見出し画像

CDに未来はあるのか

この記事を読んでくださっているみなさんは音楽はどのように聴いていますか。世間一般では今はCDが売れない時代と言われています。まあそりゃそうですよね。だってストリーミングサービスはひと月たった1000円払えば膨大な登録楽曲が聴き放題の時代。対してCDは1000でたった3曲しか聴けない。購入後すぐに聴くこともできないしスマホに取り込むためには1度パソコンを介さなくてはならない。本当に面倒くさいですよね。CDを買う物好きなんて頭どうかしちゃってますよね。今回はそんな頭どうかしちゃった物好きな僕がCDという媒体について語りたいと思います。たぶんいつにも増して僕の主観の部分が強いので共感ができないと思ったらこういう感じ方もあるんだ程度に捉えてもらえると嬉しいです。

そもそも僕はなぜCDが好きなのか。一言でいうとCDには愛があるんですよ。同じようにCDを買うのが好きな人からしたらこの説明だけきっと言いたいことが伝わると思うので改めて説明しろと言われると少し難しいんです…。

お菓子の詰め合わせBOXを買う時と単品で買う時の両方をイメージしてみてください。単品で買うより詰め合わせの方が安いし色々種類があって魅力的にうつるかもしれません。でも10種詰め合わせだとしたら1種くらい好きじゃないものも入っているじゃないですか。一方で単品での購入は自分が好きなものだけを選べます。それにひとつひとつ自分で選ぶ楽しみがあります。

何が言いたいかというとストリーミングサービスは便利だけど取り扱ってない曲もあるし聴かない曲もたくさんあるってこと。それに次から次へと曲を流してまるで曲の使い捨てのような感覚に陥るんです。でもCDの場合は配信限定曲でない限り選びたいものをなんでも選べます。それに何万曲という漠然とした曲の数の塊ではなく特定の何曲かにだけ対価を支払います。だからその曲に特別な愛着が生まれる気もするんです。

またCDは店頭に並んでいる時から愛おしいんです。発売直後のCDとかだったりすると店員さんの愛の込もった熱いメッセージの横に大きく展開されていてまだ収録曲を聴く前からその言葉に気持ちが高ぶるし指先がCDに触れた瞬間にこれからこのCDを買うんだという興奮が全身を襲います。

もちろんCDショップに限らず会場物販での手売り販売にも良さがあります。メンバーの想いを直接聞くことができるしそのCDをどれだけ聴きたいと思っていたか、そのCDのリリースをどれだけ待ち侘びていたかをこちら側から伝えることもできます。本来なかなか直接的に繋がる機会のない作り手と受け手がCDというものを通して思いを交わすことができるんです。
そしてCDの封を開けるとき。あの透明なフィルムを剥がすときになんともいえない緊張感に包まれます。中を開けばそこから先はCDを購入した人しか見ることができない趣向を凝らしたアートワーク。曲の世界観を最大限に演出するためにこだわり尽くしたであろう場所。CDを買った者だけの特権です。歌詞カードひとつとっても定番のブックレットタイプに留まらず4つ折りだったりカードタイプ、紙ジャケットと一体になっていたり多種多様です。また、CDのみ収録のシークレットトラックがあったりジャケットにメンバーの想いを綴ったライナーノーツが封入されていたりすることもあるんです。それにクレジットを見ればどれだけ多くの人がその1枚に携わったかが分かるんです。

そしてディスクをCDプレイヤーに挿入したときの気持ち。スピーカーからキュルキュル円盤を回転させながら流れだしてくる曲。満足感が身体中をあたたかく満たしてくれます。CDを隅の隅まで余すことなく堪能すれば心の底から幸せな気持ちになることができます。

CDには愛があると前述しましたが僕はそもそもCD自体が愛であるとすら思うんです。

ストリーミングサービス、便利ですよね。定額料金を支払えばなんでもボタン一つでダウンロードして聴くことができる。CDに取って代わってユーザーを集めている理由はすごくよく分かります。でも僕にはその便利さや手軽さが曲に込められていた愛まで省いてしまったように感じられてしまうのです。正直な話をすると僕もとあるストリーミングサービスを利用しています。でもそこで聴いている曲の多くはCDでも持っているし持っていないものもこれから購入すると思います。家では絶対にCDで音楽を聴きます。だからなんだよって話ですよね。でもやっぱり分かる人には分かると思うんです。CDの良さが。

今回のタイトル「CDに未来はあるのか」。CDの未来が将来どのようになっていくのかなんて誰にも分かりません。でも僕はCDという媒体がなくならないでほしいと思っています。最近ではきゃりーぱみゅぱみゅやSUNNY CAR WASHなどがレコードでの音源のリリースをはじめました。僕は家にレコードがないのでレコードの魅力は分からないし抱く感想なんてオシャレだくらいなものです。でも僕が知らないところでレコードを好きでいて、レコードがなくならないでほしいと思っている人がいるんです。だからもし、何年か後にCDなんて古臭いものだという時代になったとしてもCDという文化はレコードと同じようになくならないでほしいです。