も変わってしまうからです。
…まずは見ていただいた方が早いので画像をどうぞ!

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1.3枚目が色調補正前で、2.4枚目が補正後の画面です。
こうしてみてみると、違いが一目瞭然・・・!(...ですよね?)
補正した後の画像の方が色が濃く、かつ明暗がはっきり出て、主体となるカラーが明確で、一目見た時にわかりやすくなっていると思います。

このように色調補正は画面の色の要素や質感をはっきりさせることで、季節感や時間帯を演出したり、別々の素材を一つの画面に纏めるうえでよりなじませて違和感を薄くするという点でも非常に重要なものと考えます。

そんな色調補正で気を付けるべき点は、現時点の自分は「3色+差し色(2色+差し色)」「明度、トーンに気を遣う」の2つあると感じています。

・「3色+差し色(2色+差し色)」
・「明度、トーンに気を遣う」

色はそれぞれ明暗とトーンを持っています。端的に言うと、明暗には色の区別を、トーンには同系統のまとまりを明確にする効果があります。

静止画像ではない動画上では、「判別という観点」はあまり重視されないように感じられますが、一目、画面を見た時に一番まとまりが良いと感じられる色の総数はどのくらいなのか、と聞かれるとおよそ10色程度と言われています。またそれもある程度規則性がある場合に限られ、バラバラになっていたりすると途端に同系色の区別がつかなくなってしまうように脳はなっているようです。

認識がうまくいかないと、画面を見続けるうえでの負担やストレスが大きくなりますし、テーマもあやふやに感じられてしまいます。

なので、初めからある程度色相を絞って、3色+差し色(2色+差し色)に絞り、明度、トーンに気を遣う画面構成にした方が目的と意識がはっきりしわかりやすくなると考えます。

以下は参考になるサムネイル(動画)を載せておきます。こういう画面が作れるようにもっとなりたい!

使用色を絞ると情報量が整備されておのずと見栄えもよくなりますね
いいサムネの法則も何となく見えてくるかもしれません

色調補正

因みに、自分が普段どのように色調補正をしているかというと、動画によって変わってくるので一概にこう!とは言えませんが、今回は

1.フレームバッファ(4色グラデ)

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こういう薄い青円のレイヤーを置いてます。黒色を青くして違和感を減らすのと、全体の色に青で統一感を持たせる役割があります。
明るくしたい場合は比較(明)、暗くしたい場合は乗算します。

2.フレームバッファ(MGグラデ)(ない時もある)

全体を青っぽくした上でMGグラデをいい感じにかけるとふつうにかけた時よりもまとまりがよくなります。
透明度45~65位で例のごとく場合によって比較(明)乗算を使い分けます。

3.色調補正(全体)

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全体の色を調整し、パキッとした色合いに変えます。一例ですが、明るくしたい場合は上、暗くしたい場合は下のようにやってます。
色の濃さを最初に上げて全体の色を調節した後、ガンマとコントラストで明度を整えてあげる感じです。

4.拡張色調補正

TVー>PCスケールにチェックを入れてます。なんかパっとするので(適当)正直ここはよくわかってません。一時期飴色の質感に憧れてRのGainをいじったりしてましたが違和感に気づいたため今はやめてます

こんな感じで順にレイヤーを重ねています。何度も言いますが上記のやり方、数値ですべてやっているわけではなく何回も何回も、いろいろな組み合わせを試して何がそのシーンに最適か見極めてます。

かいせつ2

このパートでやりたかった事として、
「実写映像とモーショングラフィックス、キネポの合成」があります。
平面の映像をあえて意識した前のパートに比べて、立体的かつ空間的な広がりを持たせようと試みているのは、大サビに向けての前振りになっています。

また、切り抜きを最小限にして文字と映像があたかもそこにいることが必然であるかのような、所謂実写合成的な事にも挑戦しようとしてます。

色調や細かい動きに関しては説明済みなので、このパートの1画面ごとに込めたコンセプト的な事を解説していこうと思います。

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京都って言われるといつも僕は”永遠の修学旅行”っていうよね━━

前パートではどちらかというと京都の春夏秋冬をフィーチャーしてる部分があったので、ここで空気が一新したんだぞ!ということを如実に表すために、音合わせ用の素材を全て排してキネポと元動画のみで構成して京都の「和の美意識」を演出しようとしています。
絵巻物の始まりの様にしたかったので、例の和柄の素材集から蒔絵っぽく素材を配置し、以前作った白いくしゃくしゃの紙の動くテクスチャーを置いて質感を和紙や千代紙っぽくして、かつ明るい色調にしています。

