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【狩猟日記】ハンター3年目#4【火薬類の消費期限】

休日ハンターのちょーすです。

狩猟で使う火薬類にはそれぞれの譲受許可証や無許可譲受票により、消費期限が異なります。

購入後の実包自体にはいつ購入したかを確認する術はありませんが、実包管理台帳等でしっかりと状況を把握しておく必要があります。

火薬類の消費期限

実包等の火薬類には消費期限がありますが、そのルールは法令として規定されているものだけでなく、内規や通達として出されていて、言うなれば努力義務とされているものもあり、所轄で独自ルールとして運用されているケースもあります。

しっかりと正しいルールを認識して、適正に対応することが必要です。

火薬類取締法

まずは大原則の火薬類取締法では22条に残火薬類の措置についての記載があります。

(残火薬類の措置)
第22条
製造業者若しくは販売業者が、第8条若しくは第44条の許可の取消しその他の事由により営業を廃止した場合、火薬類を消費する目的で第17条第1項若しくは第24条第1項の規定により火薬類の譲受け若しくは輸入の許可を受けた者が、その火薬類を消費し、若しくは消費することを要しなくなった場合又は第25条第1項の規定により火薬類の消費の許可を受けた者がその許可を取り消された場合において、なお火薬類の残量があるときは、遅滞なくその火薬類を譲り渡し、又は廃棄しなければならない。
相続若しくは遺贈又は法人の合併若しくは分割により火薬類の所有権を取得した者が、その火薬類を消費することを要しなくなったとき、及び鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第55条第2項に規定する狩猟者登録を受けた者であって装薬銃を使用するものが、登録の有効期間満了の際火薬類を所持する場合において、その満了の日から1年を経過したときも、同様とする。

火薬類取締法

1つ目の文章には「火薬類を消費することが出来なくなった場合は遅滞なく」、2つ目の文章には狩猟用の火薬類は「狩猟者登録の有効期間満了の日から1年を経過したとき」に譲渡または廃棄をしないといけないとされています。

猟銃用火薬類等譲受許可証

標的射撃(クレー射撃等)の許可を受けて購入した場合は、消費期限はありません

しかし、何発撃つかわからない狩猟と違い、標的射撃ではどのくらい消費するかはあらかじめ分かるため、あまり長期間で火薬を保管していると、銃砲一斉検査や更新時に担当の警察官から「残火薬は処分してください」と促される可能性があります。

猟銃用火薬類無許可譲受票(狩猟用)

狩猟用の譲受票については明確にされており、その猟期が終わって1年後(次猟期末日)まで、保管・消費が出来ます。

狩猟者登録証の有効期限が満了した際の残火薬類は、満了の日から1年間は適法に所持できるが1年を経過したときは遅滞なく譲渡又は廃棄の手続きをしなければならない。
なるべく譲受けの時点で残火薬類を残さないような数量を譲り受けるよう心掛けるとともに、猟期終了後は猟友会等の主催する射撃会に参加するなどして残弾を自宅に残さないよう配慮することが望ましい。

こちらは銃砲所持許可証の38ページにも記載されています。

1年を過ぎた火薬は、火薬銃砲店に廃棄をお願いする必要があります。

猟銃用火薬類無許可譲受票(有害鳥獣捕獲用)

有害鳥獣捕獲用の譲受票については、標的射撃と同じように消費期限に決まりはありません

しかし、経済産業省が「従事者証の有効期限から3か月以内に消費してください」と内規を出しています。

鳥駅の保護及び行猟の適止化に関する法律第9条第1項の規定による鳥駅の捕獲をすることの許可を受けた者又は同条第8項に規定する従事者証の交付を受けた者であって、装薬銃を使用する者は、許可又は従事者証の有効期間満了の際、なお火薬類の残量があるときは、その満了の日から3月以内にその火薬類を譲り渡し、又は廃棄しなければならない。

有害鳥獣捕獲に係る残弾に関する火楽類取締法令の規定の解決に ついて(内規)【経済産業省】

警察庁からの「通達」も出されているようです。

8不用実包等の処理
(1)有害鳥獣捕獲目的で譲り受けた火薬類を廃棄等しなければならない時期
鳥獣保護管理法第9条第1項の規定による鳥獣の捕獲をすることの許可又は同条第8項に規定する従事者証の交付を受けた者であって、装薬銃を使用する者は、許可又は従事者証の有効期間満了の際、なお火薬類の残量があるときは、その満了の日から3月以内にその火薬類を譲り渡し、又は廃棄しなければならない。

警察庁丁保発第123号猟銃用火薬類等の取扱いについて(通達)【警察庁】

しかしながら、内規や通達はあくまでもお願いということで、法令として明記されているものではありません。

ただ、警察としては1ルールとして存在しているので、「遅滞なく」消費しておくようにした方が確実です。

転用消費

また用途に複数記載されている場合等には、射撃場での練習等に使用することは問題ないことも明記されています。

火取法第17条第1項第3号の規定により無許可で譲り受けた猟銃用火薬類等や、狩猟又は有害鳥獣駆除等の目的で許可を受けて譲り受けた猟銃用火薬類等について、狩猟及び有害鳥獣駆除の用途に加え、射撃場における練習射撃(狩猟、有害鳥獣駆除の練習の一環として行われる射撃大会を含む。)に使用することは差し支えない。
また、技能講習及び狩猟前練習に使用する猟銃用火薬類等について、猟銃所持者が現に猟銃用火薬類等を保有している場合には、当該猟銃用火薬類等の譲受目的にかかわらず、これを使用することができる。

警察庁丁保発第166号猟銃用火薬類等の取扱いについて(通達) 【警察庁】

火薬類の廃棄

火薬類は当然ながら、一般ごみとして廃棄することは出来ず、火薬銃砲店で概ね散弾実包は1発あたり100円で対応出来ます。

散弾実包:100円/個
ライフル実包(センターファイア):100円/個
ライフル実包(リムファイア・22口径以下):50円/個
空包:35円/個
銃用雷管:20円/個

日本火薬銃砲商組合連合会

上記の単価に加えて、認定販売店不用実包等受取手数料が1回あたり2,000円と消費税が加わります。

料金計算の例(散弾実包10個、銃用雷管5個場合)
不要実包廃棄料金:¥3,410(税込)
【内訳】
散弾実包:¥1,000(¥100×10個)
銃用雷管:¥100(¥20×5個)
認定販売店不用実包等受取手数料:¥2,000
消費税(10%):¥310

1回の処分で必ず2,000円の認定販売店不用実包等受取手数料が掛かるので、数発の処分だと勿体ないです。

最寄りの火薬銃砲店に相談をして、対応が可能であれば、依頼書を記入し、廃棄処理料金を支払います。

その後、不用実包を搬入・搬送して、廃棄が完了すれば廃棄完了報告書を受け取り、手続きが終わります。

まとめ

この記事をまとめるにあたって調べていたところ、従前は不用になった実包・雷管等は、警察署が回収し、自衛隊が海洋投棄等により廃棄していたようです。

当然ながら、海洋投棄が出来なくなり、それに伴い警察署で回収することが出来なくなったようです。

よくお世話になっている警察官にも確認したところ、「確かにしっかりと確認してみると、厳密には法令ではないので努力義務ですね」とのことでした。

また装弾繋がりで言うと、猟場や射撃場で装弾を落としたり紛失しないように、腰袋はあった方が良いです。

多少、大きい方が猟場で過去に他の人が撃った空薬莢等も拾って帰れます。