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もし現代が「ローマ数字」を使う世界になっていたら?

ローマ数字。たまに見る格式高い数字。読みにくいけどかっこいい。もし現代がローマ数字しか使えない世界だったらどうなっているのか?

こんにちは。ローマ数字のⅣとⅥがいつもわからなくなる いなつち☆稲田智 です。

田中靖浩先生の「会計の世界史」を読んでいたら、面白いことを見つけました。


それは、昔、数字はローマ数字のみだったということです。ローマ数字だけの世界ってどんななの?と興味がわいたので考えてみました。

Ⅰ. ローマ数字とは。

ローマ数字って、ドラゴンクエストⅡとか、ストリートファイターⅡ' Turboとか、未来予想図Ⅱとか聖飢魔IIとかに使うあの格式高い雰囲気の数字のことです。

それに対して、現代で使ってる01234とかは、アラビア数字と言います。

Ⅱ. ローマ数字の表記法。

ローマ数字って、Ⅰ〜Ⅻ(1〜12)ぐらいまではなんとなくわかりますが、それ超えたらどうなっていくのかわかります?

私はこれまであまり考えたこともなかったのですが、今回調べてみました。

ローマ数字(ローマすうじ)は、数を表す記号の一種である。ラテン文字の一部を用い、例えばアラビア数字における 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 をそれぞれ Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,Ⅹのように並べて表現する。I, V, X, L, C, D, M はそれぞれ 1, 5, 10, 50, 100, 500, 1000 を表す。i, v, x などと小文字で書くこともある。現代の一般的な表記法では、1 以上 4000 未満の数を表すことができる。

※Wikipediaより。

1がⅠ
5がV
10がX
50がL
100がC
500がD
1000がM

で、これを大きいものから加算しながら文字数が少なくなるように並べます。

例えば、西暦2020年を表すには、1000を表すMを2つと、10を表すXを2つくっつけて、「MMXX」となります。

さらに、同じ文字を4つ以上連続で並べるのは避けます。そこで減算則というのを使います。

たとえば、4は、IIIIのように同じ文字を4つ以上並べないよう、IVと表現します。左にⅠを書くと、右のVから左のIを「引く」ことを意味します。5-1=4ということです。

9はVIIIIだとIが4つ並んでしまうので、10のXから1を引いて、Ⅸとするのですね。

他にも同一視を避けるために、V、D、Lは1つの数字の中で1回しか使ってはいけないとか、0を表す数字はないとか、位上がりの概念がないとかいろんな制約があり、結果的に4000以上の数を表すことは不可能となっています。

また、小数は急に12進数になるなど、整数の10進数と小数間で一貫性もありません。

制約やルールが多すぎる割に一貫性もなく、まるで中学校の校則のようです。異常に脳が疲れます。

Ⅲ. なぜローマ数字がアラビア数字になったのか?

レオナルド・ダ・ヴィンチの先生でもあったルカ・パチョーリという数学者が1494年に数学書「算術・幾何・比及び比例全書(スンマ)」というものを書きました。

この頃、インドからアラビアを経てヨーロッパへ、0の概念を含む「アラビア数字」が伝わります。ヨーロッパの商人たちは、足し算引き算はもとより、掛け算割り算が超絶至難の技であるローマ数字にうんざりしており、これは使える!とアラビア数字を取り入れていったそうです。

過渡期であったのか「スンマ」にはローマ数字とアラビア数字がどちらも登場しますが、帳簿記入についてはアラビア数字の使用を勧めていたようです。そしてアラビア数字とこの本の簿記の技術がヨーロッパ中に広がっていきます。

この頃から、商業での使いやすさからローマ数字からアラビア数字に移行していったと考えられます。

Ⅳ. もし現代が「ローマ数字」を使う世界だったら?

もし現代が何かの間違いでローマ数字だけの世界になっていたら、どんな風景が広がっているのでしょうか?

ローマ数字の世界」を写真をまじえて見ていきたいと思います。

※4000以上の数を表すことは不可能なため、4000以上の数字は「エラー」としています。

 (Ⅰ)2050年 100の予測。

私のnoteです。

・アラビア数字↓

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・ローマ数字だったら↓

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1000がM、50がL、100がCなので、
「MML年 Cの予測。」
という謎の予測をすることに。

年月日がただものではないです。
MMXIX/Ⅰ/XVIII XXI:XXII

スキ L ってずいぶんサッパリしています。

 (Ⅱ)新幹線の案内板。

・アラビア数字↓

画像3

・ローマ数字だったら↓

画像4

見にくっ!急いでホームに駆け上がったとき、すぐ判断できず乗り遅れそうです。

 (Ⅲ)新幹線のキップ。

・アラビア数字↓

画像5

・ローマ数字だったら↓

画像6

かがやきDV号て!あと4000超えちゃうのでエラーが多いです。

 (Ⅳ)串カツ田中のメニュー。

・アラビア数字↓

画像7

・ローマ数字だったら↓

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いや見にくっ!399円は100がC、90がXC、9がIXなので、CCCXCIXと超長くなってしまうんですね。ローマ数字の世界では、399円とかで安く見せる値付けはしないんだろうなと思います。むしろ450円のまるかじりサワーCDL円がずいぶんまともに見えます。

 (Ⅴ)いきなりステーキ、肉マイレージ。

・アラビア数字↓

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・ローマ数字だったら↓

画像10

エラー エラー て!


Ⅴ. もっと便利な数字や言葉が出てくる未来。

私たちは、現代の数字や言葉は、未来永劫まったく変わらないものと思っているかもしれません。しかし、ローマ数字とアラビア数字がそうであったように、もっと使い勝手のよい数字や言葉、考え方が出てくる可能性があります。

12時間表記が普通だったものが、最近は24時間表記の方がメインとなっていたり、元号ではなく西暦ばかり使うようになっていたり(令和ごめん)、市外局番なしの看板表記が多かったのが、市外局番から書かれるのが普通になったり、とかも一種の進化なのだと思います。

個人的には、「未満」に対してしっくりくる対義語が欲しいのと、日本円の金額表記のカンマ区切りを千ではなくて万単位に区切って欲しいです。

いずれにしても現代がローマ数字の世界でなくてよかったです。書くのと読むのに無駄に頭を使う上、4000までしかなく、四則演算にすら窮するローマ数字のままだったら、現代のような科学技術や社会の発展は望めなかったでしょう。

そして、ローマ数字だったらエラーが多すぎて、いきなりステーキに行くモチベーションもなかったと思います(笑)。

おわり。

MMXIX年Ⅳ月XXI日。

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※2019年4月22日0:26更新
2050年100の予測。の年月日の年がMMIX(2009)と間違っていたため、MMXIX(2019)に訂正。

※もしよろしければ以下のリンクから「会計の世界史」を購入して読んでみてください。会計の歴史がわかりやすく書かれている名著です。

※文中で紹介した「2050年100の予測。」下のリンクからぜひご覧ください。2019年1月の記事で当時はまだでしたが、2020年8月現在すでに実現しているものが出てきています。

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