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バンドのボーカルをしていた先輩

2月15日74日目。

ちょっとしたきっかけで、幼稚園〜高校時代ずっと同じ学校だったひとつ上の先輩とサシ飲みをすることになった。場所はスナック来夢(ライム)。そういえば、さいきん(とはいえゆっくり会ったのも数年ぶり)帽子を脱いだところを見たことないなあ、と思っていたところ、おもむろに帽子を脱いだ頭は、もうすっかり禿げ上がっていた。高校の頃は長髪で茶髪金髪パーマと自由自在だったあの髪の毛はもうほとんどいない。

生ビールを流し込みながら、お互いに近況をつらつらと話す。片耳が聞こえなくなり、漁師の仕事が続けられなくなったこと、近々離婚をしそうなこと、転職先にはとても満足をしていてそろそろ資格試験の準備をしているということ。

いろいろありますねえ、なんて相槌を打ちながら生ビールをおかわり。3杯目からはハイボールに切り替えた。先輩は、ハイボールを飲んだことがないらしい。レモンサワーも、遠別町では主流のレモンシロップが入った、飲むと少し喉ががさつくタイプのものしか飲んだことがないようだ。自分はあまり得意じゃない。喉がかさつくので。

数年前、友人の結婚式で札幌に行き、その時に入った居酒屋のお酒が美味しくて、安くて驚いた、と。朧げな記憶を引き出して店名を聞いてみたところ、どこにでもあるチェーン店の名前が出てきた。

中身があるようで、ないような会話を続けて、沈黙が目立つようになった時間、先輩がカウンターからデンモクをとってきた。中学から高校時代と、バンドのボーカルをやっていた先輩は唄が得意。「あれ、なんだったかな、さいきん聴いた唄がめっちゃいいんだよ」と、菅田将暉の虹という唄をデンモクに入力、転送し唄いはじめた。相変わらず上手だなあ、と思いつつ、歌詞の内容と先輩の境遇とがつながって、妙に心に刺さった。少しだけテンポがズレていた。

みんな、いろいろあるよなあ。先輩の十八番はONE OK ROCKらしい。

今日の一枚。冬の海岸は白い砂浜に見える。

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