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はじめて神輿を担いでみた。

祭って町内会と関わるからめんどくさい。年寄りばかり、古くさい、準備も大変。そんな私が、本格的な祭り衣装まで手配し、3年に1度の宮神輿で町中を練り歩き、宮入りまでをやってみた。その先に見えてきたものとは・・・。

こんにちは。伝統とか古いものは嫌い、前だけ見て生きていく考えの いなつち☆稲田智 です。

・神輿を担いでみたいと考えてる方
・神輿を担がなくてはならないと悩んでいる方
・神輿を担ぐってどんな気分?と疑問の方

神輿みたいな伝統行事に興味のない初心者の私が事前にどんなものか検証してきたので、ぜひ読んでいただけたら幸いです。

ホリエモンの考え方を神輿に取り入れてみました(笑)。

1. 祭り嫌い。

そもそも祭りとか伝統行事とか、古いものが嫌いです。地味だし、つまらないし、地域のめんどくさいコミュニティと関わらないといけないから。

そんなことより、インスタとかツイッターやってた方が楽しいし、AIとかビッグデータとかAmazon Goみたいに最先端のテクノロジーや未来予測をしてたほうがウキウキするし、はるかに前向きです。

私はとにかく古い考え方が嫌いです。そういう社会には進歩がないから。

ある日、妻が私に言いました。

「今年は3年に一度の神幸祭で人手が足りないから手伝ってって、町会の永尾さん(仮名)が言いにきたよ。手伝ったら?」

いや、絶対イヤだ。実は3年前、ここに引っ越してきたときも妻に言われて嫌々手伝ったんですが、事前準備ちょっとやっただけでつまらなかったので、1日だけ手伝って、そのままフェードアウトしていたのです。

しかもここの町会、若手が皆無で、年齢層超絶高め。60代スタートで会長は90才超。話も合う気がしません。

俺は楽しいことだけで生きていくから、つまらないことはやらない。

と、ホリエモンばりにキッパリ妻に言いました。妻は、せっかくここに引っ越してきたんだから手伝って根付かないと、とかよくわからないことを言ってとても不満そうでした。

若干言い合いになりましたが、妻は婦人部の手伝いをするらしいので、我が家としては妻が出てるんだから十分だろうと考えたのです。

で、あるとき、ホリエモンのメルマガを読んでいたところ、町内会行事はビジネスの縮図だから、やってみるとよいと。お金とかサービスとか人をどうするかとか、情報の共有・継承とか、広報とか、他の町会との交渉とか、めんどくさい人の対応とか。

起業しなくてもビジネスに必要なことをひととおり学べるからおすすめだと言っていたのです。

私の尊敬するホリエモンがそう言うなら何かしら学びがあるのかもしれない、やってみるか、と重い腰を上げました。妻に考えを変えた経緯を言うと、

「私の言うことは聞かないのに、ホリエモンの言うことは聞くのね。」

と、なんとも厳しいお言葉。だって人間だもの。

2. 祭りの準備、面倒くさい。

4月、顔合わせを兼ねた打ち合わせ。30人ぐらいが自治会館に集まりました。今後の段取りを共有する場です。今回の祭りの主査である亀田さん(仮名)から説明がありました。亀田さんは割と新しめな方で性格もおとなしい雰囲気です。

祭りは土日の2日間。私のメインの役割は、

神輿の担ぎ手

いやいや。絶対やだわ。消極的な私がわっしょいわっしょい変なテンションになれるわけがない。しかも神輿なんて、小さい頃、子供神輿はやったことあるけど、大人になって本格的にやるのは初めてです。

そんなことを思っていると、意外とこの打ち合わせ、若手がいるなと気づきました。また、同じ時期に引っ越してきたお隣さんの米田さん(仮名)もいます。いままで皆無だった30代、40代前半が3分の1ぐらいいる。

