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いきなりステーキを因数分解してみた。

肉好きの解放区「いきなりステーキ」。肉マイレージ20,000gのプラチナカードを目指している いなつち☆稲田智 です。

いきなりステーキちょいちょい通って、いまの肉マイレージは以下のとおり。
積算17,298gで、37,455位です。

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いまはまだゴールドカード(3,000g以上でなれる)でして、毎回ソフトドリンク無料特典ですが、何とか夏までにはプラチナカード(20,000g以上)を目指したいと思っています。そうすると毎回アルコールも無料になります(笑)。

今回は、私のようにまんまといきなりステーキの販売戦略に乗っかってしまった人間が、いきなりステーキの経営戦略について思うところをいきなり書きたいと思います。

いきなりステーキすごい勢いで売上拡大、店舗拡大してますが、いくつかのうまい戦略があるなと思っています。

「売上」を因数分解してみる。

売上を上げるために必要なKPIは?と考えると、いきなりステーキの場合、売上は以下のようなKPIに因数分解できると思います。

売上=1.単価×2.客数×3.購入回数

売上を上げるには、

1.商品の単価を上げ、
2.お客さんの数を増やし、
3.さらにお客さんに何度も食べてもらう、

必要があります。このそれぞれの数値が大きいほど、売上が大きくなります。

いきなりステーキは、このそれぞれのKPIに対し明確な施策を打っていると思います。

1.単価を上げる施策

これまでのステーキって、「いきなり」食べるものではなく、いい感じのレストランやステーキハウスなどで満を持して食べるものでした。

それらのレストランではせいぜい300g、多くても400g程度のステーキが品良く供されるものだったと思います。

いきなりステーキは、この提供者側が勝手に設定した400gなどの壁を取っ払ったのです。これこそが革命であり、肉好きの解放区たる所以です。

この革命により、肉好きは思う存分、1kgや2kgの肉を食べることができるようになりました。私は900gまでヤったことがあります(笑)。

この施策は、単価を上げるのに十分な効果をもたらしていると思っています。例えば、何かの試験に合格したお祝いとか、苦労して大きな商談がとれたご褒美とか、個人的な報酬として5,000円ぐらい出して思う存分食べるという需要を喚起していると思うからです。

私は15年ぐらい前、データベースに詳しくなりたくてORACLE MASTER GOLDの試験に合格したとき、吉野家の特盛で1人祝いました。しかし、そのときにいきなりステーキがあったら、確実に1kgステーキで祝っていたと思います。

また、筋肉をつけるトレーニングをされている方もライス抜きで重量級を注文されるようですね。

このように、重量の上限をなくしたのが、1.単価を上げる ことに効果をもたらしている施策だと考えます。

2.客数を増やす施策

お客さんの数を増やすには、店舗に来てくれるお客さんを増やし、かつ来てくれたお客さんを高回転で回す必要があります。

当初、いきなりステーキは、店舗に来てもらうために、ステーキなのに立ち食いのようなインパクトのある宣伝で客数を増やしていました。実際には立ち食いの店舗は少なく、ほぼ座って食べることができるのですが、あの高級なステーキを立ち食いというインパクトはたくさんのお客さんを集めるのに十分だったと思います。

いまではある程度認知度も増え、店舗数も400店舗を超えており、店舗数を増やすことで客数を増やそうとしているように見てとれます。

また、来てくれたお客さんを高回転で回す点ですが、立ち食いないし立ち食いに近いスタイルなので、お客さんがそんなに長居しないというのはわかると思います。

それと、もう一つ私が気づいたのは、必ず焼き方は「レア」を勧められる点です。レアの方が肉が焼けるまでの時間が少ないため、その分お客さんの回転数を上げられるのです。

私はレアは好みではないので、ウェルダンで頼みますが、「お時間かなりかかりますよ?ほんとにいいですか?」的なことを必ず店員さんに言われます。マニュアル化されているのでしょうね。ウェルダンだと、重量によりますが、出来上がるのに20分以上はかかります。店側からすると相当嫌なのだと思います。

このように、インパクトのある宣伝と店舗数拡大で来客数を増やすこと長居させないスタイル&レアを勧めることが、「2.客数を増やす 」ことに効果をもたらしている施策だと考えます。

3.何度も食べてもらう施策

これは肉マイレージ、肉マネーに集約されると思います。

肉マイレージとは、最初にお話したように、食べた積算のグラム数によってヒエラルキーの上位階層に行けるものです。

普通のカードからはじまり、
3,000gでゴールドカード、
20,000gでプラチナカード、
100,000gでダイヤモンドカードに登りつめます。

ダイヤモンドの場合、10,000円分のクーポン、誕生月にお好きなステーキ300gをペアで、並ばずに優先入店、お好きなドリンクペアで毎回無料など、ヒエラルキーの頂点にふさわしい特典があります。

このヒエラルキーを登りつめたくなり、ついつい通ってしまうのです。グラム数はランキングもされるので、友人とグラム数で戦ってしまうというのもあります。

また、最初のゴールドカードが3,000gと低めに設定されているのもポイントです。3,000gは結構すぐ到達するので、大概の人はすぐにゴールドカードの特典が受けられ、そこからリピートがはじまりやすくなっています。

肉マネーは、肉マイレージと似た名前ですが、アプリにチャージできるプリペイドのようなものです。毎月29日(肉の日)は、10,000円のチャージで、11,500円分の肉マネーになります。1,500円分はお得ですね。つい29日にチャージしてしまい、チャージしたから使わなきゃと、頻繁に通ってしまうのです。

このように、肉マイレージと肉マネーで人間の本能をくすぐることが、「3.何度も食べてもらう 」ことに効果をもたらしている施策だと考えます。



つまり、いきなりステーキは、

売上=1.単価×2.客数×3.購入回数

という方程式を愚直なまでに実行することで、急拡大している企業であると分析できます。

このように、売上を因数分解して考えることは、とても単純で当たり前感があります。しかし、意外と世間の会社では、細かく因数分解してKPI管理されているところは少ない印象です。

経営管理上、売上、粗利、営業利益など、会計的な数値は事業をやる上で意識しているでしょうが、それをさらに現場が認識できるKPIまで落として愚直に実行していることは稀なのではないかと感じています。

経営層が、ただ売上を増やせというだけではダメで、きちんと現場が認識できるKPIにブレークダウンすることにより、経営でやりたいことと、現場の実行内容をしっかり繋ぐ必要があるのだと感じます。この文脈において、いきなりステーキから学ぶことはとても多いです。

これからも因数分解しながらいきなりステーキを食べていきたいと思います!目指せプラチナ!

おわり。

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※最近のいきなりステーキは、行き過ぎた店舗拡大で成長が減速傾向との話もありますが、ここでは一旦置いて記述しております。



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