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島暮らし 2.0 夏

島の夏へようこそ

子どもの頃、「アリとキリギリス」で因果応報的にキリギリスが寂しい冬を迎えるのが、どうにも納得出来なかった。夏を楽しんで何が悪いのか。

島へと引っ越した我が家、当初の想定では夏には新居が完成しているはずで、気持ちよく海を眺めながら友人たちと語らう予定だった(が、秋を迎えた今でも建物の気配すら無い)。こんな仮住まい誰も遊びに来てくれるないかもと思っていたところ、夏休みは来客ラッシュとなった。

保育園の友達一家。キャンプ仲間×2。高校の同級生×2。甥っ子。9月の3連休も入れると6家族。3月から5月にかけての少しメランコリックな感じが嘘の様に、8月の我が家は笑い声に満ちていた。
いつも仲良しの友達はもちろん、普段はあまり絡まない同級生女子とも、海さえあれば仲良くなれる。「私たち将来家族になるかもね、お義母さん」と親同士が盛り上がったり。

島の夏の過ごし方

友人達は概ね東京からやって来た。家族で来るとそれなりに交通費もかかる。これといって観光スポットもないけれど、みんなそれに見合う時間を過ごせるのか。好きで引っ越した私が思うのもなんだけど、ちょっと心配。

海で遊ぶ
まずは家の近所の浜辺。砂の粒が大きくて水の透明度も高い。沖に出ると危ないけど、波打ち際で遊ぶ分には問題ない。夕暮れ時には、橋、小島の向こうに夕陽が沈んでいく。新居予定地の浜に行くと、こちらは砂が細かく素足で歩くのが気持ちいい。
毎日の様に海に行くと、同じ浜でも日によって透明度が全く違うこと、干満の時間も全然違うことに気づく。知っていても気づいてないことってあるのだ。

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夏といえば飛び込み!と思って育った私。ちょっとした高さより頭から飛び込んだところ、海底の岩に頭をぶつける始末。死ななくて本当よかった。それでも懲りずに一回転して飛び込もうとしたら、あえなく腰落ち。これが後にヘルニアのトリガーになったとかならなかったとか。

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ボートで遊ぶ
それも海では、という疑問はさておき。ボートを借りて釣りをしながら海をさまよい、他の浜に上陸したり無人島を探索したりというのはなかなかに楽しい。まず夫が沖から迎えやってくるという時点でみんなテンションが上がる。「ジェームスボンドみたい!」それってピアス・ブロスナンでなくダニエル・クレイグですよね。頭髪的に。

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雨がふったら
雨がふってもプールは空いているので、プールに行くという手はある。F家の来島時はちょうど前日に因島のプールに行っていたので趣向を変えて西条にあるモンベルのアウトドア施設へ。クライミングやボルダリングにチャレンジできて子供も大人も楽しめる。

生き物探し
いつかじっくり書こうと思うが、うちの息子は生き物が好きだ。どのくらいかというともの凄く好きだ。という訳で、虫仲間のU父子と共にカブトやらクワガタやらを追い求め山や茂みへ。夜はリングネームをつけてもらったクワガタ決闘の舞台に。生まれ変わってもクワガタにだけはなりたくないな。やつら(子供たち)は、すぐに虫かごの蓋を開けっ放しにするので、気が付けばブーーーンと家の中をカブトが飛び回る音が。ザ・カオス。

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島は鳥の種類も多く、背中が紺色お腹が橙色のイソヒヨドリが私のお気に入りだ。声もいい。

流しそうめんとバーベキュー
最初にやって来た友達一家が帰る昼、外に食べに行く時間もないということで急遽流しそうめんをすることに。近くの竹やぶから夫が竹を切り出し鉈でぶった切ってそうめん台を作った。これを夏中使い回した。私がやることといえば麺茹でて麺つゆを薄めるだけ。楽勝。バーベキューは、男性陣が火を起こし男性陣が焼けば良いので、これも楽勝。女性陣はただワインを飲めば良いんじゃないの?

夕陽をみる
港のさきっちょで釣り糸を垂らしても、浜辺の階段に腰掛けても、夕陽はただただ美しい。夕陽をつまみにここでも一杯。

こんなアクティビティでも良いと思う人たち、ぜひ今度島においでよ。

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我が家のショートトリップ

島に来たF家が西日本を回って帰るというので、我が家もお邪魔させてもらって共に隠岐島に。やっぱ島なんかいっ!と自分でもツッコミながらも、これが最高だった。隠岐は、西ノ島に滞在したのだが海はもちろん山も良かった。
「ハワイ島みたい。行ったことないけど。」
「やっぱカウアイ島じゃない?行ったことないけど。」
当人しか面白くないノリで、キャッキャキャッキャとはしゃぐ大人たち。

やっぱり旅っていいな。

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「牡蠣だけに引っ掻き」

これは、牡蠣で怪我した息子が抜糸の際にお医者さんに言った言葉。G-ショックをして少し緊張気味の息子に、「ワシオだけにカシオ?」と軽くほぐしてくれた先生への返し。

しかし、この怪我の時ほど橋に感謝したことはない。従兄弟たちが来て一緒に遊んでいて、私が少し目を離した隙に牡蠣だらけの階段に上陸していた。そこに息子の足がすっぽり入る穴があり、気づいた時には太腿から足首がダラダラと流血の大惨事。周りにいたお母さんが家の水道で傷を洗ってくれ、日曜日に診てくれる病院を探してくれ、我が家は急遽車を走らせたのだ。この間息子、一度も私に抱かれることなく自分の足で歩き続けた。

そして病院に着いてからは、ブラシで傷口から牡蠣を掻き出すという処置が...。麻酔しているとはいえ「今何してるん?」と聞かれても、母にはとても言えません。兎にも角にも、海に行ったら片時も目を離してはいけない、という教訓を学んだ一日だった。
(写真は何の罪もない、島の岩牡蠣。夏限定也。)

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夏が終わるころ

夏休みにちらりと東京に行った際、行きつけのワインバーmarucanにて「島に来て出張marucanしてみない?」と声をかけていた。申請した補助金で、今年度はテストマーケティングする予定になっている。島のちょっと雰囲気良い場所で、美味しいワインと料理があったら本当に人が集まるのか、という実験。

9月、marucanのメンバーからメッセージが入った。「3連休なら島に行けますよ。」
急に忙しくなりそうだ。

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