そしてそのみんなが「神輿の担ぎ手」だったのです。

私は少しホッとしました。後で聞いたら、永尾さんが、高齢化している町内会の行く末を案じ、いろんな若手に声かけてたみたいです。


神輿を担ぐ以外にも、前準備が3日ぐらいあり、それも参加せよ、とのこと。いよいよめんどくさくなってきました。やっぱり参加しなけりゃよかった・・・。

5月後半、祭りの看板作ったり旗を作ったり。そしてそれを許可取ってある各家庭や会館などに設置していきます。とりあえず暑い。まったく面白くありません。

ある家のおばちゃんが「その看板、設置許可取ってんの?!」とか言いよってきてめんどくさいです。「とってるよ!」と適当に受け流します。

6月初旬、祭りが近づいてきて、神社の草刈りやったり、テント張ったり、テーブル出したり。草刈りやったの何十年ぶりだろう?草刈りやってるとミミズとか変なスバしっこい虫とかいろいろ出てきて気持ち悪いです。ほんとやだ。


で、そろそろ自分の準備をしなくてはなりません。神輿を担ぐには、規定があるらしく、地下足袋で白か黒のズボン、ジーンズ不可。

足袋とか履いたこともないし、そもそもジーンズだと何でダメなんだよ、ジーンズだってもう150年ぐらい歴史あるぞ、と絶望感でいっぱいでした。

半纏は半額だけ町内会持ちになるそうですが、それ以外はすべて自費。

つまらない労働させられた上に、祭り衣装ほぼ自費て!

でもこの頃には自暴自棄になっていて、どうせやるなら逃げ道を作らないよう祭り衣装も完璧に揃えてやる!徹底的にやってやろうじゃないか!と思い始めていました。

祭り衣装どこで売ってるのか聞いたところ、このへんだと上池台にあるお店のみとのこと。でもそこのおばあちゃんが結構大変らしい。

嫌な予感しかしません・・・


で、とりあえず行ってみました。

やはりお店は古いです。引き戸は開いてますが、誰もいません。

「ごめんくださーい」

・・・

「ごめんくださーい」

・・・

「ごめんくださーい」

・・・

いや、返事は!

思いっきり奥まで入り込んで

「ごめ・・」

「はいはい、なんでしょう」

おばあちゃんが、出てきました。

足腰弱いみたいで、動きが遅く、申し訳ない気分になります。

私「あのぅ、今度お神輿担ぐので、股引とか一式揃えたいんですけど。」

おばあちゃん「え?なんだって?」

耳遠いんかいっ!

何とか説明して理解してもらい、商品を選びます。

私「股引はどれがいいんですかね?」

おばあちゃん「そこの棚のね、上の方」

おばあちゃんはあんまり動けないので、私が棚まで取りに行きます。

私「これですか?」

おばあちゃん「そこじゃない、その上の上の右」

私「ここスタートでの、上の上で、2段来ましたよ、合ってます?この右ですか?」

おばあちゃん「え?なんだって?」

あ、耳遠いんだった・・・


股引きはサイズが小、中、大、特大とあり、特大でも入らない私向けには

「巾広(はばひろ)」

というサイズがありました。超特大と言わず、「巾広」という。デブにやさしい文化です。

そんなやりとりで、股引とダボシャツと地下足袋を選びます。

ダボシャツ、6,200円↓

股引、6,000円↓

地下足袋、3,200円↓

結構いい値段しますね。

これ以外に半纏が7,500円なので、一式22,900円です。もう後戻りできません。


おばあちゃん「あんたねー、試着しないと。こっちあがんなさい。」

おばあちゃんに言われるがまま、おばあちゃんの部屋に上がります。

おばあちゃん「服脱いで、これ着てみて」

え?ここで?試着室は??

