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Incubate Camp連載企画 #3 ジェネシア・ベンチャーズ 田島 聡一氏へキャピタリストインタビュー!

こんにちは。Incubate Camp事務局です。

6月ももう終わりですね…☂️インキュベイトキャンプ12thエントリー期間も残り1ヶ月ちょっとになりました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか💡

さて、IC12thにご参加いただく素敵なキャピタリストの皆さまへのインタビューシリーズ、第3弾です!今回はジェネシア・ベンチャーズ田島さんのインタビューです✨(ちなみに第1弾はグロービス今野氏、第2弾はDNX倉林氏のインタビューを公開させていただきました☺️)

編集部注)
・インタビューは2018年春に実施し、そちらを書き起こしたものになります。

【プロフィール】

三井住友銀行にて約8年間、個人向けローンや中小・ 大企業融資、シンジケーション・債権流動化等、さまざまな形態の資金調達業務に関わる。2005年1月、サイバーエージェントに入社し、事業責任者として金融メディアの立上げに参画後、サイバーエージェントの100%子会社であるサイバーエージェント・ベンチャーズ(現:サイバーエージェント・キャピタル)にて、ベンチャーキャピタリストとして投資活動に従事し、多数の企業をIPO・バイアウトを実現。2010年8月以降は同社の代表取締役として、投資エリアの拡大や8ヶ国における投資戦略の策定及び全案件の投資判断に深く関与することで、同社をアジアで通用する数少ないベンチャーキャピタルにまで成長を牽引するとともに、日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の理事として業界全体の活性化に注力。2016年8月に株式会社ジェネシア・ベンチャーズを創業。大阪大学/工学部卒。


銀行とサイバーエージェントを経て、独立。経歴を活かしながら”大きな産業”づくりを

事務局:Incubate Camp連載企画、キャピタリストインタビュー、本日はジェネシア・ベンチャーズ田島さんにお越しいただきました。田島さん、よろしくお願いします。それでは早速なんですけど、まだ田島さんのことを、十分にはご存知ない起業家の方もたくさんいらっしゃると思いますので、簡単に自己紹介をお願いできればと思います。

田島:はい。キャリアとしては、銀行で8年、サイバーエージェントで12年勤めまして、サイバーエージェントの時にはサイバーエージェント・ベンチャーズ(現:サイバーエージェント・キャピタル)というCVCの代表を5年程やらせてもらってました。

事務局:ありがとうございます。直近の投資方針を教えてください。

田島:投資ステージとしては、いわゆるシードステージから、プレシリーズAぐらいにフォーカスしていて、基本的に事業の仮説検証の段階で投資をすることにこだわっています。あとは、既存投資先に対するフォロー投資をしっかりとやっていけるような体制を作っています。

事務局:シードとかプレシリーズAにフォーカスをして投資するというところは、どのような背景があったんですか?

田島:そうですね。一番はやっぱり僕ら自身がやっていておもしろいなと思えることが理由です。

事務局:領域に関して、ご注力していらっしゃる領域やテーマはありますか?

田島:僕がもともと銀行というアナログな業界に8年、サイバーエージェントというITの業界に12年、というバックグラウンドなので、既存産業にテクノロジーを持ち込んで、既存産業の再定義をしていくみたいな事業領域は多いです。今のポートフォリオで見ると、全体の半分がBtoBです。SaaSと、あとは多重構造ってあるじゃないですか、多重構造の下請け・孫請け・曾孫請けみたいな。その多重構造を解消するといったビジネスが多いですね。一方で、うちにはBtoCに強いメンバーもいるので、残りの半分はBtoCです。

事務局:「その中でもこういう会社、起業家に投資している」みたいな投資決定のポイントってどういうところなんですか?

田島:個人的には“大きな産業”をつくることに携わりたいなって思っているので、ポートフォリオの3割弱ぐらいは海外のスタートアップなんです。やっぱり彼らにはダイナミズムがあるので、それを見ていて、日本にもメルカリみたいな、もっともっと大きいスタートアップがどんどん出てくるといいなと思っているので、高い視座で、世の中に大きなインパクトを与えようとしている起業家にぜひ投資したいなと思っています。たとえば今の支援先を見ると、例えばサイバーエージェントやリクルートなど、いわゆる大企業・事業会社で活躍していた人が、独立するぞっていう感じが多いです。


「大きなキャンバスに緻密な字が書ける経営チーム」に投資したい

▲ドラフトにて、ペアになった笑農和の下村さんと。

事務局:そういう方々と一緒に、世界を変えようとか、視座の高いチャレンジをしようとしていらっしゃる中で、ジェネシアとして独立されてからでも、それ以前からでも結構なんですけども、印象深かった代表的な案件、田島さんの印象に深く残ってる直近のモデルをいくつかご紹介をいただければなと思うんですけど。