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こんな、楽天の配送物に入っていた緩衝材をくしゃくしゃにして写真撮って順に粒状化、シャープ、エンボス加工した画像を6種類程度用意し動画化したものを置いてます。

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こんな感じです。ちなみにライムライトの流用。。。

「永遠の修学旅行」の文字にも結構拘りを入れました。というのも、タイトルにも含まれている「永遠」を回収している重要なセリフだからです。

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このフォントもライムライトで見つけた手法を流用していて、

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1(左上) フォントを適当な色にして合成を”差分”にし、シャドーを入れる(重なった部分が透過される)

2(右上)グラデーションを差分で入れ、角度を直線移動させる(色がぐるぐる回るようになる)

3(左下) 色調補正を入れて輝度200、コントラスト125、彩度165辺りで調整

4(右下) シャープで質感と光量を同時に調節(90.範囲25辺り)

すると、アメリカンな飴っぽい質感のフォントの色合いになります。差分合成は意外と面白い表現になったりするので皆さんも気が向いたら試されてはいかがでしょうか~

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たぶん、この街にどっか━━

長塚さんの思い浮かべている京都の極彩色のイメージかつBigBrother動画+拙作ライムライトっぽく色合いと画面を構成しています。

ちゃかちゃか動く背景はこれまたライムライトで作った英字新聞の素材を流用しています。「この街→京都」を思考するということで、考える時の脳の動きをモチーフにチャカチャカ動かす背景にしています。

右の長塚さんの加工に関しては、同じ画像に上から漫画化v2をオーバーレイしています。結構いい感じになってうれしい。

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自分の心の一部が━━

心の一部に映像を何かひっかけて構成しようと思ったのですが、思いつかなかったので個人的に好きな(?)長塚さんのお食事シーンを使いました。
草木の動きも流用です。

因みに、素材集は例のごとく、これを使用しています。

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ZUNさんが使ってるやつでもある

メルカリで850円くらいで売ってたので買ったのですが、こういった素材集は表現の幅を広げたいときに便利なので買ってみるのも一興かもしれません。(いい素材集があったら教えてください。買います!!買いです!)

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住みついているんでしょうね━━

長塚さんの心の一部が京都に”在る”ということを表現するために史跡を長塚さんの後ろに配置して、長塚さんが京都とともに長らく存在してきていて、心の一部がすでに住みついている事を表そうとしています。

あまり意味のない図形を画面に置いたりするのは好きではないのですが、どうにも思いつかなさ過ぎたため後ろに円形の波紋とキラキラパーティクルで空間の余りを誤魔化しています。正直よろしくないので改善していきたいです。

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時々やっぱり逢いに━━

切り抜きなしで文字があたかもそこにあったかのような表現をしてみたいなということでFlatShadow+シャドーを使った文字を立体感持たせて登場させてみました。
ここは自分でもかなりしっくりきていて、胸を張って実写合成(?)がうまくいったのかなと思う所です。

コツとしては、背景のXYZを一度アナログで書き出して文字の影がどのように表示されれば立体的に見えるかを検証し、トライ&エラーを繰り返すしかないと考えます。できた形に、シャドーでくっきりと存在を際立たせるというのがミソでしょうか。
その大変さと引き換えに、キッチリはまった時の爽快感はひとしおです!

FlatShadowの設定はこんな感じです

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シャドーを掛けないとこのようにのっぺりとした印象を受けます

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背景も相まって、立体感が薄れてしまうのでシャドーは必ずかけたいところです!
因みに、時々の裏に何で鳥の文様があるのかというと、時々→朱鷺→鳥と書けたギャグみたいなやつです。お後がよろしいようで。

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来ずにはいられないみたいな?━━

京都の美しさを感じ取っている長塚さんのシーンを使用しています。背景が赤っぽいのは、色調で京都への情熱、興奮を表そうとしています。

それ以外は特に拘りがないというか、このセリフに対しての映像が思いつかなかったです・・・。

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黒谷の横の白壁の道を歩いた時に━━

某氏の動画の構図をぱk...リスペクトしてます。。。
白壁の道がだいぶ立体的に作りやすい配置かつ、ビビットカラーが映えるものだったのであまり苦労せずに作ることができました。

