１１月８日６４日目。

遠別町に戻ってきて７年。小さな町で過ごす日々は、会う人や行く場所がそれなりに固定されている。人口２５６２人の町なのに、２５６２人全員とあったことはないし、日々付き合いのある人と言えば１００人前後程度におさまる。

どの場所に住んでいても、おそらく自分が日常で関わることができる範囲は限られている。いつまでも変わらない人。会うたびに変わる人。めぐる季節。少しずつ解像度が増していく季節が移り変わる瞬間の事象。

狭い、決まった範囲で過ごしていても目を凝らしてみると、小さな変化をたくさん見つけることができる。良い変化も悪い変化もあるけれど。原生花園で咲くエゾカンゾウの時期が少しずつ遅くなっている、寒くなると居酒屋千世本のおでんと鍋焼きうどんが食べたくなる。いつもお世話になっている吉田さん、少しずつ白髪が増えている。千世本のマスターが写真に撮られることを楽しみにしている（ような気がする）。

変わらない日常であっても、少しずつ変わっている。地球規模の大きな流れによって変わるものもあれば、小さな関係性の積み重ねで変わるものがある。どう考えたって、自分は後者の手段しか持ち合わせていないので、そうやって変えていきたいものを、少しでも良い方向へ導いていくために日々積み重ねていくだけだ。

今日の一枚。

居酒屋千世本のマスター、ちよます。「マスター、ビール飲んでよ、ごちそうするよ」。ちよますと仲良くなるために一番の近道になる秘密の言葉。