田島:はい。そうですね。サイバーエージェント時代だと、まさにIFの赤浦さんと一緒にやらせていただいた、Sansanとか。あとはクラウドワークスとか、割と印象深い案件かなと思いますね。
ジェネシアになってからだと、助太刀(旧社名:東京ロケット)とか、人事評価のクラウド化をやっているHRBrain。あとは、クラウドRPAをやっているBizteXとかは、数字も含めて相当伸びてますね。すごい順調だと思います。

事務局:ここからはちょっと、田島さん個人に関するお話を深掘りしてお伺いしたいと思うんですけれども、好きな起業家とか、相性のいい起業家のタイプとか特徴、「こういう人が人として、起業家として好きだ。燃える」みたいな、そういうところがあればご紹介いただきたいなと思うんですが。

田島:そうですね。いつも僕は、大きなキャンバスに緻密な字が書ける経営チームって言ってるんですけど。やっぱり高い視座を持ってる起業家やビジョナリーな起業家って、ちょっと戦略が荒くなったりすることがあると思うんです。逆にすごく緻密な字が描ける人って、全体のキャンバスが小さくなったりしがちだと思うんですけど、そこをハイブリッドで揃えられてるチームはすごくいいなって思ったりしますね。あとは推進力のある起業家が好きだし、コミュニケーションしてて合う感じはあるかなと思いますね。

事務局:推進力というのは、事業の中で成長確度を見せてくれるみたいな、そういう?

田島:そうですね。やっぱり既存産業×テクノロジー領域を手がけるとなった時に、官公庁とか大企業とかもガンガン巻き込んで、変えていかないといけないので、そういった部分ですね。巻き込む力が強い人は、投資したい人だし、なんか合う気がします。

事務局:ありがとうございます。


投資前の段階から、ロングミーティング!?

事務局:いきなり「自己紹介編」に戻るみたいな感じで恐縮なんですけど、田島さんが、もともとベンチャーキャピタリスト、ベンチャーキャピタル自体を志されたというか、きっかけみたいなところだったり、長くこの仕事を続けてらっしゃるモチベーションをお伺いしたいなと思うんですけども。

田島:正直、僕、ベンチャーキャピタルっていう職業自体知らなかったんですよね。銀行員をやってた時に、お客様との信頼関係ができればできるほど、例えば「こういう新しいプロダクトをやるので、ぜひ融資してほしい」とか言われることって多かったんですけど、銀行って実績がないとなかなか貸せなかったりするじゃないですか。そういう歯痒さを感じていて。
ベンチャーキャピタリストって、起業家の未来に対して投資をするという形になるので、個人的には融資より「未来を起業家と一緒につくるところからやらせていただく」という方が圧倒的に楽しいなっていうところがまず大きいですね。
あとはやっぱり1回限りの人生なので、いろんな起業家とご一緒させていただくことによって、世の中に対して大きなインパクトを残せるといいなと思っていて。そういう意味で、ベンチャーキャピタルっていう役割は僕にとって本当にライフワークだと思っています。

事務局:ベンチャーキャピタルとしての田島さんの得意技というか、必殺技…って殺さなくてもいいんですけども(笑)、投資先の支援にあたって「こういうことだったら負けないぞ」ということって何かあったりするんですか?

田島:そうですね。僕らはとにかく起業家が圧倒的に主役だと思っていて、自分たちは本当に脇役というか黒子だと思っているので、起業家以上にとにかく出ないということと、あくまでも起業家を支える存在であろうということは、かなり意識はしています。あとは、僕らがリスペクトできる起業家にしか投資していないつもりなので、そういうスタンスはすごく大切にはしていますね。

事務局:日々の定例の投資先とのミーティングとかの中で、黒子といいつつも、黒子としてちょっと前のめりにコミュニケーションされるようなタイミングって、例えばどんなタイミングだったりシチュエーションなんですか。

田島:そうですね。そういう意味でいうと、投資させていただく前の段階で、合宿とか結構やってまして。いわゆるデューデリジェンスって、起業家に提案していただいたことを精査する、というイメージですが、そうではなくて。一緒に勝てる戦略などをデザインしていくっていうことをやっています。そこで僕ら自身が付加価値を出せるように、当然僕ら自身も圧倒的に努力しないといけないですけど。という形で、投資前から中長期の絵をしっかり描くところを僕らも一緒にやらせていただいて、投資後はそれを実行するのみ、っていう感じに持っていくことが結構多いかもしれませんね。もともと起業家がそこをしっかり描かれているケースもよくあるので、その場合はそんなこと別にしないですけど。そうじゃないケースもあったりするので、そういう場合は一緒にやらせていただいたりします。


一番大切なことは「起業家が成し遂げたい欲求」であり、そこをしっかりと事業で実現するっていう部分

▲笑顔がとっても素敵です!

