見出し画像

【大人の自由研究】バナナは置き方で「持ち」が変わるのか?

バナナって傷むの早い。置き方工夫すれば長持ちするんじゃ?

こんにちは。遠足の前には「バナナはおやつに入るんですか?」といつも先生に確認してた いなつち☆稲田智 です。

子供が夏休みに入り自由研究の宿題が出ました。私も自由研究やってみたい!と思い立ち子供とは別に「大人の自由研究」をすることにしました。

題材をしばらく考えてたのですが、ある日ツイッターを見ていたら、破天荒フェニックスで有名なオンデーズの奥野さんがつぶやいていました。

あああ、この手があったか。これ長持ちしそう。

奥野さんの実験はまだまだ続くと思ってたのですが...

いや、突然の終了!(笑)実験開始から4日後、おいしく甘酒に混ぜて食されてました。

そのとき、考えたんです。

このまま置いてたら、何日持ったんだろう?

普通に置いたバナナと比べてどちらが長持ちするんだろう?

小さく灯った疑問の火種が、やがて炎と化し、私の情熱を焚きつけました。

そしてついに自ら実験することにしたのです。

【大人の自由研究】
バナナは置き方で「持ち」が変わるのか?

1. 目的

バナナをより長持ちさせる「置き方」を調べます。バナナをより長持ちさせることができれば、傷みへの恐怖から急いでバナナを食べる必要がなくなり、QOL(※)が劇的に向上します。

※QOL:クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life)とは、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念
[Wikipediaより]

2. 方法

バナナの種類

バナナはスミフルのゴールドプレミアム甘熟王(フィリピン産)を採用。

画像1

採用理由はGACKTがオススメしてるから(笑)

ではなく、購入時から熟してるなら、傷みもすぐ出てきて実験期間が短縮できて楽!と考えたからです。

実験環境

自宅のキッチンカウンターの上で実験します。2019年8月の真夏の時期であり、日中はほぼエアコンが効いています。だいたいの気温は25度〜30度の間の環境です。

【置き方】

置き方は3種類。奥野さんの「立てかけ置き(奥野式)」だけでは相対評価ができず、本当に長持ちするのかわからないため、比較対象として、「平置き」と「バナナハンガー」の2パターンを用意しました。

①立てかけ置き(奥野式)

バナナを壁に軽く立てかけ、バナナの頭とお尻を接点とする置き方です。平置きと比べ接する箇所が少ないので、傷むのも遅いはずとの仮説です。

画像2

②平置き

バナナをそのまま平らな場所に置きます。普通はみなさんこのように置かれてると思います。比較の「基準」となります。

画像3

③バナナハンガー

バナナハンガーをある日妻が買ってきて、いや、それ使う場面ある?と私はさんざん文句を言ってたのですが、こんな形で使うことになるとは思いもよりませんでした(笑)

バナナハンガーはバナナが2本以上ないとひっかけられないので、2本でひっかけてますが、観察に使うのは手前のバナナのみです。

接点がないのでこの中では最も長持ちするんじゃないかと思います。

画像4


【傷みの測定方法】

傷みの測定方法は、バナナが傷むと現れる黒またはこげ茶色の斑点の数を数え、この斑点数が多い方がより傷んでいると定義しました。

斑点数カウントは目視で行うこととし、経過の中でカウント困難になった際には何らかの分析ツールを利用する前提で開始しました。

また、簡単のために、写真で見えている片面のみを観察することにしました。もう片面も傷みのスピードに大差ないとの想定からです。

【終了判定】

実験終了の判定は、バナナをその状態で保存し続けてもすぐ腐るしかない状況(皮が割れる、穴が開く、折れる、カビが生える等)あるいはバナナ面積の90%以上が黒くなったらと定めました。

というのは後付けで、いつを終わりにするかは実験しながら決めました。


3. 結果

1日目】2019年8月16日(金)