あ、ないか、古いし。

まぁもういい。早く試着して帰ろう。とその場でTシャツとジーンズを脱ぎ、おばあちゃんの提案を甘んじて受け入れます。

おばあちゃんの前でパンツ一丁で立ち尽くす私・・・

なんだか、魂がレベルアップした気がします。さすがは神事、準備段階からアセンションに向かわせてくれます。

で、股引を履こうとするのですが、謎のヒモとかあって履き方がわかりません。

おばあちゃん「それはね、その紐をね、あなたの大事なところの前を通して、グッと引っ張るんだよ。」

全然わかりません。

私「ここですか?この僕の大事なところを通して右ですか?」

おばあちゃん「いや、そこに穴があるでしょう。そこよ。私がやっちゃってもいいんだけど、大事なところさわっちゃったらいけないからねぇ。」



やっぱり古いってロクなもんじゃない。

で、なんとかおばあちゃんの言うとおり、全部着終わりました。自分の体と祭り衣装がビシッとぴったり合ってます。おばあちゃんも納得の出来みたいです。

きまってるね!カッコいいじゃない。

と笑顔で言ってくれました。

おばあちゃん、ありがとう。

3. 神輿ガチで地獄。やるんじゃなかった。

祭り当日の土曜日、今日は町会の方の神輿を担ぎます。その前に神輿を組み立てます。神輿っていきなり担げると思ってたのですが、組み立てが必要なんですね。

担ぎ棒と本体を縄で縛るのですが、永尾さんが、若い人に覚えさせないとと言って、「校長先生」を呼んで結び方を教えてもらいました。

実は年配の方たちも結び方は誰もわからず、「校長先生」と呼ばれてる方しかわかりません。これは確かに危機的状況です。もし校長先生に何かあったらもうこの町会から神輿は出せないのですから。

で、校長先生から若手3人に教えてもらいましたが、ヒモが複雑すぎて解読不能です。でも、がんばって覚えました。最後にヒモに水をかけて摩擦力を上げます。

周りでは亀田さんが写真や動画でその様子を記録に残していました。この町会では、今回から若手が増えたせいか、あらゆる無形知識の伝承のために、写真や動画やITを駆使して記録しはじめていました。

何とか伝統を絶やさないようにという努力を精神論ではなく、テクノロジーで解決しようという姿勢が前向きです。きっとホリエモンも同じ境遇ならこうしていたでしょう。

そしてお昼ごはんを食べたら、満腹中枢にやられ、ヒモの結び方は私の記憶から全部消えました・・・

また今度がんばろう。てか亀田さんの動画見よう。


で、早速担ぐ時間です。お酒を少量飲んだあと、神輿の最前列が空いていたので、そこに着きます。

よくわからない掛け声とともに持ち上げます。

肩に担ぎ棒をのせます。

イーーーーっタっーーーーッ!!!!

痛い、メチャ痛い。木の角がダイレクトに肩の骨にガツガツ当たってきます。容赦ない痛みです。

え?これあと2日やるの?まぢで無理!

と思ってもそんなの関係なく神輿はどんどん進みます。

いや、きっと痛くないいい感じの場所があるはず!と、肩のいろんな箇所を探ります。

しかしありません。どの場所も痛いです。この世に地獄があるとするなら、まさに今ココにあります。肩が持ちません。仕方ないので手で支える感じになってます。

やばい、これはやばいのに巻き込まれた。内輪差バリバリのトラックに巻き込まれている感じです。「痛い」「早く終わってくれ」のたった2つの感情しか湧きません。いつも歩いて一瞬で通り過ぎる新聞屋さんまでがスゴく遠く感じます。

とりあえず最初の休憩所へ到着。ここまで何をしてきたか全く記憶がありません。

一緒に担いでいた米田さんも同じ感想。米田さんは背が高いので私より痛かったはずです。神輿は背の高さが重要みたいで、自分の身長と周りの人が同じぐらいの高さの場所で担がないと担ぎ棒にうまく肩入れできないという話を聞きました。それ早く言って!