事務局:はい、ありがとうございます。Incubate Campの話を聞ければと思うんですけど、田島さんは第6回からのご参加ということで。何度も木更津までご足労いただきましてありがとうございます。そのIncubate Campの中での田島さんの中で印象に残ってらっしゃるものがもしございましたら教えてください。

田島:Incubate Campへは、何回も出させていただいて、本当にありがとうございます。Incubate Campから投資に繋がってるケースって結構多くて、直近だとコンコアーズ(現社名:フォトラクション)とか、Good Moneygerとかも投資させていただいていたりします。ちなみに、なんとなく「僕とメンタリングでペアになると事業プランをごっそり変えられる」っていう印象を持たれている気がしているので、ここで誤解を解いておきたいなと思っているんですが・・

事務局:一説による「タジマジック(田島+マジック)」っていう言葉が。

田島:いやいや、やっぱりこう、マーケットがあんまり大きくないところを狙っている場合には、それをちょっと広げるような、そういう努力はします。あとはやっぱり一番大切なことって「起業家が成し遂げたい欲求」だと思うので、それを引き出すようにしているという形です。

事務局:次回のIncubate Campは、こういうスタンスで望みたいというか、こういうものを大事にして、本当にメンタリングでも結構ですし、ペアになってからでも結構なんですけど、変わらなくても結構なんですけど、田島さんとして、Incubate Campの参加キャピタリストとして、大事にしていただいているものみたいなものがもしありましたらご紹介いただければなと思うんですけども。

田島:そうですね。前の質問にもお答えした通りなんですけど、ベンチャーキャピタルが「マーケットサイズが~」とか「戦略が~」とか言うことがあると思うんですけど、やっぱり一番大切なことって「起業家が成し遂げたい欲求」であり、そこがしっかりと事業で実現するっていう部分が、一番プライオリティが高いと思うんですね。なので、そういった部分を僕自身が引き出させていただいて、それを形にするっていうことをより意識していきたいなと思っています。テクニカルに絵を描いて仮にそれが綺麗な絵だったとしても、自分自身が本当の欲求に沿ってやっていかないとなかなかやりきれないと思うし、おもしろくもないと思うし、起業する意味もないと思うので。だから、そこを本当に大切にしてやっていきたいなと思ってます。

事務局:ありがとうございます。


産業をつくっていく気概のある起業家を応援したい

事務局:Incubate Campのひとつの盛り上がるポイントとしてドラフトと呼ばれる部分があります。キャピタリストの方が起業家の方を指名していくということを毎回やらせていただいてるんですが、田島さんがペアになりたいっていう方を指名される時に、重視してらっしゃるポイントというか、これほんと高度な情報戦も含めていろんなところあると思うんですけど、田島さんご自身は何を大事に思って、この人を1番2番っていうふうに挙げてらっしゃるのかっていうところについてお伺いしたいなって思ってまして。

田島:そうですね。基本的にはペアを組ませていただいた方と、そのやりとりを通して、最終的に投資につながるような形であれば、一番素敵だなと思っています。Incubate Campにはいつも魅力的な起業家が集まっているので、その中でも、自分自身が一緒にやりたいなと思える、“大きな産業”づくりや課題解決をやろうとしている方と一緒にやりたいなと思っています。

事務局:ありがとうございます。じゃあ、ぼちぼちお時間の方も迫ってきた中で、じゃあラストくらいでいきたいと思うんですけど。すごいシンプルな質問になるんですけど、Incubate Campに参加を検討してもらっている起業家のみなさんに、ぜひメッセージをいただければなと思ってるんですけど。

田島:スタートアップを取り巻く環境も以前に比べるといい感じになってきてると思うんですけど、メルカリとかラクスルとか、高い視座でグローバルでやっていけるような、そういうスタートアップがもっともっと出てくるといいなと思ってます。せっかく人生の時間を使うので、起業家のそういう思いに、僕もしっかりコミットしてやっていきたいなと思ってます。個人的な好みとしては、「サクッと事業をつくって、サクッとエグジット」みたいなものより、“大きな産業”をつくっていく、それぐらいの高い視座の起業家の方と一緒にやれると本当に嬉しいと思っています。

事務局:ジェネシア・ベンチャーズ田島さんでした。ありがとうございました。

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田島さん、ホットなメッセージをありがとうございました🔥大きな産業を作っていく気概のある起業家の方とお話したいという田島さん。投資前から経営合宿に参加されるなんて、めちゃくちゃコミットしていただけるんですね。田島さんにピッチのフィードバックを受けたい起業家は、ぜひキャンプへエントリーください!

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