黒谷の白壁を一目見た時にセリフの文字をプロジェクションマッピングっぽくしたい!となったので、迫力と疾走感出しながらうまいこといけたのがよかったなと感じます。
だいぶ、文字が長塚さんとともにそこに「在る」ことを表現できたお気に入りの一コマです。

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チラッチラッとあったけれども━━

長塚さんがチラッチラッと目線を動かすごとにテキストが出てくる演出を入れました。こんな感じに全編を台詞の意味に合わせた映像にしたかったんですが、なかなかに意味合いを持たせるのが難しかったです。

ここと次のパートでは切り抜きを使った簡易的なロトブラシもどきを使用して動画を作っています。

というのも、いちいちBBを作ったり、切り抜いたりする作業が膨大すぎてめんどくさいので、このようにキーフレームとなる画像を一枚切り抜いて

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黒で単色化し数ピクセル拡大した後、映像に合わせながら大まかに動かしたのちに、背後に動かしたい素材を置いてルミナンスキーで抜くことで

もじもじ_SparkVideo

分かりづらい・・・

擬似的に連続した映像を切り抜いた時の挙動と同等の効果を得ているというものです。
編集が大変な時などにはたまにこうして手を抜いているんですが、結構便利で手軽にロトブラシで切り抜いた動画のような表現ができるのでお勧めです。みんなもやってみよう。

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極彩色を使った装飾━━

コロナ禍で沈んでしまった寺社仏閣を歩きで巡っていく中で、長塚さんの心に一つの答えが見え始めるシーンです。

このシーンでも、前述のロトブラシもどき的表現を使用して背景の線とキラキラのパーティクルを背景にしています。
京都の寺社仏閣は色彩豊かなものが多く、このシーンで使用した背景も朱色に輝く綺麗な物だったのですが、あえてここではくすんだ色にしています。

というのも、文字通り極彩色の文字を目立たせるためと、次のセリフで沈殿した京都の~というものがあるので京都自体をどよーんと沈んだ色にしているという感じです。

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沈殿したその京都の色の中で━━

コロナ禍で沈むように暗く閑散としてしまった京都を引き続き長塚さんが歩んでいきます。

前述のごとく、沈殿した京都の色彩を色調補正で表して、その中でカラーバリエーションの円が映えるようにしています
文字の迫力にも気を使っていて、カメラ制御で何とか立体感を出そうとしていますが、ちょっとここのシーンは粗削りな部分が多かったなと反省しています。

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どういう光だったんだろう━━

思索にふける中でお寺についた長塚さんは仏と出会います。
京都とはいったいどういうものなのかという想いが次第に長塚さんの中で増幅していく感じを表現しています。

思索、思考を表現する上で、画面上のものにも色々意味を持たせています。中央の如意輪観音菩薩は煩悩を破壊する仏法の象徴で、救世菩薩とも呼ばれる仏様で、端的に言うと説法で六道衆生の苦を抜き利益を与えます。

その横に小さく居るのが文殊菩薩で、智慧を司る仏さまです。

またまたその横がおなじみ弥勒菩薩です。こちらは思考のイメージとして演出しています。

シーンを端的に言うと、この三体のうち、弥勒菩薩と文殊菩薩が互いに知恵を出し合い長塚さんに力と知恵を授け、如意輪観音菩薩が救世のために長塚さんの迷いを解き放って苦しみから逃れさせて、煩悩を破壊しまた新たな場所へと進むためのヒントを授けているということを表現したかった感じです。(文字で説明しないと多分あんま分からないですよね...難しい)

三色の雲を配置しているのも、三人寄れば文殊の知恵からの発想だったり、下段四本のサインカーブは四季の流れとゆったりとした時間の流れという二つの流れを表していたり、襖を登場させているのも大サビで襖をぐるぐる展開する(=このシーンから飛び立っている)映像を出す暗喩だったりと結構ここがキーポイントの映像になっているのでかなり力を入れた印象があります。

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そう思う時ありますね━━

曼荼羅に触れた長塚さんは宇宙的な仏教のパワーを感じ取り、その精神世界で仏と一対一での対話を交わします。

思考が長塚さんの中で一つになり、コロナ禍で沈んでしまった京都、果ては日本や世界の行く末を案じる迷いなどもすべて断ち切りこの期に起こす行動への決意を胸にしたシーンを目指しています。