いずれもきれいな状態です。バナナハンガーが斑点数5で最も斑点が少ないです。

①立てかけ置き(奥野式)
斑点数11

画像5


②平置き
斑点数14

画像6


③バナナハンガー
斑点数5

画像7


2日目】2019年8月17日(土)

急に斑点が増え、カウントが難しくなったので画像内のものをカウントできるアプリ「Sigma」を使用しました。とはいえ自動カウントしてくれるわけではないのでなかなかの負担です(笑)

平置きが斑点数285と最も多く、次に立てかけ置き262、バナナハンガーは89と最も少ないです。

太い数字が今回↓

①立てかけ置き(奥野式)
斑点数11→262

オリジナル画像↓

画像8

分析画像(赤い点がカウントした箇所)↓

画像9

ちなみにカウント中の様子はこんな感じです。このアプリ、画像を拡大してカウントできるので、かなり細かい点までカウントできます。なかなか優秀なアプリです↓

画像10


②平置き
斑点数14→285

オリジナル画像↓

画像11

分析画像↓

画像12

③バナナハンガー
斑点数5→89

オリジナル画像↓

画像13

分析画像↓

画像14


3日目】2019年8月18日(日)

なんとここでとんでもない事件が勃発!

画像15

①立てかけ置き(奥野式)のバナナの弧状の下側がパックリ割れていたのです!

まさかの予想だにしていない展開に、心の持って行きかたがわかりません。

接点が少ないから長持ちするはずという考えは少し無邪気すぎたようです。

この「割れ」は、世の中、人間が頭で考えているほど単純にできていない、事実は小説より奇なりということを教えてくれようとしたバナナのダイイングメッセージだったのかもしれません(笑)

①は割れたのでここで実験終了しますが、一応斑点数はカウントしておきます。

平置きが斑点数816と最も多く、次に立てかけ置き519、バナナハンガーは449と最も少ないです。立てかけ置きとバナナハンガーの斑点数が近づきました。

①立てかけ置き(奥野式)
斑点数11→262→519
※皮が割れたためこれにて実験終了

オリジナル画像↓

画像16

分析画像↓

画像17

②平置き
斑点数14→285→816

オリジナル画像↓

画像18

分析画像↓

画像19

③バナナハンガー
斑点数5→89→449

オリジナル画像↓

画像20

分析画像↓

画像21


会社の人に、割れたバナナと分析画像を得意げに見せたら「なんか気持ち悪い」と言われました(泣)

なお、割れたバナナはおいしくいただきました↓
中身は全く問題なくおいしかったです。意外と皮がダメでも中身は耐えますね。

画像22


【4日目】2019年8月19日(月)

ここからは②平置き③バナナハンガーのみでがんばります。

この日は広島に出張だったので写真は妻に撮ってもらいLINEで送ってもらいました。夜な夜なホテルで一人バナナの斑点数えてる私...

なんだか、魂がレベルアップした気がします。バナナの斑点数えは神事なのかもしれない、そう思った広島の夜でした。

平置きが斑点数861、バナナハンガーは458。

斑点数は前回とあまり変わらず点が大きくなりました。

太い数字が今回↓

②平置き
斑点数14→285→816→861

オリジナル画像↓

画像23

分析画像↓

画像24

③バナナハンガー
斑点数5→89→449→458

オリジナル画像↓

画像25

分析画像↓

画像26


【5日目】2019年8月20日(火)

この日も意気揚々と斑点数を数えようと思ったのですが、下の画像の赤丸部分のように、それぞれの斑点がくっつきすぎて一体化してしまい、斑点をカウントできなくなりました。