休憩が終わり、周りの身長を見ながら、神輿の少し後ろ側に着きました。

せーの、で担ぎ出しましたが、まだ普通に痛いです。

担ぎながら色んな考えを巡らせます。背の高さ合わせる以外に何か解決策はないのかと。

ホリエモンがいつも「まずはじめは、うまくいってるビジネスをパクればいいんだよ。その方が成功確率高いから。個性とか出すのはその次。」みたいなこと言ってたのを思い出しました。

そうか、神輿も同じじゃないか?担ぎ慣れしている人の動きを完コピすれば痛くないんじゃないか、と。

で、今回は神輿の後ろに付いたので、前の人たちの動きが見えます。その中で、ひときわ手慣れてる感じの担ぎ手が私の前方に。

その人の担ぎかたを見てると、え?手がない。手が担ぎ棒に添えられてない。どこいった?と見たら、両手とも腰です。

なんと、手を使わず、肩だけで担いでます。なのに肩と首と顔にぴったり担ぎ棒がくっついています。よく担ぎ棒、自分からズレないね、と感心すると同時に、何でそんなことができるのかをよく観察します。

ん?担ぎ棒の上下動と自分の上下動が寸分狂わず同じだ。そうです、神輿と自分の上下動のリズムを完璧に同期させていたのです。

なるほど、さっきから私が痛かったのは、担ぎ棒と自分の動きが非同期だったからガツガツ骨に当たって痛かったんだなと。

そこに気づいた時点でその日の町会神輿は終わりました。

4. 痛みの向こう側にあったもの。

日曜日。今日は朝から晩まで宮神輿(神社所有の神輿)を担ぐ日です。

宮神輿は非常に広範囲を練り歩くので、町会ごとに区間と担ぎ棒位置の分担があります。

うちの町会は丘上の平坦な通りと、一度交代入って、最後、急坂を下るところです。担ぎ棒は神輿の前から見て右から3本目と4本目。

前の町会と担ぎ棒を交代するときは、神輿を下ろしません。練り歩いている状態で、3本目、4本目の棒の後ろ側から前の町会の人たちをトロコテン方式にどんどん押し出していって交代します。そんな難しいことできるのか?

近づいてきました。でかっ!さすが宮神輿。人数も昨日の比じゃない。

で、歩きながら交代しなきゃいけないんですが、どこの棒なのかわからず。で、うちの町会の人たちがどんどん担ぎ出したのですが、場所が違ってて

おいっ!なにやってんだよぉう!!そこはお前らが担ぐとこじゃねーよぉ!!

おい、出ろ出ろバカヤロー!!なにやってんだよぉ!!

と、普段サラリーマンやってる世界ではありえないぐらいの勢いで怒られます。

どうやら前棒より後ろに入ってたらしく、そこは他の町会のテリトリーでした。

なんとかトコロテン方式での交代も終わり、3番4番は全てうちの町会で担いでいます。で、私はというと、出遅れて入れていません。もう朝の京浜東北線ばりにぎゅうぎゅうなので、しばらく待つことにしました。

亀田さんが「前から1人出たら、ぎゅうぎゅうでも後ろから無理矢理入って!前の人ガンガン押していいから!」と言ってます。

いやー、そんな乱暴なことできないなーと思っていると、次々にうちの町会の人たちがぐるぐる担いでいっていて、自分は全く入れません。一人だけ、太陽系から外された冥王星の気分です。

でもそろそろ、次の休憩所である田中運送店前(仮名)に到着します。田中運送店前は、私の妻を含むうちの町会の婦人会が食事やお酒を振る舞う場所です。

そこには妻と息子がいるので、なんとか私が担いでいる勇姿を見せたいという感情が湧いてきました。

だから、何としてでも次のタイミングで入らなくてはならない。

そして、棒の近くを陣取り歩きながら待ちます。前の人が抜けた瞬間、

これは俺の神輿だ、担がせろ!

とばかりに、無理矢理入り込みました。

入れた!なんとか入れた!

よし、ここからは昨日学んだように上下動を体と神輿で合わせる作業です。やり方をマネようと、足の出し方とかタイミングとかを完全に前の人と一致させようと思ったのですが、なんと!密着しすぎていて、前の人の動きが見えません。

仕方ないので棒だけを頼りにリズム合わせようと思ったのですが、無理めです。

で、冷静に周りをよく聞いてみると、

エッサ、エッサ

ぶぅ〜ん、ぶぅ〜ん

あー!あー!