因みに背景の星空はNASAのフリー素材を使用してます。豊富すぎて何選べばいいのかわからん!って感じですが、動画に宇宙のエッセンスを入れたい方にはかなりおすすめのサイトです。

速足でしたが、こんな感じです。このように全体を通して、絵巻物のような、映像的に言うと年末に投稿される作家のREELのような、おもちゃ箱をぶちまけたかのような種々雑多ともいうべき映像を目指しています。ただ、個々のパートはときに力を入れた部分とそうでない部分の激しい箇所なので、今度作るときはもう少し練度を上げたいですね・・・。


このシーンで参考にした動画を下に載せておきます。


かいせつ3

ここでは長塚さんの問いかけに答えるかのように、「そうだ京都、行こう。」の二十年と書かれた本が私たちを「そうだ京都、行こう。」の歴史そのものへといざなうのが主題の地味に重要なパートなので、嵐(サビ)の前の静けさを重視して映像を作りました。

本の中に吸い込まれる中央のシーンは絵で表現しようか迷ったのですが、実写のほうが何となくリアリティがあるかなぁと感じたのと、本来やる予定だった「自分で撮った京都の実写映像を使う」というのが出来なかった代わりに別の自分で撮った映像を少しでも使おうと思ったので実写にしました。

この実写、なかなか撮影に難儀しまして、Twitterの料理動画の手動イージングのように滑らかで違和感のないカメラワークをつけたかったのですが撮影技術のなさから何度もリトライを重ねてそれなりにスムーズな動きになっているものを採用しました。今思うともう少しこの中に吸い込まれるかのようなエフェクトをつけるべきだったかなぁとも思います。

(音声解説に足を突っ込んでしまいますが)因みにここの「今はとても難しいことのように思います」「それではみなさんご一緒に」というセリフは実際のものではなく、自分で合成して作ったものです。結構違和感なくできてうれしい。

かいせつ4

大サビでは主に3つの画面構成からなります。
金襖プロジェクションマッピング(アルバムの中の世界)、インターネット(データの中の世界)、宇宙パート(思考の世界)とでも仮称しておきますが(脈絡がなさすぎるネーミングセンスだな...)、このような場面設定にしたのは訳があって、コロナ禍の世界で旅行に忌避感が生まれてしまったところ、旅行という外出行為を経ることなく京都を楽しめる世界観にしたかったからというのがあります。

過去に撮影した写真やデータを家でゆっくりと眺めて1年ごとに回顧しながら、思い出という思考世界の中で京都に浸ることをセリフ選びも含めてイメージしています。

以下にそのセリフを記します。

2018年~
「京都の」
「物言わぬ景色のなんと雄弁な事でしょう」
「間違いなく日本代表選手です」
「この街が残してきてくれた」
「心の窓を通して眺めると」
「あなたのことが少し分かる気がします ━迷っていらっしゃる?」
「いつも」
「この街からはたくさんのヒントを貰う事が出来ます」
「『じっと待つこと』」
「桜がこうして見事に咲くまでに 長い冬を越さなくてはなりません」
「こういう」
「広い道ばかり歩いていては 見つからなかったと思うなぁ」
「桜を見ると こういう事思うんです」
「平安時代に」
「いらっしゃいませんか?」
「950年前に造られたここには絵に描いた様な春がありました 絵を描く様に桜の木を一本一本植えていったのです」
「一日たっぷり」
「こういう場所に連れてきてあげたいと思います 今」
「この国も大変な事になって来ているようですが」
「一つの時代は」
「いうなれば」
「沙羅双樹の花の色」
「知る人ぞ知る歴史を潜り抜けて今も」
「京都は此処で待っています」
「私は昔に向かって歩いています」

~1993年

台詞選びに込めた想いは読んで頂ければ十分にわかると思うので、どのようなギミックやこだわりを仕込んでいるかについて解説します。

一つ目は改変をほぼせずにそのままセリフを持ってきているという事です。

大サビ前のパートのように、つぎはぎでセリフをある程度幾らでも作ろうと思えば作れるのですが、それではセリフに感情が感じられない、生の長塚さんのセリフを使いたいというこだわりがあったので何とか頑張って一つの文章になるようにセリフを持ってきています。

