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外人になるのが好きだ。

自分は外人になるのが好きだ。
1人で誰も知らない環境に飛び込む。
気づきや刺激が普段の10倍くらいの勢いでやってくる。

それが国外の場合は特にだ。

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初めての1人旅、それはもうビビった。
常に最悪の事態を想定し、万全を期し、石橋をぶっ壊して作り直して渡るタイプの私だ。それはもうビビった。

ひとり旅に出るようになったきっかけは、友達になった香港人の女の子でした。決してペラペラではなく、自分と同じ日常会話レベルの、自分より5、6個下の子が、何事にも動じず、ネイティブたちとグイグイ喋り、飛行機でそいっ!!っとどっか行ってきてしまう。

負けず嫌い誇り高き戦士系男子の僕、

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「これは俺もビビっている場合ではない!」となりました。

海外の格安航空のサイトを読み漁り、なんとかチケットを購入し、マンチェスターからフランス、スペインを周遊。(ヨーロッパ間の飛行機移動、時期によっては国を跨いでも数千円という格安さに衝撃を受けた)この時の己の力でチケットを取って旅を成し遂げたことが自信になって、調子に乗って他の国に行ったり、ライブチケットを取ったり、世界が広がりました。それからと言うもの、旅先ではたくさんのハプニングに見舞われました。その中でも一際思い出深い事件が

オーストラリアホステル事件

個人的に長いこと夢に見ていた「いつか海外のフェスに行く。」その夢を叶えるタイミングが急遽訪れて、翌日の航空券、ライブチケット、ホステルの予約をその場で取って飛びました。その時期、海外情勢が若干不安定な時期でしたが、いろいろ調べて判断して行ってきました。

その時参戦したのが

SOUNDWAVE FESTIVAL 2015

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.Slipknot、incubus、マリリンマンソン、Slash、FALL OUT BOYなどなどの激アツメンツに加えて、何が熱いってこの中にCrossfaith,ONE OK ROCK,coldrainという日本人バンドも含まれていたこと。海外の舞台で日本人が演奏して、どんな反応になるのか、それもドキワクで前日は眠れませんでした。写真取り放題最高。incubus最高。

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ライブレビューしたら本になるボリュームなのでこれはnote分け まする!

After Festival...

2日間のフェスで最高な時間を終え、3日目は鬼のように寝てやろうと出国前から決めていました。2日間歩きっぱなし、叫びっぱなし、日差し浴びっぱなしデイズを過ごした訳です。それはもう泥のように、水のように、溶けるように寝ますよね。そう、寝てたんですよ。午後一時ぐらいまで寝続けてやろうという気持ちで。

一番気持ちの良い取引、じゃなくて睡眠時間の気持ちの良い朝5時、部屋に爆音が響きわたりました。

ガンガンガンガン!!!ドンドンドン!!!
バキバキバキバキ!!!!ガンガンガン!!!

熟睡僕 in the 布団 「は?」

うるさいの度を超えて危険の領域の音量。
昨日フェスで聞いたスリップノットのそれとなんら変わらない激音。音に震度が伴って天井からコナコナが降ってくるレベル。これですよ。

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異国の地、安ホステルで僕はテロ的なものに巻き込まれたと思いました。思ったその時、ドアの向こうで受付のおばちゃんの叫び声

「hurry up!!hurry up!!!」

「思う」が「確信」へと変わった瞬間でした。
映画愛好家の自分は、日常の朝5時に「hurry up!!」のシャウトは、銃を持った敵が乗り込んで来て、「みんな急いで逃げて!!!」の意味であるものとして秒で脳内変換されました。

でも、おばちゃん叫ぶ=おばちゃんは状況を知ってる=扉の向こうにやばいやつがいる

訳じゃないですか?これでドアを開けたらドン!そいっ!であの世行きの確率の方が絶対高いと思った僕は、半袖短パンで窓から飛ぶ選択肢に切り替えました。

体力0、半袖・短パンのjapanese manはパスポートと財布をポッケに突っ込んで、髪ボサボサ、コンタクトしてないから度がキツすぎて目がちっさくなっちゃうメガネの状態で二階から飛び降りようと身を乗り出す。格好だけはスパイダーマン。見た目はもうひどい、それはもうひどい。

おばさんの叫び声から察するに迷う時間はない。でも足折れるかもわからん高さ。さぁどうする!!!その時、聞こえていた爆音が止まり、自分の部屋の前から足音が離れていくのを察した僕。

これはドアからチラ見してから判断や!!

ドアに走り少し開いた隙間から外を覗く。

衝撃。

昨日見た景色と違う。

自分の部屋から出たとこの屋根がない。

しかも黄色い立ち入り禁止的テープ貼られてる!!

戦争!?屋根吹っ飛ぶ砲撃?!でも黄色テープ貼ってあるってことは現場検証というか、なんか事件後的な感じ!?パニック脳を整えてドアの隙間から状況判断していると、テープの向こうにいる旅行客の人たちが楽しそうな様子。全くワケワカメだけど、様子からテロと命の危険は過ぎたと判断してドアを出て受付のおばちゃんのとこへ走る!!

「おばちゃんなにがあったんや!!」


おばちゃん言う


「あ!!!あなたに言い忘れてた!!メンゴメンゴ!!今日屋根の修理でさ!!朝早くからだったからあのテープの向こうの人は部屋を移動してもらってたのよ!しゃーないからあなたの部屋を一番いい部屋に変えとくわね!テヘペロ!」

屋根の修理!!!!!(写ってるドアがmy room)

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朝5時から!!!

直下部屋の人!!

俺!!!

知らない!!!!

CAUTIONじゃねえよ!!

もうぶっ飛びすぎて笑えるレベルだし、本気で死ぬかもと思ったからおばちゃんの、あのテヘペロが、その時は安心でものすごく嬉しかったのを覚えていますが、今書いて改めて考えたらハラタツ案件やんけ!笑

屋根の上の作業員さんたち黒人さんのフルマッチョで上裸、勝ち目0過ぎな見た目だったので、先に気づいてたら足を折ってでも飛び降りていたでしょう。そのお兄さんたちにハヨヤレ!!ハヨヤレ!!と急かしてたおばちゃんが一番amazingでした。

でも本当に何事も無くてよかった。

そのあとは結局寝れず、街に繰り出して死んだ魚の目でベンチに座っていました。

眠すぎる。でも寝る場所ないし。

一日ベンチで人間観察。

見ていると結構フェスのリストバンドつけてる人いる。

ん?あの人のバンドの色見たことない。

昨日ベース弾いてた人やんけ!!!

日本のフェス出演も決まっているバンドだったので、飛んでって『胸熱でした!JAPANで待ってます!』を伝えると気持ちよく写真撮影の取引に応じてくれました。大感謝。

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うれしきハプニングに、神は試練の後には至福も与えると気付かされた瞬間でもありました。

ハプニングはいつだってドキドキだ。
そしてそれは、考え方も感じ方も全く違う世界で起こりやすい。

だから僕は外人になるのが好きだ。


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