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デジ同人は漫画家ゴッコというかもはや漫画家

「オス転メス転」

 という新作を作っている。本文は7割位出来ているしこの週末で表紙も何とか描いた。漫画を描いて、表紙も描いて、そして発表する。

 やっぱり楽しい。なぜなら僕は子供のころ漫画家になりたかったからだ。

 僕がやっている事は漫画家とほとんど同じで、つまりそれは実質夢が叶っている状態ということだ。
 デジ同人は誰でもできる敷居の低さと、やり始めたらホンモノの漫画家とやってることは一緒という満足感、両方を持ち合わせている素晴らしいプラットフォームと改めて感じているので、引き続きどんどんオススメしていきたい。

 「漫画家になりたい!なれない!苦しい!」

 は、血のにじむ努力と強運が無くても解決できる問題だと考えを改めてほしい。今一度、「漫画家と同人漫画屋の何が違う?」というあたりを整理して、この悩みで病む人が一人でも減ったら良いと思う。

 ハードルが低い分の違いを書き出すと共に、より漫画家気分を味わえる方法を模索して幸せになりましょう。

 「やっていることは同じ」ここを強調したい。

ここからは
・本屋に売ってる雑誌とかに描いているホンモノのプロの漫画家=漫画家
・同人で個人で漫画を描いてネットで売ってる僕みたい人=同人漫画屋
と記載する。

違い1.注目度

 漫画家と同人漫画屋の一番の違いは注目度だろう。素人の漫画は自分のSNS以外では広報されないし、その結果待ってるファンなんてのもいないと思いがちだ。

 この事を不遇と嘆く必要は全然なくて、Xなどを注意して見ていると漫画家の自己PRが本当にマメで、出版社の後押しが無く、すべて自分でやらないといけないはずの同人漫画屋よりずっと必死に丁寧にやっていることがすぐにわかると思う。

 漫画家は出版社の広報を受けられると同時に、それが何万人にも届き注目されないと発表の場がなくなる。自分のペンでたくさんの人が食わなきゃならないからだ。
 一方同人漫画屋はセルフ広報が誰にも届かなくても発表の場は失わない。専業でさえ自分しか食わなくて良いし、兼業なら誰も食う必要がないからだ。

 集英社は鳥山明「も」尾田栄一郎「も」読んでね!と広報していて、鳥山明は「俺を読んでね!」とSNSで言うわけだ。(大先生がそんなことしてるか知らないけど例としてね)

 出版社の広報は漫画家個人をアピールしているわけじゃないから「俺を推してくれぇ~!」は巡り巡って結局作者がセルフでやることになる。

 でもブワッとでも良いから後押し宣伝が欲しい!

 と思うのが人情だろう。これと同じことを同人漫画屋もすることが可能だ。DLsiteなど、自作を置いているサービスを漫画家でいう出版社と仮に位置付けると「ほしよだか「も」読んでね!」ってやってくれている。
 あとは自分のSNSで「俺を読んでね!」って言えば全く漫画家と同じだ。

 一般的なイメージ程、漫画家は漫画さえ描いていれば良い存在でもないし、同人漫画屋だけがセルフプロデュースを抱えて大変なわけじゃない。

違い2.作画以外の作業

 漫画家は漫画を描くだけでセリフは出版社が入れてくれるだろうし(よく知らないがそうなんでしょ?)表紙もそれ用の絵を描けば出版社が上手いことレイアウトしてくれて、かっこいいロゴをいれてくれる(んでしょ?多分)

 セリフはクリスタで今は簡単に入れられるし、作画と違うスキルが要求される表紙デザインなどは外注が可能。SNSでやってくれる人を募集しても良いし、BOOTHなどで検索すると簡単にサービスをみつけられる。
 費用感は表紙丸投げで1万円~、ロゴの製作で5千円~とリーズナブルだ。

 絵を描くだけで表紙が出来上がるなんてデザインが出来ない僕は夢のようで、まだ丸投げサービスを使ったことは無いが、タイトルロゴだけは外注したことがある。ロゴがプロの手にかかっただけでもあっという間に本屋に売ってる本みたいになる。

違い3.製作アドバイス

 漫画家が編集者と二人三脚で作品を作っていくのは有名な話で、たぶんそうなんだろう。「こうしたほうが売れるよ」とか「ここわかりにくいから変えよう」とかって漫画家の特権で、同人漫画屋には言ってくれる人がいない。とも思いがちだ。

 今はこれすらやってくれるサービスがあって、プロの編集者の人が相談に乗ってくれたり、そもそも「僕はどうしたらいいの?」レベルのブワッとした話さえ聞いてくれてアドバイスもらえる。
 僕が利用したことがあるのはマンガ進路相談室フロンというサービスで、「BLって種類が複数あって君のはこのタイプだね」とか、「プラットフォームはこれが良いよ」とか教えてくれた。

 僕はこのアドバイスがすごい使えたが、仮に使えないアドバイスと感じたとしても、プロの人の意見を聞けるという事を知っているだけでかなり心情的には楽になると思うし、創作を進める原動力になると思う。そもそも何の役にも立たない事なんてプロは言わないしね。
 また、ネームの相談にも乗ってくれるので具体的な「こうしたほうがいいよ」も実現可能。費用感も3,300円~とこちらもリーズナブルだ。

意識低い=ハッピーな人生説

 このように、漫画家とど同人漫画屋にはやることについての違いがなく、他人に面倒見てもらえる部分も遜色がない。
 それを実力競争で得るかお金で買うかの違いでしかないし、先述のようにすべて一人で孤独に作業するなんて事を考えれば全部安い。

 どうか「一作あたりにそのコストをかけたら売り上げが~」なんてケチな事は言わず、働いたサラリーを充てるか、たくさん作品を売ることで解決してほしい。サラリーを充てて作品を充実させていった結果、販売数が上がってそのコストが実質無料レベルで払えるようになるかもしれないしね。

 僕はエロ漫画を描いているので、例えば快楽天に載せてもらうとかが最高峰だとは思うが、これを実現させるために動くにあたり、中々叶わなかったり、僕のように年齢的に時間がなかったりといった事情がある人は、諦めてそのせいで病んだりしないで同人誌描いたらいいと思う。

 何度も繰り返すが、漫画を描いて、発表して、販売する。漫画家じゃん。意識は高くないかもしれないけど不満ないよね。

 本気でやってないママゴト遊びで何をぬかすか、と聞こえてきそうだ。でもね、「本気すぎて心身がすり減っていくくらいなら副業でいいじゃん。だって同人てもはや漫画家だよね!」
 っていう話をしているわけだし、こんな低い意識の僕でさえ今回紹介した各種サービスを利用しても赤字にはなってないから完全なママゴトでもないよ。




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