二つ目は「回顧」「タイムトラベル」のイメージから、セリフを2018年~1993年のものまでひとつずつ順番に並べているということです。

これに関してはかなり悩みまくりながら行いました。というのも「レトロスペクティブ京都、行こう。」でその試み自体は既に行っており、もう一度同じ要領でセリフを再構成するとなるとなかなか新しく文章を考えるのが出来ずに結構な時間を費やすこととなりました…。
ただ、ここをしっかりしないと今まで積み上げてきたサビへの伏線(?)のようなものの意味がなくなってしまうのでしっかりと(若干の齟齬はあるものの)構成して仕上げました。

三つ目は「レトロスペクティブ京都、行こう。」のオマージュセリフを入れていることです。

具体的にはこの国も~昔に向かって歩いていますの部分なのですが、このオマージュを入れた理由としてレトロスペクティブ~の動画を作った時期と現代のコロナの時代を対比させる目的があります。

と、このようにセリフだけでも個人的なこだわりを持って制作してます。全編にわたってのセリフの載せ方のイメージ(様々な場所からセリフを選んで再構築する)はネトフリのこの動画を見て思いつきました。

こういう複合MAD的な文化を吸収したっぽい作品が好きです…良い…

話を映像の方に戻しまして、こ ちらも3シーンに分けて解説していこうと思います

◆金襖プロジェクションマッピング(アルバムの中の世界)

名前そのまんまですが、アルバムのページを捲りその世界の中に吸い込まれるように金襖に映し出された京都の史跡が実際に行かずとも我々に京都の美しさを再認識させる...といったようなイメージで制作しています。

ここのシーン、どのように制作しているかというと、年毎に一枚ずつこのような屏風を作って

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カメラ制御のZ軸を使用して手前から奥に次々と移動させているという至極シンプルなものです。

・・・と言いつつ、調整には苦労しまして、例に挙げている東寺をはじめとしたほかのシーンでもこのようにゆかりのある人物だったり物だったり史跡だったりを登場させているのですが、奥へ奥へと拡大させている関係上端に登場させているものが見えなくなってしまったり、セリフの短い年はそもそも登場時間が短くなってしまって詰め込んだものが全然見えなかったりとかなり悔しい思いをしました。

折角なので全部を載せます詳しい人、どんな史跡が使われているか探してみてください!!!(無茶ぶり)

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色調補正前&TAルビに雰囲気を頼り切りで恥ずかしいですが、こんな感じです
切り抜きはすべてPhotoshopで行いました。流石にこの量をGIMP2で賄うのは難しかったゆえの判断です...魂売ったからにはAEに移行したいわね。

膨大な量の情報を載せた動画が好きだったのでこのように何回も見ないとやっと気づかないような配置とかで物を置いたりしてました。ここ一番楽しんで作ってたと思います。

素材の管理もこのような感じになっちゃってます

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(◆迷っていらっしゃる?)

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一応ここも解説します。迷いを表現するために、あえて金屏風の華やかさとは百八十度変わった暗く鬱蒼とした雰囲気づくりを心掛けています。

ぐちゃぐちゃした文字はテキストの上にこのように

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拡張機能で振動させた文字輪郭追跡をつけたテキストをのせて乱れた感じを演出しています。

また、VHS風にも挑戦しており、一度画面を作ってMP4で出力後、走査線・エンボスで質感を、ラスターで画面を波打たせて特有の粗を作って再エンコードすることで画質の劣化をわざと狙いつつvhsっぽく仕上げてます。(mp4は非可逆圧縮なので何度もエンコードを行うと次第に品質が劣化していきます。とはいえ、そこまででもなかったことはここに記しておきます・・・)

質感設定はこのような感じです

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参考にした動画はこちらです

雰囲気ヤバいよね、こういう動画作れるようになりたい

インターネット(データの中の世界)

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本の中の世界、活字を離れてデータの世界へと移行していきます。過去の旅の思い出、写真や動画などの保存されたデータたちが我々を京都の甘美な夢へと誘おうとしているイメージです。

なので、ここでは屏風シーンで見られた和の美意識というよりかは往年のWindows効果音MADのような少し異質な雰囲気になっています。同じような画面が続くよりかは、バラエティ豊かな絵作りをしたかったが故の選択でした。