画像27

そこで、画像内の色を分析できるアプリ「色しらべ」を使用することにしました。

これは以下のようなイメージでバナナがどのような色で構成されているかを分析してくれます。

画像28

普通にやるとバナナ以外の背景も解析されてしまうので、あらかじめバナナ以外は白色で塗り潰しておきます。

で、大体の目安として、RGBカラーモデルのGとBのどちらかあるいはどちらもが50以下が斑点の色に似ているようでした。

そこで、G,Bが基準値50以下の色を斑点色と設定し、バナナ全体の色の中の斑点色の割合を「斑点占有率」と定義して見ていくこととしました。

色合いとして、斑点占有率が高いほど、傷んでいると判断するという意味です。

式は以下となります。

斑点占有率」=「斑点色割合(G,Bが50以下)」÷「バナナ全体色割合(解析画像全体-背景色(白))」×100

結果は、平置きが斑点占有率53.7%、バナナハンガーは35.8%でした。この値は目視との差(違和感)もあまりありません。

途中で計測方法変えるのはNG(あるいは過去にも遡って斑点占有率での計測に洗い替えるべき)ですが、個人が趣味でやってることなのでご了承ください。

ていうか、ごめん、もうめんどくさいから、いまさら過去分計測しなおしたくない。許して!(笑)

太い数字が今回。今回から斑点占有率に変更↓

②平置き
斑点数14→285→816→861→53.7%

オリジナル画像↓

画像29

分析画像↓

画像30

③バナナハンガー
斑点数5→89→449→458→35.8%

オリジナル画像↓

画像31

分析画像↓

画像32


【6日目】2019年8月21日(水)

今日も解析します。なんかもうだいぶ疲れてきてて、夜になると、「あ、バナナ解析しなきゃ...」と仕事終わってからまた仕事するみたいな、大変求道的な作業が待っています。

早く腐ってくれ!という決して言ってはならない言葉を大声で吐きそうでこわいです...

で、今回の結果です。

平置きが斑点占有率72.4%、バナナハンガーは36.3%でした。平置きが一気に追熟が進んだもののバナナハンガーはあまり変わらずです。バナナハンガー強し!

太い数字が今回↓

②平置き
斑点数14→285→816→861→53.7%→72.4%

オリジナル画像↓

画像33

分析画像↓

画像34

③バナナハンガー
斑点数5→89→449→458→35.8%→36.3%

オリジナル画像↓

画像35

分析画像↓

画像36


【7日目】2019年8月22日(木)

この日は名古屋に出張です。名古屋で打ち合わせをしていると、妻からLINEが...

「さすがに、もう限界かと。下の黒いところは凹んでしまっている…」

画像37

というメッセージとともに、やばいバナナの写真が送られてきました。これは②平置きのバナナです。

もうこれ以上は保存できないと判断し、平置きは実験終了にしました。

一応写真は撮っておいてもらって後ほど画像解析した結果は以下です。

平置きが斑点占有率92.2%、バナナハンガーは59.7%でした。斑点占有率90%を超えるとさすがに保存に耐えきれないようです。

太い数字が今回↓

②平置き
斑点数14→285→816→861→53.7%→72.4%→92.2%

オリジナル画像↓

画像38

分析画像↓

画像39

③バナナハンガー
斑点数5→89→449→458→35.8%→36.3%→59.7%

オリジナル画像↓

画像40

分析画像↓

画像41


ちなみに、名古屋から家に帰ってきたら、平置きバナナは妻によって以下のような処置をされておりました。

1. 皮をむく
中身は黄色く熟してますが思ったよりきれいです。むしろものすごく甘そう。

画像42

2. バナナを混ぜる
ちょっとシャモジで混ぜただけなのに、一瞬で液状化。

画像43

3. いろいろやってから焼く
もっすおいしそうなバナナケーキ!

画像44

完熟バナナのチョコバナナケーキ

となりました

香り高く甘くてうまし!

画像45


【8日目】2019年8月23日(金)

平置きが脱落したので、残るはバナナハンガーのみです。早く終わりにしたいです。

一刻も早く腐ってくれ!

