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マオリのAntie(おばちゃん)が教えてくれた、これからの家族のかたち

今から20年ほど前、ニュージーランドの大学のマオリ学部に留学していた時のこと。大学には、主にマオリの学生向けに作られた「Marae」という集会所があるのだが、そこには平日はお昼ごはんを提供する食堂があり、そこのおばちゃんと、気づいたら仲良くなっていた。彼女はマオリの歌と踊りのサークルである「Kapahaka」にも参加していて、踊り手にはなっていなかったのだけど、みんなの「お母ちゃん」として、いつも練習の時、ニコニコしてたたずんでいた。

彼女には、子どもがたくさんいた。みんながAntieと呼んで親しんでいたから、どこまでが彼女と一緒に暮らす子どもだったのか、見当がつかなかったくらいだ。しかも、一緒に暮らしている子どもたちの中にも、養子としてadaptした子と、自分が産んだ子がいて、でも、みんな、一緒に楽しく暮らしている様子だった。

当時20歳前後の私には、とても自然に「家族」として楽しそうにしているAntieたちの様子が、すごくまぶしかった。そして「あ、こういう家族の形って、いいなあ」と感じた。

そんな私が親になって10年以上。どんなお母さんになりたいか……というイメージはいろいろあるんだけど、その中には今も色あせない、あの頃のAntieのイメージがある。いつもニコニコしていて、みんなの話を聞いていた、頼れるお母ちゃん。自分の子どもたちももちろん、みんなの「お母ちゃん」にもなれる。私もそんな人になりたいな……。

#これからの家族のかたち

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