背景は粒状化とシャープでPC世界のデータにおける靄のようなものを演出しつつ、次のパートの宇宙にスムーズにつながるよう、ちょっと宇宙空間っぽく仕上げています。

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こんな感じです。粒状化はノイズとはまた違った、不思議な質感を出せたりするのでお勧めです。

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ここのファイルの移動はDelayDrowを使っています。
使い方はこちらです

また、各シーンの窓は一回このようなものを作ってから

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一つ一つを透過AVI出力して使用しています。
こんな感じです。

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sceneを利用して重い思いをするよりかは、どんなにかさばってもAVI出力をして中間ファイルを生成しておいた方が編集の際の手間が省ける・・・と思います。

参考にした動画はこちらです

6:20~のパートを参考にしています

宇宙パート(思考の世界)

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サビの最後のパートです。ここではデータの世界を離れて宇宙の世界へと移動します。なぜ宇宙なのかというと、非常に漠然としているのですが仏教世界と宇宙世界の繋がりのような話を前に聞いたことがあって、そこからの発想で宇宙に行ってます。

長塚さんが左から右へと”京都”のCMを一年ごとに巡るのも、上手と下手の概念や、左が未来、右が過去という演出の基礎を取り入れています。

本当に盛り上がりの最終形態のような場面なので、これまでに登場した史跡だったりを続々と再登場させて、我々の道の行く末を見守っている風に見せています。

参考にした動画はこちらです

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言ってしまえば、YTPMVパートの使いまわしなのですが(おい)、全体の構成的には祭りの後の静けさだったりとか、夕方から夜に駆けての都の閑散とした雰囲気、そして全体の余韻を噛みしめることをイメージした静かなパートになっています。

解説する場所を失っていたのでここで説明しますが、YTPMVの小窓に使えるかなぁと思って、こんなものも作りました。

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漢字の「い・ろ・は・に」の家紋を基に、モーションをつけてみたのですが、素材が見にくいのと、クリッピングしたときに結局何がどう動いているのかわからなくなったので没にして、YTPMVパートの賑やかしとして配置してあります。よかったら探してみてください(?)

因みにラストの旅情と笑顔に~のセリフは、完全に東方虹龍洞の6ボス曲の作者コメント欄からの借用に近い何かです。
また、あのような日常が戻ってくるといいですね。本当に...。

◆あとがき

まず、ここまで読んでくれた人がそうそう居ないだろうという感想はさておいて(え)ひとまず無事に世に出せたことがうれしかったですね。
今回は、動画のシーン一つ一つに”意図”意味合い”を加え、コンテクストに満ちながらもパワフルに、カラフルに動く動画にすることを目標に作成しましたが、自分の技量不足か、まちまちになってしまった印象です。(あと、Note書くのがめちゃくちゃ大変だし途中で何度も断筆を繰り返してしまったのも反省・・・一気に書き上げることの重要性がある・・・)

ただ、「意図のない意匠は確かにかっこいいし、使いたくなるけど、それは量産型の映像であって一つの作品としていえるのだろうか」という個人的な悩みに直面してしまっていた自分にも、この作品を作ったことで一筋の光がさしたような、そんな気がします。


自分の動画は基本的に難産なのですが、この動画は特におなかを痛めて生んだような気がします。それだけに、こうして皆さんと動画を共有できる喜びはひとしおです。

苦しみながらも、妥協しながらも、京都に関してやりたいことはやり切ったという感覚なので、この作品を以てシリーズはひとまず帰着点に立ったのかなという想いがあります。...といいつつ、また出すのがぼくの性格上確実なんですが...(だって思いついちゃうんだもん)


ここまで読んで頂き本当にありがとうございました!
それでは、次の記事でお会いしましょう!

(ここに書いてないことでなんか動画で疑問に思う事とかあったらTwitterでいつでも聞いてね~)

追記:10選で22票、第五位をいただきました。。。本当に京都があの10選で流れたのか・・・といまだに状況が飲み込めていないところもあり、喜びに打ちひしがれている自分とで感情が洪水のぐちゃぐちゃになってます。

昔から使われていたわけでもない、メジャーでもないこの京都と言う素材がこのような結果をいただけた事、涙なしでは語れませんし、投稿して、投稿できてよかったという想いでいっぱいです。

改めて投票して下さった22人の皆さん、そして動画を見てくださった方、応援してくださる方、本当に本当にありがとうございました!
2022年は忙しくなるんですが、ゆっくりじっくりとやっていけたらなと思います。良き年を~








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