もう言っちゃおう、腐れ、と。

③バナナハンガー
斑点数5→89→449→458→35.8%→36.3%→59.7%→80.8%

オリジナル画像↓

画像46

分析画像↓

画像47


【9日目】2019年8月24日(土)

もうなかなかの黒さです。もう腐ってるんじゃないかな。てか、もうどっちでもいい。バナナハンガーのスゴさはわかった。

バナナハンガーでは穴開いたりしなさそうなので、早く終了条件の斑点占有率90%を超えてくれ。

そして、結果は92.0%!

やった!終わった!

③バナナハンガー
斑点数5→89→449→458→35.8%→36.3%→59.7%→80.8%→92.0%

オリジナル画像↓

画像48

分析画像↓

画像49


90%を超えると、皮がブヨブヨで、これ以上は厳しいのが、ひしひしと伝わってきます。

持ってみると、なんかブヨブヨで気持ち悪いです↓

画像50

おそるおそる皮をむいてみると、なんかグジュグジュしてます↓

画像51

自立できず、折れてしまいます↓

画像52

で、結局、これになりました(笑)↓

『超熟バナナを2本贅沢に使ったバナナケーキ』

画像53

最後はおいしくいただきました。


4. 考察

ここまでの実験で①立てかけ置き(奥野式)は3日目で終了してますが、以下の推移画像を見る限り、皮が裂けなければ、まだまだいけそうでした。

画像54

皮が裂けた理由は、下図のように、弧状の下方向にバナナ全体が重力で引っ張られることにより、内側の皮が引っ張られ、裂けてしまったものと推定されます。

画像55

このことから、バナナは極力重力に対し、無理のある体勢で置かないことが重要ではないかと考察できます。

②平置き③バナナハンガーに関しては、バナナハンガーの方が、平置きより2日長持ちしました。いずれも斑点占有率90%を超えると限界がくるようです。

②平置きの推移画像↓

画像56

③バナナハンガーの推移画像↓

画像57

バナナハンガーが2日長持ちした理由は、接点がないこと、収穫前のバナナと同じように、バナナにとって重力に逆らわず自然な体勢だからと考察できます。

5. 結論

今回の実験から、バナナをより長持ちさせる「置き方」はバナナハンガーである。と一定の結論を見ました。

持ち日数は平置き7日、バナナハンガー9日でしたが、これは購入時にどの程度収穫からの日数が経っているか、バナナの品種、実験環境で変動するため一概に断言できません。

ただ、バナナ全体の90%以上を斑点が占めると保存限界に近いということは言えるのではないかと考えます。

そして、斑点占有率が90%以上になったバナナは、できればバナナケーキなどにし、火を通して食された方が安全ではないかという提案も付け加えておきます。

バナナをより長持ちさせ、傷みへの恐怖から急いでバナナを食べる必要をなくすことで、人類のQOLが劇的に向上されることを切に願います。

6. 参考文献等

・カウントアプリ「Sigma」
   App名: Sigma Counter
   デベロッパ: Karen Grigoryan

・画像分析アプリ「色しらべ」
   App名: 色しらべ
      - カメラで色の情報を抽出・配色の解析
   デベロッパ: Satoshi Nakamura

7. 謝辞

本研究のきっかけを与えてくださった株式会社オンデーズ 取締役 奥野さんに感謝いたします。

なかなか結果の出ない実験をツイッターで最後まで温かく見守ってくれた、シン★ケーキ好きさん、スプーキーさん、pan suki harapeko cyclistさん、最愛の妻、「いいね」をいっぱいくれたフォロワーのみなさまにも厚く御礼を申し上げ、感謝の意を表します。

そして最後に...

バナナたちとバナナハンガーありがとう!


おわり。

※面白いと感じていただけたらハートマーク「スキ」を押してもらえると励みになります!

※noteのIDが無くても「スキ」押せますのでよろしくお願いします!

※フォローもしていただけるとうれしいです!

この記事が参加している募集

自ら体験したことをベースに、世の中の思考をアップデートしたいという志で活動してます。ハートマーク「スキ」を押してもらえたり、SNSでシェアしてもらえると励みになります!