うりふり、うりふり

と謎の掛け声が沢山聞こえてきます。

昨日は痛みが強くてあまり意識してなかったのですが、リズムを合わせるための掛け声がいっぱいありました。これに合わせて上下させればいいんだなと。

どれに合わせるか迷ったのですが、とりあえず一番メインどころっぽい「エッサ、エッサ」に合わせることにしました。

エッサ、上下、エッサ、上下・・

するとどうでしょう。

あんまり痛くない!え?なんで?

拍子抜けです。昨日はあんなに痛かったのに。タイミング間違うともちろん痛いのですが、これならいけそうです。

で、右手はプロっぽくわざと腰に手を当てたりしてかっこつけながら、田中運送店に到着。妻と息子の視線も感じます。これは絶対かっこよく見えたパターンのやつ!と満足気に聞いてみました。

私「どう?担いでるとこわかった?」

妻「わかったけど・・・あなた半纏の片方ズルンズルンだったわよ。」

えーー!そうか、変にプロ気取りで右手を腰に当ててたから、半纏の右側が落ちてしまっていたのか!残念!

田中運送店ではビールや揚げ物、煮たまご、漬物などなどが振舞われ、おいしくいただきました。特に煮たまごが人気で、300個ぐらいが一気になくなったそうです。

実はこの煮たまごは私の妻が味付けしたそうで。従来は殻付きのゆで卵だったんですが、それだと殻剥いたり塩付けたり面倒でいつも大量に残っていたそうです。

そこで妻が煮たまごを提案し、採用され、食べ残しなしの快挙!婦人部でもいろいろ改革は進めているようで、とても誇らしい出来事でした。

で、その後もしばらく交代しながら6時間ほど練り歩き、夜になりました。

この頃にはもう痛みはなく、神輿や周りの町会の人たちと息も合ってきて、神輿と人と私が一体化しているようでした。普段出さないような大きな掛け声も勝手に出ます。楽しい!楽しすぎて鳥肌が立つ!

そして、いよいよ、最後の宮入りです。最後は神社への急勾配を登ります。ここではもう棒の割り振りはないため、各町会での取り合いです。

私は性格が弱いので、棒は取れませんでした。でも、何としてでも最後宮入りをしたいという今までありえなかった感情が湧き出してきて、後ろ棒を押すところを何とか取りました。

おりゃー!

押せ押せーー押せー!

いけーー!

みたいな周囲の掛け声とともに神輿を押して登っていきます。棒を押してる私の背中をさらに誰かが押して、さらにその人を誰かが押して、さらにその人を誰かが押す、いったい下がどこまでいってるのかわからないけど、もはやみんながひとつの生命体となって、神輿を押し上げています。

もみくちゃになりながら、エッサエッサ言いながら、狂気の怒号のような声が飛び交う中、ふと、神輿の上を見上げると・・・

なぜか鳳凰がにじんでよく見えない。生あたたかい滴が勝手にどんどん溢れてきて、どうやっても止められない・・・

神幸祭に誘ってくれた永尾さんや、主査の亀田さん、米田さんや校長先生、上池台のおばあちゃん、大勢の町会の方たち、そして力強く支えてくれた最愛の妻、みんなの顔が、たくさんの顔が、

解像度の悪くなった私の目の前を走馬灯のように鮮明によぎっていきます。

あぁ、きっと、神輿やみんなと一緒になったことで、ようやく私は、この社会とひとつになれたんだ、ようやく私は、この社会の一員として迎えてもらえたんだ、と、体の底から湧き出る熱い熱い感情にどうしても抗うことができなかったのです。

そしてそれは、この世には古いこと、新しいことのほかに、変わらない大切なことがあるんだということに、気づかされた瞬間でもありました。

農耕でもビジネスでも、人々はひとつにならないとうまくいきません。たぶん神輿は、神様がくれた、「社会をひとつにするための道具」なんだろうなと。それを知ってか知らずか、先人たちはずっとずっと変わらず祭りを続けてきたんだろうなと。

この短くて長く、つらくて楽しかった経験を通じ、自分の体は、この社会とビシッとぴったり合ったような気がしました。

きまってるね!カッコいいじゃない。


おわり。

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※2019年6月27日。一部文章の不備を修正。

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